宇宙一のファンク・バンドが半世紀かけて築いた金字塔 | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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宇宙一のファンク・バンドが半世紀かけて築いた金字塔

宇宙一のファンク・バンドが半世紀かけて築いた金字塔

バンド結成50周年というスペシャルな年に行われる日本公演は、当然ながらスペシャルなものになる。世界最高峰、圧倒的なリズムとホーンズの嵐に身を委ねよう!日本好きとしても知られるタワー・オブ・パワーを見逃してはいけない!

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バンド発足からの怒涛の10年間

 タワー・オブ・パワー(以下、TOP)の正式な発足日は1968年8月13日(水)。この日にスティーヴン"ファンキー・ドクター"クプカ(bs)を迎えての最初のライヴを行ったのだった。瞬く間に北カリフォルニア、通称「ベイ・エリア」で話題のバンドとなり、発表するアルバムも大好評。特にホーンズは世界のトップ・アーティストからも声が掛かり続け、その名を世界に知らしめたのだった。特に1974年発表のアルバム『バック・トゥ・オークランド』は、今でも名作との評価が高い。

 

『バック・トゥ・オークランド』
(ワーナーミュージック・ジャパン)

バンドのテーマ曲ともいえる「オークランド・ストローク」、名曲「スクウィブ・ケイクス」などを収録した歴史的名盤の通算4作目。


73年、最初の黄金時代を迎えたTOPのTV出演映像。

時代はディスコへ。逆風が吹き出した頃

 1970年代後期に世界的に吹き荒れたディスコ・ミュージックのブームは、複雑なビートを売りとしたTOPには完全に逆風だった。誰もが踊れる判り易い音楽は、TOPの音楽性とは真逆のもの。引き続きアルバムを出していたとはいえ、時代はTOPのことを少々忘れ始めていたとも言えるだろう。


77年のライブ。当時のボーカル、エドワード・マッギーの衣装も心なしかディスコ風

シンセのサウンドが生のホーンズを弾き出す

 80年代に入り、世の中はシンセサイザーの音一辺倒になっていった。5管の分厚いホーンズのサウンドが最大の特徴であったTOPにとっては、正に苦難の時代。レコード契約も途絶え、"冬の時代"となってしまう。だが、そんな時期にTOPを助けたのが、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース。同じベイ・エリア出身の彼等の憧れのバンドがTOPで、ホーンズをツアーに同行させたのだ。再び認知度も高まり、復活への期が熟していった。


ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのヒット曲「ヒップ・トゥ・ビー・スクエア」。奥に映り込むTOPホーンズの面々。

そして、堂々の復活劇

 重要なパートにはオリジナル・メンバーを残しながら、何人もの若手をメンバーに加入させての復活劇を見せたのが80年代最後期。大型のレコード契約も勝ち取り、音楽界の第一線に見事に再浮上。更にバンド結成30周年の98年には名ドラマーのデヴィッド・ガリバルディが復帰。ロッコ(b)との黄金のリズム隊も復活し、世界中のファンを熱狂させたのだった。

 

『Soul Vaccination: Live』
(Sony Jazz)

30周年記念のライブ・アルバム。ガリバルディが実に20年ぶりに復帰した。

その後は実に順調な歩みを魅せている

 21世紀に入ってからのTOPは、実に揺るぎない地位を獲得している。安定した存在感と圧倒的な実力、そして「ファン・ファースト」のステージ・マナー。発表するアルバムの数こそ減ったが、毎年のように来日公演を行い、熱狂的な日本のファンを増やし続けている。TOPの魅力の一つは、往年のナンバーでも毎年アレンジが変っていること。名曲の数々が、毎年リフレッシュされているのである。



Photo by Yuka Yamaji 2011.10.4 -10.5 "TOWER OF POWER -Love for Japan-"@BULE NOTE TOKYO
2011年、ブルーノート東京での公演期間中に東日本大震災に遭遇したTOP。同年10月、彼らは再度来日し、日本のファンのために公演を敢行した。

そして、結成50周年の今年への期待

 2018年5月31日に、地元オークランド市がこの日を「タワー・オブ・パワーの日」に制定。その翌日の6月1日(金)と2日(土)の二日間、「フォックス・シアター」にて「バンド結成50周年記念ライヴ」を敢行。超満員のお客さん達を前に、実にスペシャルなショウを魅せてくれたのだ。そこには何人ものOB達、チェスター・トンプソン(Org)やレニー・ピケット(TS)、ブルース・コンテ(G)に前のヴォーカリストであったレイ・グリーンもトロンボーン奏者として参加。他では全く聴けない7管編成のTOPとして圧巻のステージを展開したのだった。



「タワー・オブ・パワーの日」制定イベントに勢ぞろいする歴代メンバー(撮影:櫻井隆章)



特別に7管編成で迫力のステージを見せた地元フォックス・シアター公演(撮影:櫻井隆章)

 

『ソウル・サイド・オブ・タウン』
(キングインターナショナル)

 その6月1日に、待望のニュー・アルバム『ソウル・サイド・オブ・タウン』も発表(日本発売は6月16日)。オリジナル新曲アルバムとしては実に15年振りともなり、非常に豪華で良く練られた名曲が並んだ充実の内容となっている。そして、その勢いのままに2018年の日本公演を行うのだ。TOPにとって大事な年のライヴを皆で祝いたい。彼等のレパートリーの多さは、ファーストとセカンドで殆ど曲が替ることにも表れる。TOPの記念すべき現在の姿を知るには、実はファーストとセカンドを「通し」で観るのがベストなのだ。TOPを「体験」しているのと、していないのとでは、人生レヴェルで違いが出るとも言える。さぁ、「記念すべき2018年のTOPを体験」しよう!

text = Takaaki Sakurai

<プロフィール>

櫻井隆章(さくらい・たかあき)
東京都出身。大学時代はタワー・オブ・パワーのコピー・バンドでドラマーとして活動。卒業後にFM番組制作ディレクターとなり、同時にライターとしても活動中。タワー・オブ・パワー・ファンクラブ会長。
Meet & Greet
今年で結成50周年を迎えるタワー・オブ・パワーのメンバーを迎えての、ミート&グリート・イベント開催決定!
2018年7月31日までに本公演をご予約された方の中から抽選で、100名様をご招待します。

タワー・オブ・パワー / ミート&グリート
[会場] ブルーノート東京
[日時] 2018年9月2日(日)
Open 11:45am / Start 12:00pm ※1:50pm終了予定
詳細はこちら

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