2013 6.9 sun. - 6.10 mon.
FUJITSU CONCORD JAZZ FESTIVAL 2013 "Jazz At The Philharmonic" Tribute to Norman Granz
artist
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
1986年に始まった老舗ジャズ祭「富士通コンコード・ジャズ・フェスティバル」が今、初めてブルーノート東京で行われています。総勢13人のミュージシャンがさまざまな組み合わせで登場し、約2時間にわたってアコースティック・ジャズの魅力を伝えてくれます。
前半ではルイス・ナッシュ(ドラムス)、リニー・ロスネス(ピアノ)、ピーター・ワシントン(ベース)がリズム・セクションを務めました。彼らはいずれも'80年代に頭角を現した演奏家たちです。ナッシュはジャッキー・マクリーンらと共演し、リニーはジョー・ヘンダーソンのバンドでレギュラーを務めたことがあります。ピーターはアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの後期メンバーです。20世紀を代表するジャズ・ジャイアンツと共に演奏した経験は、彼らにとって大きな養分となっていることでしょう。
プログラムはチャールズ・マクファーソンと多田誠司のアルト・サックス競演「Bloomdido」から始まりました。マウスピースを深くくわえ、喉の奥から音をふりしぼるように演奏するマクファーソンと、やや浅めにマウスピースをくわえて滑らかに吹ききる多田。同じ楽器なのにニュアンス、音色がまったく違います。その"違い"が目の当たりにできるのもまた、ジャズ・ライヴの醍醐味です。
トランペット競演はテレル・スタッフォードとランディ・ブレッカーの間で行なわれました。この日のランディはエフェクターを使わず、まったくのアコースティック仕様で昔ながらの4ビート・ジャズをしっとりと聴かせてくれました。しかしこのスタイルも彼にはお手のもの、さすがジャズ・メッセンジャーズOBです。テレルもトランペットの朝顔から湯気を出しながら熱演、バラード「Blame It On My Youth」には近年の充実ぶりが集約されているかのようでした。
後半はジェフ・ハミルトン(ドラムス)、タミール・ヘンデルマン(ピアノ)、クリストフ・ルティ(ベース)がリズム・セクションです。ハミルトンは"クレイトン=ハミルトン・ジャズ・オーケストラ"のリーダーとしてもお馴染みですね。テナー・サックス競演を行なったのは、ハリー・アレンとグラント・スチュアート。さらにヴォーカル・ゲストとしてロバータ・ガンバリーニが参加しました。今回が10回目の来日だというロバータは「No More Blues」(アントニオ・カルロス・ジョビンの「Chega de Saudade」 の英語ヴァージョン)、カーペンターズのヒット曲「Rainy Days And Mondays」等で、相変らず絶好調なところを示しました。
その後、ハミルトンとナッシュのスネア・ドラム・バトル「Salt Peanuts」(ふたりともスティックではなく、ブラッシュを使いました)があり、ラストでは楽器奏者が全員登場して「Perdido」がプレイされました。ほどよくアレンジされた6管のアンサンブルは、まるでビッグ・バンドのような音の厚みを持っています。
それにしても豪華なメンバーです。この顔ぶれが一堂に会することはもう二度とないかもしれません。公演は本日まで。ぜひどうぞ!
(原田 2013 6.9)
2013 6.9 sun.
| 1st | |
|---|---|
| 【ALTO SUMMIT】 | |
| 1. | BLOOMDIDO |
| 2. | THESE FOOLISH THINGS |
| 3. | I SHOULD CARE |
| 4. | WEE |
| 【LEWIS NASH TRIO】 | |
| 5. | GREEN CHIMNEYS |
| 6. | BUD POWELL |
| 【TRUMPET SUMMIT】 | |
| 7. | BLAME IT ON MY YOUTH |
| 8. | GHOST OF A CHANCE |
| 9. | TIN TIN DEO |
| 【TENOR MADNESS】 | |
| 10. | LAURA |
| 11. | NEARNESS OF YOU |
| 12. | LESTER LEAPS IN |
| 【JEFF HAMILTON TRIO】 | |
| 13. | FALLING IN LOVE WITH LOVE |
| 14. | SAMBE DE MARTELO |
| 【VOCAL】 | |
| 15. | NO MORE BLUES |
| 16. | RAINY DAYS AND MONDAYS |
| 17. | FLY ME TO THE MOON |
| 【DRUM BATTLE】 | |
| 18. | SALT PEANUTS |
| 【ALL MEMBERS】 | |
| 19. | PERDIDO |
| 2nd | |
| 【ALTO SUMMIT】 | |
| 1. | BILLIE'S BOUNCE |
| 2. | BODY AND SOUL |
| 3. | DARN THAT DREAM |
| 4. | A NIGHT IN TUNISIA |
| 【LEWIS NASH TRIO】 | |
| 5. | DUKE |
| 6. | YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC |
| 【TRUMPET SUMMIT】 | |
| 7. | SEPTEMBER IN THE RAIN |
| 8. | WHAT'S NEW |
| 9. | TIN TIN DEO |
| 【TENOR MADNESS】 | |
| 10. | THE SHADOW OF YOUR SMILE |
| 11. | WHERE OR WHEN |
| 12. | LESTER LEAPS IN |
| 【JEFF HAMILTON TRIO】 | |
| 13. | POINCIANA |
| 14. | I LOVE BEING HERE WITH YOU |
| 【VOCAL】 | |
| 15. | NOBODY ELSE BUT ME |
| 16. | ESTATE |
| 17. | FLY ME TO THE MOON |
| 【DRUM BATTLE】 | |
| 18. | SALT PEANUTS |
| 【ALL MEMBERS】 | |
| 19. | PERDIDO |







