【JAM vol.243】PETER ERSKINE - interview- | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【JAM vol.243】PETER ERSKINE - interview-

【JAM vol.243】PETER ERSKINE - interview-

text = Makoto Miura
interpretation = Keiko Yuyama

"Have fun!"だけで、ステップできる。

 若かりし頃の自分を振り返っては「侍」と称し、アーティストとして円熟した現在を「大名」のようだと例える時点で、ピーター・アースキンはかなりの日本通だ。そんな彼が桜を見るために来日しているという情報を聞きつけて、8月のDr. UM(ドクター・アム)名義の公演詳細を探るべくインタビューを申し込んだ。プライベートの時間を邪魔するようで少し申し訳なく思っていたこちらの心配とは裏腹に、快いYESの回答。許される時間をフルに使ってかつての盟友との思い出から現在の心境まで、余すことなくピーターが語ってくれた。

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ーー今度の公演の見どころや、どんな曲を取り上げるのか教えてください。

「今回はウェザー・リポートやステップス・アヘッド、それに僕自身のカタログの中から、近年注目されてこなかった楽曲を改めて掘り起こそうと思っている。そのうえマイク・マイニエリに参加してもらえることがとても嬉しい。バンドを更なる高みに導くことになるからね。かつての曲を模倣でなく、新たにフレッシュで創造的な形でプレゼンテーションするつもりだよ」

ーーステップス・アヘッドとウェザー・リポートがあなたのキャリアに大きな影響を与えていると思いますが、それぞれのグループから学んだことは?

「ウェザー・リポートは自分にとって大学と言えるような存在だった。ウェイン・ショーターやジャコ・パストリアスから学ぶことがたくさんあったから。ステップス・アヘッドは自分のキャリアのはじまりだったのでジャズをどのようにプレイするのか、どうやってスウィングするのか、というような根源的なことに加えて、ドラムによる作曲に関して学ぶことができた。作曲に関してはステップス・アヘッドの方が寛容だったね」

ーー若い頃を振り返ると、今の自分とは異なる側面がありますか?

「ウェザー・リポートに加入したのは23歳の頃で、黒澤映画に例えるなら自分は侍のような怖いもの知らずだった。マイク・マイニエリやウェイン・ショーターは遥かに年上だったからバンドとしてはユニークな組み合わせだったと思う。当時は楽器とも音楽とも闘っていたような気がする。今はもっと賢い方法で音楽と向き合っている。侍から大名に変貌したっていう比喩はあっているのかな(笑)? 多才であろうとするよりむしろ、誠実であるように努めているよ」

ーーDr. UMの魅力について教えてください。

「例えばエリック・ミヤシロのビッグバンドとやるときはアクションヒーローさながらのパワー全開のプレイで望むし、反対にトリオやカルテットで演るときは、よりソフトな表現を心がけている。Dr. UMの場合は両方の魅力を感じてもらえると思う。メンバーに関して補足するなら、ジョン・ビーズリーは卓越したインプロヴァイザーでエレクトロ・ミュージックの本質をよく理解している。マシュー・ギャリソンは元々教え子だけど、彼のグルーヴと即興演奏を融合するスキルは目を見張る才能だと思う。ボブ・シェパードはステップス・アヘッド時代からの仲間で、なんでも演奏できてしまう素晴らしいサックス奏者。今回マイク・マイニエリはバンド・リーダーではなくゲスト。だから彼にもオーディエンスのみんなにも、ただ"Have fun!"(楽しんで!)って伝えたい」

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ーーあなたが "Have fun!"って言われたこともありますか?

「ジャコ・パストリアスが言ってくれたよ。僕がメイナード・ファガーソンのビッグバンドのメンバーとしてステージに立っていた日で、ちょうどセカンドステージに向かうときだった。初対面なのに気軽な感じで"Have fun!"って。そうしたらすごくリラックスして演奏できたんだ。当時は若いなりのエゴがあったから、ただ楽しむことを忘れていたような時期だった。ジャコもとても強いエゴがある人だったけど面白い逸話があってね。自身のアルバム『Word of Mouth』を制作しているときだった。ハリウッドのA&Mスタジオで、隣にバート・バカラックが居合わせたんだ。なんと彼がすごくジャコの音を気に入ってくれてね。僕が知る限りジャコが最も幸せに見えた瞬間だったよ」

LIVE INFORMATION

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PETER ERSKINE "Dr. Um"
-Steps Into The Weather-
featuring MIKE MAINIERI with JOHN BEASLEY, BOB SHEPPARD & MATTHEW GARRISON


2026 8.14 fri., 8.15 sat., 8.16 sun. ブルーノート東京
8.14 fri.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
8.15 sat., 8.16 sun.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/peter-erskine/

<MEMBER>
ピーター・アースキン(ドラムス)
マイク・マイニエリ(ヴィブラフォン)
ジョン・ビーズリー(ピアノ)
ボブ・シェパード(サックス)
マシュー・ギャリソン(ベース)

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