"苺のパフェ"が、甘やかに春を告げる | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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"苺のパフェ"が、甘やかに春を告げる

"苺のパフェ"が、甘やかに春を告げる

[MONTHLY BEST CHOICE | SPECIAL MARCH MENU]THIS MONTH'S SPECIAL MENU苺の日替わりパフェ/
苺のオリジナルボンボンショコラ添え

 ブルーノート東京・長澤宜久シェフが日本各地の生産者をめぐりながら、
旬の食材との出会いをひと皿に紡ぐ「MONTHLY BEST CHOICE」。
今月は、味・収量の"日本一"を誇る栃木県の苺を主役に、パティシエール・根本 碧が大人仕様の甘美なスウィーツを提案します。

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苺の甘み、酸味、コクの層をクープグラスでいただく贅沢


 春から初夏に向かうこの季節、「苺」が真の食べごろを迎える季節である。苺はバラ科の多年草の一種。ハウス栽培では本来の旬である初夏より早く、食味は2月頃から最高の時期を迎える。

 この時期、苺は甘みと酸味のバランスがほどよく味も濃い。西洋では「医者要らず」と言われるほどに、ビタミンCやカリウム、葉酸など、引く手あまたな美のパワーもこの時期最高値に達するのだ。今月はそんな旬菜を駆使して、パティシエール・根本碧が大人仕様の「苺のパフェ」を提案する。

 まずクープの底に忍ばせるのは、苺にシロップで煮出したライムとミントを合わせてブレンダーにかけ、ノイリー・プラット ロッソを加えて作る苺のスープ。その上にのせるのは、苺の甘さを際立たせるため、あえてクリームチーズを使ったコクのあるクレームダンジュ。さらにコクを添えるピスタチオのアイスクリームと、ノイリープラットを加えた香り高い苺のソルベをのせ、仕上げは「とちおとめ」、「スカイベリー」のどちらからを日替わりで、チョコレート&キャトルエピス入りのパイをダイナミックに飾り付けて完成する。

 完熟苺で春を満喫する、甘やかな食のエンターテイメント。アフターライヴの熱気を、時にはこんなスウィーツでクールダウンしてみては?

photography = Jun Hasegawa
text = Akari Matsuura

 

CHEF

 シェフ

右/長澤宜久(ながさわ・たかひさ)
ブルーノート東京グループシニアシェフ。1991年に渡仏し三ツ星「ラ・コートドール」他、各店で経験を積む。帰国後、'01年南青山「アディング・ブルー」、丸の内「レゾナンス」シェフ、'13年全店舗のシニアシェフに就任した。

左/根本 碧(ねもと・みどり)
2003年辻調グループフランス校入学、翌年卒業。'04年アランデュカスグループ「ベージュ東京」入社。'09年フランス・バスク地方、レストラン エチュマイテで経験を積む。'11年帰国後、ブルーノート東京入社し現在に至る。

《REPORT》 栃木が誇る"日本一"。
春を告げる旬の味覚

 こどもから大人までを魅了する春の旬菜・苺。
独特な食感と甘さをたたえる赤い果実は、この季節のスウィーツづくりに欠かせぬ存在にもなっている。今回はそんな苺の一大生産地、栃木へ。
県でも指折りと言われる2軒の苺農家を訪ねます。

 みずみずしい甘さとほのかな酸味。味蕾をやさしく刺激しながら、春の訪れを感じさせてくれる赤い果実。そんな「苺」を主役に春の訪れを告げるスウィーツを提案しようと、ブルーノート・ジャパン各店のパティシエ6名が集結。長澤シェフとともに、栃木県でも高い人気を誇る苺農園「出会いの森いちご園」(鹿沼市)と「日光ストロベリーパーク」(日光市)を訪ねた。2軒はいずれも有機肥料をメインにした低農薬での栽培農家で、3月から8月が苗作り。9月から植えつけを行い、11月上旬から6月末まで収穫を行う。

 ひと昔前まで、栃木の苺と言えば「女峰」だったが、時を経て現在シェアNo.1に君臨するのは「とちおとめ」である。粒が大きく、酸味・甘みのバランスが良く、しっかりした果肉と果汁の多さが特徴的な「とちおとめ」は、開発担当者が「これ以上おいしい苺を作るのは至難の業」とこっそり言った自信作。現在日本で1番多く栽培されているこの品種は、全国の苺作付け面積の約3割を占めている。ここ数年の傾向では、観光農園専用の「とちひめ」や、17年の歳月をかけて生まれた新品種「スカイベリー」など、新しい品種の栽培を手がける農家も年々増えつつあるという。ちなみに、今回パティシエたちを魅了した「スカイベリー」は昨冬本格デビューしたばかり。果実は極めて大きく、果形は美しい円すい形で、際立つみずみずしさと酸味を抑えたすっきりした甘さ、独特の芳香が持ち味だ。

