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世界に向けて語りかけるメッセージ テイク6が4年ぶりの新作を携えて登場

世界に向けて語りかけるメッセージ テイク6が4年ぶりの新作を携えて登場

TAKE 62016 6.19sun.-6.22wed. 世界に向けて語りかけるメッセージ
テイク6が4年ぶりの新作を携えて登場

 プロデューサーにロス・ヴァネリ、そしてスティーヴィー・ワンダーの参加と、
新作『ビリーヴ』が話題の"世界一のア・カペラ・グループ"テイク6が久々の登場。
今回はグループの中心的人物のクロード・マックナイトにインタビューし、
新作について、また今回のショウについて話を聞いた。

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新作プロデューサーにロス・ヴァネリ


 世界一のア・カペラ・グループ、テイク6は1980年結成から36年、1988年CDデビューから28年の歴史を刻む超ヴェテランであり現役だ。彼らがおよそ4年ぶりの新作『ビリーヴ』をリリースして来日する。その直前、新作について、ライヴについて話を聞いた。インタヴューに答えてくれたのはクロード・マックナイト。

 『ビリーヴ』は『ワン』以来4年ぶりの新作。今作ではプロデューサーにジノ・ヴァネリ(「アイ・ジャスト・ウォナ・ストップ」の大ヒットで知られるカナダのシンガー)の弟、ロス・ヴァネリが参加。

 新作についてこう言う。「ロス・ヴァネリは、ソングライターとしても、プロデューサーとしても、そしてジノ・ヴァネリの弟としても僕たちもよく知っている人物。僕たちのレコード会社の社長クロード・ヴァラニがつないでくれた。彼は今回のプロデューサーとしては群を抜いていた。僕たちの音楽的センス、方向性と一番あっていて、いいヴァイブを生み出せると思った。そしてロスは、このアルバムに対して、かなり強力なヴィジョンを持っていることがわかっていたから、素晴らしいクリエイティヴを生み出せる共演者(コラボレーター)になると考えた」

 しかも、アルバムには再びスティーヴィー・ワンダーがハーモニカで参加している。

 「スティーヴィーは、長い間我々のビッグ・ブラザーだから、一緒にスタジオに入るのは本当にいつも楽しいよ」

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今回のインタビューはソロとしても活躍するクロード・マックナイトに。ブライアン・マックナイトの兄としても知られる。

そしてアルバムのコンセプトについて。

 「このアルバムでは、今世界で起こっていることについて何か語りかけたかった。そして、人々が求めている希望と愛を聴く人たちに提供したかった。今作では楽器をいくつか使っているが、それはできるだけ多くの人たちに僕たちの音楽が届くようにと思ってのこと。だが、楽器を使ったとしても(ア・カペラ・グループとしての)テイク6という立場は変わらないんだ」

この新作は、2015年夏からみんなでロスアンジェルスに集まって、曲を書き始めるところからスタートした。そして9月くらいまでに、ほぼ曲がまとまり、こうしてリリースに至ったという。

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Photo by Takuo Sato
公演の度にハーモニー、チームワーク、振り付けに磨きがかかる。メンバーそれぞれのキャラクターが立っているのもテイク6の魅力だ。

ア・カペラはネイキッド・メディア


 クロードはかつてア・カペラのことを「ネイキッド・メディア(裸のメディア)」と表現した。

 「ア・カペラで人々の注意を引くにはとてもクリエイティヴにならなければならない。声自体は、実に多くのことができる。正に自然の楽器だ。ア・カペラでは、他に頼るものなんて何もない。すべてのコーラスを聴き、自分がどこにフィットするかを知らなければならない。一つでも音が違ったらすべてが狂ってしまう。だからア・カペラはネイキッド・メディアなのだ」

 テイク6が初来日したのは1989年11月。今回の来日は26回目。日本を第二の故郷というほど完全に親日派だ。

 今回のライヴには、クリスチャン・デントリーが参加せず、代わりにジャレット・ジョンソンが参加する。

 「今回はクリスチャンがスケジュールの都合で来られないので、新作『ビリーヴ』収録の『リセット』という曲を書いた我々の素晴らしい友人、ジャレットを連れて行くことになった。彼は素晴らしいミュージシャン、シンガーで、一緒にツアーをすることをとても楽しみにしている。ジャレットのエネルギーをテイク6のエネルギーとぶつけるのを楽しみにしてるんだ」

 「今回のライヴ・ステージは、新作のリリースがあるので、新作からの曲も含めて、もちろん、昔のアルバムからのものもたくさんやる予定だ」

 彼らのライヴは、メンバー全員が実に芸達者で、さまざまなことをやってくれる。たとえば、かつて彼らのライヴ盤に収録された「オール・ブルーズ」という曲では、クロードが口で普通のトランペットの音、ジョーイ・キブルがミュートしたトランペットの音、デイヴィッド・トーマスはワウワウをかけたトランペットの音までやる。1曲の中でもヴァリエーションを付けるところも大きな見どころだ。

 一糸まとわぬ美しい肉体が、見事な芸術作品として肉体美を醸し出すように、彼らが生み出すア・カペラはネイキッド(裸)の芸術作品である。そして、6人の声、ハーモニーの無限の可能性が会場に広がる。

 最後に6月の来日へ向けてメッセージをもらった。

 「長い間僕たちのファンでいてくれる日本の素晴らしいファンに会いに行けることをとても楽しみにしている。お友達みんなを僕たちのショーに連れてきてください。そして素晴らしいひと時を一緒に過ごしましょう」

TAKE 6(テイク6)
2016 6.19 sun., 6.20 mon., 6.21 tue., 6.22 wed.
6.19 sun.
[1st]Open4:00pm Start5:00pm [2nd]Open7:00pm Start8:00pm

6.20 mon., 6.21 tue., 6.22 wed.
[1st]Open5:30pm Start6:30pm [2nd]Open8:20pm Start9:00pm
※詳しくは公演詳細ページまで
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『Believe』
(SoNo Recording Group /Hostess)

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ゴスペルプレート
1名様¥2,257(税サ込)

テイク6の歌声とともにソウルフードの盛り合わせをお楽しみください。限定カクテルもご用意しております。

※詳しくは料理詳細ページまで

text = interview & text = Masaharu Yoshioka

吉岡正晴(よしおか・まさはる)
音楽ジャーナリスト/DJ。日々ソウルを探し求めている「ソウル・サーチン・ウェッブ」運営。同名イヴェント、ラジオ番組選曲構成出演などてがけ、著書、翻訳書も多数。

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