【来日直前インタビュー】ジュディ・コリンズ | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【来日直前インタビュー】ジュディ・コリンズ

【来日直前インタビュー】ジュディ・コリンズ

56年ぶりとなる奇跡の来日目前!
ジュディ・コリンズからのメッセージ

 1967年以来、約56年ぶりとなる待望の来日公演を前に、ジュディ・コリンズへのインタビューが実現!最新作『Spellbound』のことや、現代における音楽の役割など、たくさんのことを語っていただきました。

interview & text = Tadd Igarashi

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 Q:最新作『Spellbound』は、初めての全曲自作のアルバムです。あなたは優れたソングライターたちの曲を取り上げる歌手として主に知られていますが、実はずっと自作曲も書いてきましたね。誰あろうレナード・コーエンがあなたに曲を書くように勧めた人だったと聞きました。彼はどんなことを言ったのですか?

「1966年にレナードに出会いました。そのときに彼が歌ってくれた曲のなかに〈スザンヌ〉があったんです。あの曲を録音したあと、私が彼を有名にしたと感謝してくれたんですが、こうも言った。私が自分で曲を書かない理由がわからない、と。既にエレクトラで5枚もアルバムを作っていましたが、自作は1曲もなかったんです。(グリニッチ・)ヴィレッジの知り合いで自分で曲を書いていない唯一の人間だった。そこで家に帰ってスタインウェイのピアノに座り、適当に即興で弾き始めたら、私の最初の曲が生まれた――〈Since You've Asked〉がその曲です」

 Q:『Spellbound』の制作過程について聞かせてください。アルバム1枚に充分な曲があったということは、ある時期からもっと多作になったのですか? 曲作りの方法を変えました?

「幾つかの点で、曲作りの方法を確かに変えました。私はずっと日記をつけていたので、友人から"日記を読み返して、曲にするきっかけになるものを探してみたら"と助言を受けて、そうしてみたりしていました。また、時間に余裕があれば、ピアノを適当に弾きながら、何かが生まれるのを待つことも。それもまた一つの方法でしたね。それから年月が経って、詩を書くようになりました。今は詩のなかの数節が使えそうに思えると、ピアノにそれを持っていき、それをもっとふくらませられるか、曲にできるかを見てみるんです。そのうちの幾つかは、幸いにそうなったんですよ!」

 Q:1967年に初めて来日されました。 日本と日本のファンにどのような印象を受けましたか? 何か思い出があれば教えてください。

「アーロ・ガスリー、ミミ・バエス・ファリーニャ、ブルース・ラングホーンと私は1967年にツアーで行って、とても素晴らしい時間を過ごしました! 日本のすごくたくさんの街を訪れて歌ったんですが、最後には東京の東京大学で歌うことにもなったんです。すごく熱い温泉につかったり、日本の古美術のコレクターであったアメリカ人のデイヴィッド・キッドの家のような驚くほど美しいところに滞在したことを覚えています。歌舞伎の公演にも行ったのですが、それは本当に素晴らしかった。あの旅は決して忘れられないもので、アーロと私は日本に行けたことがどれほど特別な体験だったかをしょっちゅう話してきました。美味しい食事をいただき、日本の皆さんにお会いし、そして新幹線に乗ること(アメリカにはいまだに新幹線のような列車はありません!)に大きな喜びを感じましたね」

 Q:世界は今混乱し、非常に危険な状況にあります。あなたが歌い始めた時代は、伝えるべきメッセージをもつ歌に人びとが共鳴していた時代でした。現在のような時代に、アーティストの果たす役割、音楽にできることは何だと思いますか?

「音楽は人を癒すことができます。特に歌は物語を語るので、世界の人びとが仲良くやっていくために必要なものです。お互いの物語に耳を傾けることが必要なんです。私の仕事はアーティストとして自分の歌で物語を語ることですが、人びとが私の歌を聞くだけでなく、彼ら自身の内なる考えや夢や日々の営みを言葉にできる状況にいられるようにしなければなりません。だから私は今もなお旅をして歌い続けているんです。確かにそう思っています」

 Q:もうすぐ来日されて、ブルーノート東京に出演されます。一番楽しみにしていることは何ですか?

「すごく楽しみにしているのは、皆さんとお会いして、私たちがどのようにお互いのために役立てるかを考えてみることです。今まで出演したことのないブルーノート東京で歌えるというのは本当にありがたいことですね。そして、食事が本当に楽しみです。私はとにかく日本食が大好きなので、それも私が是非とも堪能したいと思う体験の一部になるでしょうね」

LIVE INFORMATION

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JUDY COLLINS

2023 3.30 thu., 4.1 sat.
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/judy-collins/

<MEMBER>
Judy Collins(vo,g)
Russell Walden(p)


五十嵐正(いがらし・ただし)
音楽評論家/翻訳家。著書に「ライ・クーダー アルバム・ガイド&アーカイヴス」「ザ・バンド全曲解説」「ヴォイセズ・オブ・アイルランド」など多数。訳書に「ジェフ・トゥイーディ自伝 さあ、行こう。ウィルコと音楽の魔法を探しに」など。

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