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CIBO MATTO

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


ニューヨークで生まれた人気ユニット、チボ・マットがついにブルーノート東京に初登場を果たしました。ぼくは1999年、当時の新譜『STEREOTYPE A』を聴いて、彼女たちのサウンドに引き込まれました。ポップなところと尖っているところのバランス感覚が絶妙で、とにかく聴いていてわくわくさせられたものです。現在もチボ・マットは心憎いほどポップで、妥協なく尖っています。うれしい気分のまま、ぼくはラストの一音まで聴き入ってしまいました。

オープニングの「Sugar Water」で本田ゆか、ハトリミホ、そしてサポートの大野由美子(バッファロー・ドーター)が舞台に揃い、曲のエンディングでベースのデヴィン・ホフ、ドラムスのあらきゆうこが合流します。そして15年ぶりにリリースされた新作アルバム『ホテル・ヴァレンタイン』(CDのほかに、LPも発売されています。ぼくはLPで所有)からのナンバーが次々と演奏されていきます。「Check In」、「Déjà vu」、「MFN」、「Empty Floor」、「10th Floor Ghost Girl」などなど。曲順はアルバムとは異なりますが、架空のホテル"ホテル・ヴァレンタイン"の謎めいた妖しい空気が「ブルーノート東京」にたちのぼります。メンバー中、唯一の男性であるデヴィンもアコースティックとエレクトリックを持ち替えながら、強靭なトーンを響かせていました。ネルズ・クライン(『ホテル・ヴァレンタイン』にも参加しているギタリスト)、ジョシュア・レッドマン、メアリー・ホルヴァーソン(先ごろマーク・リーボウのバンドで来日)などとの共演歴を持つ彼の参加は、ぼくにとってこのライヴのさらなる大きな喜びでした。

最初期の代表曲「Birthday Cake」とアントニオ・カルロス・ジョビン作「Águas de Março」(三月の雨)はアコースティック楽器中心にプレイされました。本田はアコースティック・ピアノを弾き、後者では田辺瑞樹のチェロもフィーチャー。また『STEREOTYPE A』からの「Moonchild」では、チェロとベースの弓弾きをバックに、思いっきりリヴァーブのかかったハトリのヴォーカルが抜群の存在感を示しました。「Sci-Fi Wasabi」で、本田とハトリが横並びになって行なうダンスも、実にかっこよかったです。

公演は本日まで。特製カクテル「Emerald Tuesday」を味わいながら、極上のパフォーマンスをお楽しみください。
(原田 2014 8.15)

SET LIST

2014 8.14 THU.
1st & 2nd
1. SUGAR WATER
2. CHECK IN
3. DEJA VU
4. MFN
5. AGUAS DE MARCO
6. BIRTHDAY CAKE
7. MOONCHILD
8. EMERALD TUESDAY
9. EMPTY POOL
10. 10TH FLOOR GHOST GIRL
EC. SCI-FI WASABI

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