【JAM vol.241】BLUE NOTE JAPAN GROUP FOOD REPORT
photography = Eiji Miyaji text = Tomoko Kawai

生産者を訪ね、食材が生まれる場所を知る。
その経験こそが、料理のインスピレーションに。
ブルーノートグループの料理人たちが、
冬の宮崎へ、食材探しの旅へ向かいました。
「日本のひなた」。温暖な気候と快晴日数の多さ、そして人柄の温かさから、そう呼ばれる宮崎県。海と山が織り成す地形が農業と漁業に恩恵をもたらし、まさに豊かな食材の宝庫といえます。ブルーノートグループ エグゼクティブシェフの長澤宜久をはじめとしたメンバーが最初に訪れたのは、日向灘沿いの山を切り開いた「黒岩牧場」。代表の黒岩正志さんは、薬剤や抗生物質を使わず、山林放飼で鶏本来の本能を引き出す「黒岩式養鶏法」を確立した人。「黒岩土鶏」と名付けられた鶏はフランス系の赤鶏品種で、にごりのない味わいと豊かな旨み、弾力とジューシーさを兼ね備えた肉質が特徴。「42年やってきて、最高に美味い鶏ができた」と語る黒岩さん。その揺るぎない信念が、黒岩土鶏の穏やかな姿や深い味に重なりました。

大地と太陽のパワーを感じる野菜を求め、小林市の「梶並農園」へ。梶並達明さんと和枝さん夫妻が実践するのは、自然の力を最大限に引き出す農法です。夫妻が掲げるテーマは「珍しい・おいしい・驚きのある」野菜作り。カラフルな西洋野菜、切っただけでジュースのように甘く瑞々しい根菜など、見た目も味もサプライズがたっぷり。野菜への愛に溢れ、活かし方を惜しみなく教えてくれるお二人の元へ、全国から料理のプロが通う理由がわかります。

南国の気候を活かした果樹栽培と加工を行う「長友農園」では、トロピカルフルーツの木々が青々と茂っていました。長友宣洋さんは南国フルーツ栽培のパイオニアであるお父さまとともに、無農薬・樹上完熟での栽培を貫いています。長い年月を費やして品種改良を重ねたパッションフルーツや未来の特産品として期待されるバニラビーンズなど、宮崎の新たな可能性を明るく語る姿にシェフたちも刺激を受けた様子。豊かに実ったバナナや、まだ小さなピーチパインを眺めながら、料理やデザートのアイディアが膨らみます。

朗らかな微笑みの中に、日本の食を担う使命感を秘めた作り手たち。真っ直ぐに仕事と向き合うその姿に、感銘を受けた2日間でした。
生産者の思いが詰まった宮崎食材とタコスの出会い
ひなたの食材が南国の優しい風を感じるタコスに。ブルーノート・プレイスとブルックリンパーラー新宿でお楽しみいただけます。
Oriental Tacos
オリエンタルタコス ¥2,600(tax in)
プラナカン料理のポピアにインスパイアされた、具材を自由に包んで頬張るタコス。黒岩土鶏の もも肉・胸肉、レバームースなどと梶並農園の力強い野菜を2種のタコス生地とともに贅沢に。
KUROIWA TSUCHIDORI chicken & HYUGANATSU Tacos
黒岩土鶏と日向夏のタコス ¥1,512(tax in)
素材の味わいを生かしシンプルにグリルした黒岩土鶏と、鶏の出汁を含んだ大豆ミートに、青バナナの食感、日向夏とサワークリームのソースを合わせた春の訪れを待ち侘びる爽やかなタコス。
