2012 10.16 tue. - 10.19 fri.
THE DUKE ELLINGTON ORCHESTRA featuring MACY GRAY
artist THE DUKE ELLINGTON ORCHESTRA
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ひょっとしたらポピュラー音楽史上、最も長く続いているバンドかもしれません。1923年結成、来年で創立90周年を迎えるデューク・エリントン・オーケストラが昨日から圧巻のステージを繰り広げています。
創設者デューク・エリントンは残念ながら1974年に他界してしまいましたが、"虎は死んで皮を残し、マエストロは曲を残す"。デュークが書いた数多くの楽曲は、今なお多くのミュージシャンに愛され、演奏され歌い継がれています。この日のライヴでも、「TAKE THE A TRAIN」、「SATIN DOLL」、「SOPHISTICATED LADY」等、デュークやそ のバンド・メンバーが創作した定番が次々とプレイされました。ソリストはジェームズ・ゾラー(トランペット)、シェリー・キャロル(テナー・サックス)、モーガン・プライス(バリトン・サックス)、スタッフォード・ハンター(トロンボーン)等。「CARAVAN」ではデイヴ・ギブソン(ドラムス)、「JACK THE BEAR」ではハサン・シャカー(旧名J.J.ウィギンズ。名ピアニス ト、ジェラルド・ウィギンズの息子)のベースがフィーチャーされました。なお、アレンジはすべてこのオーケストラ用に用意されたもののようです(つまり、デューク存命中の編曲は使っていない)。
ピアニストとコンダクターは、トミー・ジェームスが務めます。彼は1987年、デュークの息子である故マーサー・エリントンに乞われて、エリントン・オーケストラに関わるようになりました。ほかにもライオネル・ハンプトン、ジョー・ウィリアムスらのサポートを務め、スタイリスティックスやテンプテーションズ、メルバ・ムーア等、ソウル・ミュージック系のシンガーとも共演しています。そのピアノ・スタイルは、垂直的と評されたデューク自身のそれとは、一味異なります。あくまでも滑らかに、レガート気味に流れていくのがトミーのプレイです。
後半にはスペシャル・ゲストのメイシー・グレイが登場しました。どこか苦みばしった、強烈な個性と魅力に彩られた彼女の歌声は、ジャズのビッグ・バンドと絶妙な相性を示します。赤いスパンコールのドレスを着て、「SOLITUDE」等、古典的なエリントン・ナンバーを熱唱するメイシーの姿は、いつもよりもさらに大きく、高くそびえたって見えました。
(原田 2012 10.16)
● 10.23 tue. - 10.26 fri. はコットンクラブにて公演
※メイシー・グレイは出演いたしません
2012 10.16 tue.
1st | |
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1. | TAKE THE "A" TRAIN |
2. | BIRMINGHAM BREAKDOWN |
3. | BLACK AND TAN FANTASY |
4. | EIGHTH VEIL |
5. | SUCH SWEET THUNDER |
6. | BALCONY SERENADE |
7. | U.M.M.S |
8. | THE STAR CROSSED LOVERS |
9. | AMAD |
10. | I'M BEGINNING TO SEE THE LIGHT |
11. | JUST A-SITTIN' AND A-ROCKIN' |
12. | IN MY SOLITUDE |
13. | IT DON'T MEAN A THING IF IT AIN'T GOT THAT SWING |
14. | MOOD INDIGO |
15. | ROCKIN' IN RHYTHM |
16. | THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE |
2nd | |
1. | TAKE THE "A" TRAIN |
2. | COTTON CLUB STOMP |
3. | THE MOOCH |
4. | JOHNNY COME LATELY |
5. | SATIN DOLL |
6. | SOPHISTICATED LADY |
7. | JACK THE BEAR |
8. | CARAVAN |
9. | AMAD |
10. | I'M BEGINNING TO SEE THE LIGHT |
11. | JUST A SITTIN' AND A ROCKIN' |
12. | IN MY SOLITUDE |
13. | IN A SENTIMENTAL MOOD |
14. | COTTONTAIL |
15. | THE "C" JAM |