【スペシャル・インタビュー】佐藤竹善×LAGHEADS | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【スペシャル・インタビュー】佐藤竹善×LAGHEADS

【スペシャル・インタビュー】佐藤竹善×LAGHEADS

シーンを彩った名曲たちを自由な感性で再構築
佐藤竹善とLAGHEADSが生み出す新たなサウンド

60~80年代の音楽シーンを彩った名曲たちの数々を、若手実力派バンド"LAGHEADS"が現代の感性で解釈・再構築し、日本を代表するヴォーカリスト、佐藤竹善が歌い上げるという注目のプロジェクトが、ブルーノート東京ディレクションのもと、まもなく始動する。佐藤曰く「それをやる理由」に縛られない自由さによって、どのようなサウンドが立ち上がってゆくのか。佐藤竹善のほか、LAGHEADSからは小川翔と山本連が参加し、お互いの印象やステージをともにすることへの想いを語りあう貴重なインタビューが実現した。


interview & text = Hikaru Hanaki

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――竹善さんは、以前からLAGHEADSのことはご存知だったのでしょうか。

佐藤「メンバーの(宮川)純くんとはもう12、3年ぐらいの付き合いになります。2013年に出した僕のクリスマスアルバム『Your Christmas Day』に参加してもらったのが出会いですね。彼がLAGHEADSを始めたと知って聴くようになりました。他のメンバーと一緒に演奏するのは今回が初めてですが、それぞれがいろんな現場で活躍している噂は聞いていましたし、"大したメンバーが集まったもんだな"と思って見ていました」

山本「ありがとうございます。自分たちからではなく"一緒にやりませんか"と言ってくださったシンガーの方は、竹善さんが初めてだったんです。しかもそれが竹善さんだったから、本当に嬉しくて」

小川「僕は竹善さんがご自身のラジオで僕らの曲をかけてくれたと聞いて、フェスでお会いした時に挨拶させていただいたことがありました。竹善さんの音楽は20代の頃から聴いていましたし、僕にとって竹善さんはまさに"リアルミュージシャン"という印象です。だから一緒に出来るというお話は単純に嬉しかったですね」

佐藤竹善の画像1"

――竹善さんから見た、LAGHEADSの第一印象を教えてください。

佐藤「ありきたりかもしれないけれど、"新しい世代の音だな"と感じました。僕らの世代が若い頃は、何かスタイルを選ぶ時に"それをやる理由"をそれなりに見つけながらやっていた。でもLAGHEADSはおそらく、そういうことに縛られていない。それが新鮮でした。同時に、僕らの前の世代から見た僕らも、きっとそう見えていたはずなんです。だから、感性の根っこの部分は共通しているんじゃないかと勝手に思っていました」

――"それをやる理由"を探していたという部分、詳しく聞かせてください。

佐藤「例えば、僕らの前の世代では、"打ち込みが正解なのか、それとも偽物なのか"っていう議論があったりとかしたわけです。あとは、僕らがレコーディングをスタートした1985年とか86年ぐらいっていうのは、ヒップホップのミュージシャンとハードロックのミュージシャンが対立してたりもしていた。でも僕らは"別にカッコよければいいんじゃない"って思っていた。いつかメタルのバンドにDJが参加する時代が来るよね、なんて話してたら、10年後ぐらいにLINKIN PARKが出てきたりとかして。そういう、その時代の非常識が、後の時代の常識になっていくっていう感覚。そういう自由さというものをLAGHEADSにも感じていますね」

――今回のライブは、60年代~80年代の楽曲が軸になると伺いました。楽曲はどのように選ばれたのでしょうか?

小川「なんとなく年代をこの辺にしましょうみたいなところからスタートして、一緒にディスカッションしながら。お互いに提案し合って決めましたね」

山本「メンバーで各々それぞれ候補曲を何曲か出して、みんなで話し合って絞って、それを竹善さんに相談して最終的に決まったみたいな流れでした」

佐藤「おそらく僕らの世代だけでこの曲たちを演奏したら、元々のイメージから離れるのは難しく、かなり意図的じゃない限りはかっこよくはならないんじゃないかなと思う選曲でした。LAGHEADSの世代がアレンジすれば多分新しくなるんだろうなという風に思いましたね」

