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トマトを超えるトマトサラダ

トマトを超えるトマトサラダ

[MONTHLY BEST CHOICE | SPECIAL OCTOBER MENU]THIS MONTH'S SPECIAL MENUトマトを超えるトマトサラダ

秋にリニューアルするブルーノート東京のグランドメニューより、
「ファンプレート♪」の人気メニュー「トマトサラダ」がよりパワフルなレシピで再登場!
時間差で柑橘香が弾ける寒天の裏技や、ミネラル感と遊び心あふれる新メニューにご注目を。

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酸味、旨み、食感、ミネラル感のカルテットが愉しい。

「シュークリームのようなシンプルなお菓子ほど難しい」。パティシエが言うのと同様、シェフにおいても、素材そのものに力があるシンプルな料理ほど、プロの味を表現することが難解になる。その極みとも言える料理のひとつに、トマトサラダがある。

 酸味と甘味のバランスが絶妙で、旨み成分・グルタミン酸の塊とも言われるトマト。素材の善し悪しさえ見極められれば、塩だけでもおいしい料理になる。そんなトマトのポテンシャルを最大限まで引き出しながら、長澤シェフならではのユニークなアプローチで提案するひと品が「トマトサラダ ミネラルのドレッシング」だ。

 主役は、一口大にカットした赤・緑・黄、3種のトマト。"トマトのナチュラルなミネラル感"をテーマに、食感に変化をもたらすリンゴとアンディーブ、口中でプチプチとやさしい酸味を放つレモンビネガーの寒天、アイスプラントを合わせ、玉ねぎの擦りおろし、赤・青唐辛子、ハチミツ、BIOマスタード、グレープシードオイルで作るビネグレットミネラルと絡める。仕上げに添えるのは、爽やかなコク。オレンジのサイフォンだ。

 スプーンでよく全体を混ぜ合わせると、酸味・旨み・食感の妙がさらに増幅する。トマトを超える?トマトの奥深きミネラル感を余すことなく愉しみたい。

 

CHEF

 シェフ

長澤宜久(ながさわ・たかひさ)
ブルーノート東京グループシニアシェフ。91年に渡仏し三ツ星「ラ・コートドール」他、各店で経験を積む。帰国後、01年に南青山「アディング・ブルー」、丸の内「レゾナンス」シェフ、2013年に全店舗のシニアシェフに就任した。

《REPORT》フードシーンの扉を開く"寒天"の郷へ。

寒天製造においてはグループで世界シェア一位を誇り、食にとどまらず様々な分野で寒天の可能性を切り開いている「伊那食品工業」の本拠地へ。長澤率いるブルーノート・ジャパングループのシェフ、そしてゼネラルマネージャー中村も同行した。

 南アルプスと中央アルプスに抱かれる自然共生都市、長野県伊那市。市の中央部を流れる天竜川の支流・犬田切川に沿って佇むのが今回の訪問先、伊那食品工業だ。自生する700本の赤松を生かした広大な緑地「かんてんパパガーデン」には本社屋や北丘工場の他、一般にも開放される10の施設が点在。年間約35万人が訪れる地元の一大観光スポットになっている。

 35年以上の月日をかけて寒天を安定供給できる商品として成長させた塚越寛氏(現会長)。その志は食品メーカーに留まらず、寒天の新たな用途や技術を磨く開発型研究企業を育てた。画期的な業務用寒天を続々開発しながら、医療の分野にも寄与する総合ゲル化剤なども生産。その可能性にいま世界が熱い視線を送る企業なのだ。

 現地では代表取締役社長・井上修氏、長野営業所所長・伊藤勉氏、そして東京支店の池﨑紀夫氏に同社の根幹となる3工場や原料倉庫を案内してもらった。

 「雪が多い土地柄、供給や品質安定のために倉庫も標高差のある3拠点に設けています」と伊藤氏。製品も1年分は確保しているが、2005年の寒天ダイエットブームの際はそれも約3ヶ月でなくなったというから驚きだ。

 2013年竣工の沢渡工場では、海藻から寒天が作られるまでの工程を見学。窯で海藻のエキスを抽出後、フィルターでろ過して取り除いた不純物は、グループ会社の「ぱぱな農園」で肥料になる。「良品を生み出すための原動力」が「サスティナブルな仕組み」にあることも体感した。

 訪問後、長澤シェフが考案した料理(P16)には旅を通じて感じたリスペクトも込められる。縁の下の力持ちだった寒天が、料理の表舞台に登場する日がそう遠くないことも予感させてくれるのだ。

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1. 寒天の原料であるテングサ。チリやモロッコなどの協力工場から届く。2. 伊那食品工業本社。アルプス山脈に挟まれた伊那盆地にあるかんてんぱぱガーデンには、レストランやホールがあり、年間約35万人もの地元民、観光客が訪れる。3. 敷地内の中央アルプスの伏流水は自由に汲める。諏訪湖からアルプスの山間を流れ、太平洋まで流れる天竜川の支流、犬田切川沿いにかんてんぱぱガーデンや沢渡工場がある。
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4. 本社から車で5分の場所にある海藻倉庫。寒天の原料のテングサ、オゴノリを3ヶ所で1年分保管している。5. 取締役会長 塚越寛さん、代表取締役社長 井上修さん、伊藤勉さん、池﨑紀夫さんと記念撮影。6. 沢渡工場にある釜で海藻を煮出してエキスを抽出しているところ。7. 工場長 松田朗さんに海藻から寒天ができるまでの流れを教えていただいた。8. 寒天を天然物とブレンドして、業務用の製品「イナゲル」などを作る藤沢工場。

photography = Jun Hasegawa[food], Koji Yamano
text = Akari Matsuura

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