ジェシー・ハリス、来日直前インタビューが到着! | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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ジェシー・ハリス、来日直前インタビューが到着!

ジェシー・ハリス、来日直前インタビューが到着!

最新作『アクアレル』の創造を通して
繰り広げられる多彩な音楽世界

 柔らかなメロディと洗練されたタッチ――ジェシー・ハリスが紡ぐ歌と音楽は、いつだって温かく寄り添ってくれる。今回のブルーノート東京公演は、新作『アクアレル』を携えての出演。ノラ・ジョーンズに提供した「ドント・ノー・ホワイ」でグラミー賞に輝き、NYを軸に活動する稀代のシンガー・ソングライターに抱負を尋ねた。

text = Toshiya Oguma

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 新作『アクアレル』は、"ブラジルのジョン・レノン"とも称されるマルセロ・カメーロが、ポルトガルのリスボンに所有するスタジオで録音された。これはウィル・グレーフェ(ギター、ヴォーカル)と共に近年のライヴ/レコーディングで共演している、ジェレミー・ガスティン(ドラマー)の提案だったという。

「マルセロとは何年か前にリオで知り合っていたし、以前からリスボンには行きたいと思っていたけど、2017年に前作『ミュージック・フォー・カメレオンズ』を発表したばかりだったから、はじめのうちは時期尚早だと思っていた。でも、いいアイディアなのは間違いないし、気がつくと曲のストックは貯まっていたから、新作に取り掛かることにしたんだ。録音を始めるギリギリまで曲を書き続け、『アウト・オブ・タイム』なんかはレコーディングが始まる2日前ぐらいに書き上げたよ」

 その後、NYやLAでも録音を行ないアルバムは完成。"水彩"を意味する『Aquarelle』というタイトル通り、フォーキーかつジャジーな持ち味を保ちながら、軽やかで色彩感に富み、どこか陽気なヴァイブスを漂わせる一枚となった。

 そんな『アクアレル』に大きく貢献しているのが、リカルド・ディアス・ゴメス(ベース、キーボード)。カエターノ・ヴェローゾが率いたバンダ・セーの一員としても知られる彼が、今回の来日メンバーに加わっているのは見逃せないトピックだ。

 「僕はNYで2回、バンダ・セーの演奏を観たことがあってね。『アクアレル』では、彼のリズム面でのアプローチやハーモニー感覚が、ちょっとしたブラジルっぽさを加味している。それと彼の演奏には生々しさがあって、それがアルバムにエッジを効かせているんだ。さらにソロ・アルバムも素晴らしくて、今年発表された『Aa』はこれまでに聴いたことがないようなサウンドだったよ」

 1969年生まれのジェシーは、95年にレベッカ・マーティンとのユニット「ワンス・ブルー」を経て、99年からソロ活動を開始。多数のコラボレーションでも知られ、近年はジュリアン・ラージやキャンディス・スプリングスといった新世代のプロデュースも手掛けている。長いキャリアを築いてきた彼に、ソングライターとしての変化と矜持について訊いてみた。

 「それは答えづらい質問だな、自分を客観視するのは難しいから。ただ、様々なサウンドに対して前よりオープンになったとは思う。今はそれほど純粋主義ではないよ。常に心がけているのは、ハーモニーとメロディの両面で、構成のしっかりした曲を書くこと。そして意味のある歌詞を伴わせること。とはいえ、振り返ればその成功の度合いはまちまちだったけどね」

 ブルーノート東京に登場するのは、2016年にペトラ・ヘイデンやキャンディス・スプリングスとの共演ステージや、ノラ・ジョーンズがリリース直前だった『デイ・ブレイクス』の楽曲をお披露目したショウケース・イベントに参加して以来となる。

 「あのときのショウを振り返ると、共演したミュージシャンや音楽のみならず、楽屋での会話や笑い声まで思い出されるよ。ブルーノート東京での演奏は、音響からお店のスタッフ、それからオーディエンスに至るまで、いつだって最高の経験だ。あと、僕は青山の界隈が大好きでね。レストランやカフェ、博物館や美術館、ブティックを訪ねたりしながら散歩するのは最高だよ」

 今回の公演では、『アクアレル』の収録曲が大々的にフィーチャーされる。さる9月に、ブルックリンの「Union Pool」で行われた同作のリリース・パーティは大盛況で、日本でも盛り上がることになりそうだ。

 「アルバム全体に心から満足しているんだ。そのなかでも、自分のお気に入りは『アウト・オブ・タイム』『ローリング・バイ』『ネヴァー・セイ・グッバイ』『ヘキサグラム』『サンデイ』、そして『ウェア・ア・ローズ・フォールズ』。たぶん他の曲もやると思う」

 さらに、ささやかなサプライズも用意されている。

「『ミュージック・フォー・カメレオンズ』の曲もやるし、インスト曲もいくつか入れる予定だ。それと各ショウの合間に、短い時間だけどソロでの演奏もするつもり。そこでは意外な曲や、昔好きだった曲を取り上げる。ファンの皆さんと再会するのが今から待ちきれないよ!」


小熊 俊哉(おぐま・としや)
ライター/編集者。洋楽誌『クロスビート』、音楽サイト『Mikiki』を経てフリー。編書に『Jazz The New Chapter』(監修・柳樂光隆)、『Quiet Corner 心を静める音楽集』(監修・山本勇樹:共にシンコーミュージック)など。

JESSE HARRIS / ジェシー・ハリス
2018 12.18 tue., 12.19 wed.
[1st]Open5:30pm Start6:30pm [2nd]Open8:20pm Start9:00pm
公演詳細はこちら → http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/jesse-harris/

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