山本「僕らもこの音楽をリアルタイムで聞いていたわけではないので、良くも悪くも自然と違ったものにはなる気はしますけどね」

佐藤「例えば僕はモータウンの初期をリアルタイムでは知らないけど、80年代にフィル・コリンズとかビリー・ジョエルがモータウンサウンドを復刻した音楽を聴いた時に初めて強く認識しました。その後にモータウンのオリジナルを聞くと、フィル・コリンズもビリー・ジョエルも、モータウンのサウンドを追いかけているけど、やっぱりオリジナルとは違うわけですよね。新しいものに変えてやろうっていう意識をそれほどせずとも出てきてしまう、その違いが面白いわけです」

小川「僕は逆に、普段から新しいことをやろうと思ってる感覚もそんなに無いんですよね。割と古い音楽が好きで。だから実は竹善さんと逆かも知れないなと思っていて。でも、音楽のコア的な部分で大事にしてるものは、おこがましいかも知れないですが、近い気がしているんです。竹善さんもポップスのシーンで活動されている一方で、セッションライブのような場にもいらっしゃるじゃないですか。それっていわゆるシンガーの方とはちょっと違う感覚が無いと出来ないことだと思うんです。それって僕らみたいなセッションミュージシャンと近い感覚なのかなとは思ったりしています。どちらにも行ける懐の深さというか」

佐藤「自分が聞いてきた海外のアーティストは、オリジナル・アルバムの次にいきなりジャズのアルバムを出してみたりとか、カバーセッションのライブアルバムを出したりしていたんです。アメリカにパット・メセニーを見に行った時も、2万人のアリーナで自分のライブをやった翌日に、ニューヨークの小さなライブハウスでバックギタリストとして演奏してたりするわけですよ。そういうことが自分の音楽のレベルを上げていくんだろうなって思ったんですね。90年代に、"これをやらないと、バンドが売れてくれば売れてくるほど、自分のレベルはそこで止まるな"と思って。それでミュージシャンをいっぱい集めて、セッションを毎日のようにやるようになって、できたのがSING LIKE TALKINGの7枚目のアルバム『togetherness』だったんです。で、それが未だに続いているという。その感覚で日本の若いミュージシャンの動きも見ていて、良いミュージシャンがいたら自分のレコーディングに来てもらったりしているんです。そうじゃないと、常に一緒にレコーディングする人が一緒になっちゃったら、やっぱりトラックが"伴奏"と"歌"になっちゃうので。そうじゃなく、常に全員が主役で映るような音作りをしたいんです」

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――最後に、今回のライブがどんな風になりそうか、お1人ずつお聞きしたいです。

佐藤「面白くなりそうだなと思ってはいるんですけど、こんな感じになるのかなっていうのは全く想像ついてないんですよ。どんなアレンジかなとか、グルーヴなのかなとか、どんな和音になるのかなとか。それに乗っかってかっこいい歌い方をしなきゃいけないので、そのサウンドに一体になるにはどうしようかって悩む楽しさが待ってるんだろうなと思っています」

山本「僕も想像はついていないんですが、でも音楽の趣味はメンバーとも共通する部分は多いだろうし、いいライブに絶対なるんじゃないかなって気はしてます。逆にいうと、良くならない予感はしないですね」

小川「本当、想像もつかない部分も多いですけど、ハッピーなバイブスになるような気はしていますね。おおってなる瞬間がたくさん演奏中におきたらいいなって思ってます。僕らの演奏と竹善さんの歌でお互いにそうなったらいいなと。そうしたらステージもハッピーな感じになって、お客さんもハッピーになるのかな、と思ってますね」

LIVE INFORMATION

Chikuzen Satō×LAGHEADS

Chikuzen Satō×LAGHEADS Live
"Answer The Future"
presented by Blue Note Tokyo


2026 4.7 tue., 4.8 wed. ブルーノート東京
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/chikuzen-sato-lagheads/

<MEMBER>
佐藤竹善(ヴォーカル)
小川翔(ギター)
宮川純(キーボード)
山本連(ベース)
伊吹文裕(ドラムス)

花木洸(はなき・ひかる)
1993年、東京出身。大学在学中より『ミュージックマガジン』などへ執筆。ジャズとその周辺の音楽を中心に執筆、インタビューなどを行う。2021年より『ミュージックマガジン』ジャズ年間ベストの選者の一人。

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