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THE DUKE ELLINGTON ORCHESTRA featuring MACY GRAY

artist THE DUKE ELLINGTON ORCHESTRA

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
 
 

ひょっとしたらポピュラー音楽史上、最も長く続いているバンドかもしれません。1923年結成、来年で創立90周年を迎えるデューク・エリントン・オーケストラが昨日から圧巻のステージを繰り広げています。

創設者デューク・エリントンは残念ながら1974年に他界してしまいましたが、"虎は死んで皮を残し、マエストロは曲を残す"。デュークが書いた数多くの楽曲は、今なお多くのミュージシャンに愛され、演奏され歌い継がれています。この日のライヴでも、「TAKE THE A TRAIN」、「SATIN DOLL」、「SOPHISTICATED LADY」等、デュークやそ のバンド・メンバーが創作した定番が次々とプレイされました。ソリストはジェームズ・ゾラー(トランペット)、シェリー・キャロル(テナー・サックス)、モーガン・プライス(バリトン・サックス)、スタッフォード・ハンター(トロンボーン)等。「CARAVAN」ではデイヴ・ギブソン(ドラムス)、「JACK THE BEAR」ではハサン・シャカー(旧名J.J.ウィギンズ。名ピアニス ト、ジェラルド・ウィギンズの息子)のベースがフィーチャーされました。なお、アレンジはすべてこのオーケストラ用に用意されたもののようです(つまり、デューク存命中の編曲は使っていない)。

ピアニストとコンダクターは、トミー・ジェームスが務めます。彼は1987年、デュークの息子である故マーサー・エリントンに乞われて、エリントン・オーケストラに関わるようになりました。ほかにもライオネル・ハンプトン、ジョー・ウィリアムスらのサポートを務め、スタイリスティックスやテンプテーションズ、メルバ・ムーア等、ソウル・ミュージック系のシンガーとも共演しています。そのピアノ・スタイルは、垂直的と評されたデューク自身のそれとは、一味異なります。あくまでも滑らかに、レガート気味に流れていくのがトミーのプレイです。

後半にはスペシャル・ゲストのメイシー・グレイが登場しました。どこか苦みばしった、強烈な個性と魅力に彩られた彼女の歌声は、ジャズのビッグ・バンドと絶妙な相性を示します。赤いスパンコールのドレスを着て、「SOLITUDE」等、古典的なエリントン・ナンバーを熱唱するメイシーの姿は、いつもよりもさらに大きく、高くそびえたって見えました。
(原田 2012 10.16)
 
 
● 10.23 tue. - 10.26 fri. はコットンクラブにて公演
 ※メイシー・グレイは出演いたしません
詳細はこちら

SET LIST

2012 10.16 tue.
1st
1. TAKE THE "A" TRAIN
2. BIRMINGHAM BREAKDOWN
3. BLACK AND TAN FANTASY
4. EIGHTH VEIL
5. SUCH SWEET THUNDER
6. BALCONY SERENADE
7. U.M.M.S
8. THE STAR CROSSED LOVERS
9. AMAD
10. I'M BEGINNING TO SEE THE LIGHT
11. JUST A-SITTIN' AND A-ROCKIN'
12. IN MY SOLITUDE
13. IT DON'T MEAN A THING IF IT AIN'T GOT THAT SWING
14. MOOD INDIGO
15. ROCKIN' IN RHYTHM
16. THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE
 
   
2nd
1. TAKE THE "A" TRAIN
2. COTTON CLUB STOMP
3. THE MOOCH
4. JOHNNY COME LATELY
5. SATIN DOLL
6. SOPHISTICATED LADY
7. JACK THE BEAR
8. CARAVAN
9. AMAD
10. I'M BEGINNING TO SEE THE LIGHT
11. JUST A SITTIN' AND A ROCKIN'
12. IN MY SOLITUDE
13. IN A SENTIMENTAL MOOD
14. COTTONTAIL
15. THE "C" JAM

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