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[インタビュー|OFFSTAGE]スライ&ロビーにインタビュー

[インタビュー|OFFSTAGE]スライ&ロビーにインタビュー

音楽への愛があればいつだってご機嫌なショーになる。

 10月に3日間6公演行われたスライ&ロビー。
ブルーノート東京がダンスホールになったのではと錯覚するほどステージと客席一体で盛り上がるショーがくり広げられた。

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 スライ・ダンバーが思うロビー・シェイクスピアのベースの魅力は迫力。ロビーが思うスライのドラムスの魅力は多彩さだという。

スライ ロビーはとにかく音がでかい。楽器もでかいけれど、音も大迫力だ。実は、一緒にやる前は、そんなに音量上げていいのか?と疑問を持っていた。でも、彼のベースの音を一度味わってしまうと、ほかのベーシストでは満足できなくなってしまう。しかも、フィンガーピッキングなのに、音がクリーンなんだ。ロビーは弦の代わりに洗濯紐を使ったとしても、シャープな音をだすはずだよ

ロビー スライは、いってみればタコのようなドラマーだね。手足が何本もあるんじゃないかな。それほど音数が多い。あまりにもエネルギッシュで、エンジンが付いているのでは、と感じることもあるよ。ステージでベースを弾いていて、あれっ、今日はツインドラムだっけ?と思ってふり返ることもある。でも、いつも通りロビーが1人で叩いている。こういうドラマーと組むと、自分も絶対に全力でなくてはならない。スライはミュージシャンとしての僕のモチベーションも維持してくれている

 10月に3日間6公演行われたスライ &ロビーのショーは毎公演オープニングからアリーナフロアは総立ち状態に。スライの "ステージ衣装"は工事現場仕様だ。つなぎ服で黄色や白のヘルメットを日替わりでかぶる。しかも、ドラム用のスティール椅子を使わず、タムタムを入れてきたケースに腰かけて叩いている。

スライ いい雰囲気だった。オーディエンスがいるからこそ僕たちがいる。あらためて思い知ったよ。タムのケースに座って叩くのは、演奏するにはちょうどいい高さだからだ。最近は特にケースが僕の尻の形のカーブになって、いい具合だ

ロビー 客席の盛り上がりを見て1970年代に出演したライヴ・アンダー・ザ・スカイを思い出した

ロビー ミュージシャンには、音楽を選んだやつと、音楽に選ばれたやつがいる。ジョニーは明らかに後者だ。やつの声を初めて聴いた瞬間、こいつはモノが違う、と確信した。声に音楽へのあふれんばかりの愛情が感じられた。あいつの歌を聴くと、思わず顔がほころんでしまうんだ

 約30年にわたって世界中の超一級とコラボレーションを重ねてきた彼らによると、こうした "音楽に選ばれた"アーティストがいるという。

ロビー ボブ・ディラン、マイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダーだよ

スライ クインシー・ジョーンズ、ハービー・ハンコック、チック・コリアも忘れてはいけない

ロビー ときどきね、リスナーとして聴いていてリスペクトしていたミュージシャンでも、会うとがっかりさせられてしまうこともある。でも大切なのは、アーティストを好きでなくても、そのアーティストの音楽を嫌いにならないことだ。音楽性と人間性は必ずしも一致しない。そして、僕たちは音楽を愛する。それさえ肝に銘じていれば、いつだって、誰とだって、ご機嫌な演奏をすることができる

live photo
スライ&ロビー and ザ・タクシー・ギャング featuring ジョニー・オズボーン
2014 10.10 fri. - 10.11 sat., 10.13 mon.

photography = Hiroyuki Matsukage
text = Kazunori Kodate
interpretation = Kazumi Someya

SLY & ROBBIE
Sly Dunbar(スライ・ダンバー)/
Robbie Shakespeare(ロビー・シェイクスピア)
70年代からレゲエシーンで活躍するスーパー・リズム・セクション。ボブ・マーリーと並びレゲエを広めたピーター・トッシュ、またミック・ジャガー等のレジェンドたちをサポート。グラミー賞常連でもありアルバム『フレンズ』は第41回ベスト・レゲエ・アルバム賞を受賞。

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