 今回は農家との直接取り引きが叶い、甘み・水分・鮮度を見極めた完熟苺が入荷する。その味わいの真骨頂は、6人のパティシエによる「STRAWBERRY DELIGHT」でご体験あれ。

instrument
①〜②甘いイチゴの香りがビニールハウスに広がる。生産量全国一である栃木県で生まれた「とちおとめ」は、日本を代表する人気品種。新鮮で完熟の苺を収穫するため充分な甘みがある。 ③果実が極めて大きく形が美しい栃木県の新品種「スカイベリー」。口に含むと甘味と酸味のバランスが良く、なめらかでジューシーな食感が特徴。 ④「とちひめ」は果肉が柔らかく酸味が低く、独特の香りと甘味が充分にあるのが魅力。日持ちしないため摘み取り専用として生産されている幻の品種。
instrument
⑤苺に囲まれて笑顔があふれるシニアシェフの長澤とパティシエの根本。 ⑥、⑦「出会いの森いちご園」にて。いちご狩りが誰でも楽しめるようバリアフリーにする配慮が温かい。 ⑧「このミツバチがいなければ、苺はできないんです」と日光ストロベリーパークの沼尾さんは語る。苺がきれいな大きな実をつけるために大切な作業がある。それはミツバチが一つひとつの花の蜜をすい、飛び回ることで受粉交配を行ってくれ、美味しい実をつけてくれるのだそう。ミツバチは農家にとっては大切なパートナーである。

photography =  Koji Yamano
text = Akari Matsuura

《STRAWBERRY DELIGHT》 春を感じる、
5つのストロベリー・デライト

 春季限定のスウィーツメニュー「ストロベリー・デライト」。
栃木で出会った旬の"完熟苺"をテーマに、5店5様の苺のクリエーションが完成した。

 苺のクレープ  カプレーゼ仕立て

苺のクレープ カプレーゼ仕立て
3/1〜13 ¥972


クレープの上には、レモン汁、バジル、ほんのり甘味を加えたとちおとめをたっぷり。コクのあるモッツァレラのアイス、ミントを添えて完成させた春を感じるカプレーゼ。苺の内側に隠れた練乳とホワイトチョコレートのムースを合わせるとまた新たな展開が。

ブルックリンパーラー
http://www.brooklynparlor.co.jp/

 とちおとめの羊羹と桜のアイス

とちおとめの羊羹と桜のアイス
3/1〜31 ¥756


小豆こし餡と丸ごとのセミドライ苺を合わせ、舌ざわりなめらかに仕上げた苺の羊羹が主役。桜の葉の塩漬けで香り豊かに仕上げたアイスクリームと、サクサクの食感に仕上げたエディブルフラワーを添えて、苺とともに春の訪れを楽しむ和洋融合のひと皿に。

カフェイチマルヨンゴー
http://www.cafe1045.com/

 スカイベリーのアイスと苺丸ごとムースルバーブのコンフィチュールとミントのクランブルと共に

スカイベリーのアイスと苺丸ごとムース
ルバーブのコンフィチュールと
ミントのクランブルと共に
3/1〜31 ¥1,663


苺と相性の良いミントのクランブルを敷き詰め、その上にシナモンとアニス入りの苺のアイス、フロマージュブランのクリーム、飴、苺の果肉たっぷりのムースを重ねて。ルバーブのコンフィチュールも添えて完成した、食感あふれる苺づくしのひと皿。

コットンクラブ
http://www.cottonclubjapan.co.jp/

 完熟苺のデクリネゾン

完熟苺のデクリネゾン
3/1〜31 ¥1,544


スカイベリーととちおとめ、2種の苺を駆使して6つの調理法で展開するdeclinaison(デクリネゾン)。アイスクリーム、ソース、クレームダンジュ、メレンゲ、フリーズドライ、パウダー、6つのパートで構成した、苺の魅力を余すことなく表現したひと皿。

レゾナンス
http://www.resonance.ne.jp/

 苺とマスカルポーネのロールケーキ バニラが香る苺のマリネとソルベを添えて

苺とマスカルポーネの
ロールケーキ バニラが香る
苺のマリネとソルベを添えて
3/1〜18 ¥1,188


マスカルポーネとクリームチーズで作るコク豊かなクリームには角切りのとちおとめをふんだんに練り込み、もっちりと焼き上げた生地で巻き上げた苺のロールケーキ。とちおとめの甘みと果肉の粒々感を生かしたパティスリーには、酸味を効かせた苺のソルベを添えて。

モーション・ブルー・ヨコハマ
http://www.motionblue.co.jp/

instrument
日光ストロベリーに訪問。代表の沼尾さんのお話をパティシエたちが苺をいただきながら伺う。

photography = Jun Hasegawa
text = Akari Matsuura

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