話題沸騰! マヤ・ホーク、シンガーとしての可能性 | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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話題沸騰! マヤ・ホーク、シンガーとしての可能性

話題沸騰! マヤ・ホーク、シンガーとしての可能性

注目度急上昇の新たなアイコン
21歳の新世代女優が見せるシンガーとしてのさらなる可能性

 モデル/女優としていま日本でもブレイク寸前のマヤ・ホークがなんとシンガーとして来日! ジェシー・ハリスを迎えての公演では、音楽活動をスタートさせて間もない彼女の貴重な瞬間を目撃できるはずだ

text = Shino Okamura

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 マヤ・ホークと聞いてピンとこなくても、Netflixのドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3の"ロビン"と言えば顔を浮かべる人は多いのではないだろうか。またはクエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で彼女を知った人も多いはず。 21歳のマヤは出演作こそ少ないが、アメリカの若手女優でいま最も注目されている。

 それもそのはず、彼女はイーサン・ホークを父に、ユマ・サーマンを母に持つ"サラブレッド"。7歳で両親は離婚するも、小さな頃からショウビズの世界をいち早く体験してきた。2016年頃からカルバン・クラインやディオールなどのモデルとして活躍していたが、女優活動も開始した彼女には出演予定の映画も多く控え、さらに活躍が期待されている。そんなマヤが、今年夏、シンガーとしてデビューした時には大いに驚かされた。8月にリリースされた「To Love A Boy」と「Stay Open」。現在、我々が聴けるのはこの2曲だけだが、ナチュラルで気品があり、麗らかなタッチさえ漂ってくるヴォーカルはこれがデビュー曲とは思えないほど表情豊かで、あるいは役者以上の才能を感じたりもしてしまう。しかも、この2曲の作曲とプロデュースを手掛けているのはジェシー・ハリス。ノラ・ジョーンズの大ヒット曲「ドント・ノー・ホワイ」の作者としておなじみのN.Y.出身のソングライター/プロデューサーで、これまでにマデリン・ペルー、ラナ・デル・レイ、メロディ・ガルドー、さらには日本の畠山美由紀、原田知世といったアーティストの作品に関わってきている。ジャズやフォーク、ブラジル音楽など様々なルーツ・ミュージックの引き出しを武器に、女性ミュージシャンの素の表情を鮮やかに引き出す手腕においては、当代、彼の右に出る者はいないと言っていい。そんなジェシーが全面的にバックアップしているのだから、マヤがシンガーとしての可能性を十分に持つことがわかるだろう。

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 そもそもマヤはユマ・サーマン譲りの美貌の持ち主だが、一方で大の音楽好きであるイーサン・ホークの娘でもある。イーサンと音楽の関わりで有名なのは、彼が2016年の主演映画『ブルーに生まれついて』でチェット・ベイカーを演じたことだろう。また、フィリップ・グラスがピアニストのブルース・レヴィンストンと組んだアルバム『Dreaming Awake』(2016)でも、アレン・ギンズバーグの反戦詩に曲をつけた「Wicita Vortex Sutra」に朗読で参加。自ら監督し、ユマも出演した『チェルシーホテル』(2001)の音楽担当にウィルコのジェフ・トゥイーディーを起用したのも静かな話題となった。

 そう、このイーサンと音楽との関わりを辿れば、もうお気づきだろう、彼の脚本&監督作『痛いほどきみが好きなのに』(2007)で、音楽を担当したのがジェシー・ハリスだったことに!(サントラにはブラッド・メルドー、キャット・パワー、ウィリー・ネルソン、そしてノラ・ジョーンズらも参加)マヤのプロデュースをジェシーが手がける背景には、父親とのフレンドシップがあったのである。

 親心で世に送り出される二世アーティストは少なくないが、このマヤ・ホークのミュージシャン・デビューは、とても自然な流れだった。もちろん、彼女自身に表現者として魅力を感じたからこそジェシーはプロデュースを買って出たのだろう。そんなマヤがジェシー(彼は新作『Songs Never Sung』を携えて来日するという)と共に見せるブルーノート東京でのステージは、10年後、20年後にも語り継がれる歴史的な一夜になることはもう間違いない。


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Maya Hawke
『To Love a Boy / Stay Open』
(Secret Sun Recordings)

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Jesse Harris
『Songs Never Sung』
(Secret Sun Recordings)
※2019 11.15 デジタルリリース




岡村詩野(おかむら・しの)
東京生まれ京都育ち。「ミュージック・マガジン」「VOGUE NIPPON」などに執筆中。京都精華大学非常勤講師、ラジオ番組「Imaginary Line」(FM京都)パーソナリティ ーを務める傍ら、音楽メディア『TURN』(turntokyo. com)の編集長/プロデューサーとして奔走中。
turntokyo.com

MAYA HAWKE with JESSE HARRIS
マヤ・ホーク with ジェシー・ハリス
2019 11.20 wed., 11.21 thu.

[1st]Open5:30pm Start6:30pm [2nd]Open8:15pm Start9:00pm

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公演詳細はこちら → https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/maya-hawke/

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