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TANIA MARIA

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タニア・マリア - TANIA MARIA


公演初日リポート:TANIA MARIA



ここ数日、すっかり涼しくなりましたが、「ブルーノート東京」の夜はホットです。エモーショナルな音作りとキャラクターで知られるタニア・マリアが、ブラジルの太陽さながらの熱いステージを繰り広げているからです。

楽器編成はタニアのヴォーカル&キーボードのほか、ベース、ドラムス、パーカッションというシンプルなもの。彼女の世界を満喫するのに最もふさわしい編成といえましょう。ブラジル音楽のリズム感、クラシックで鍛えたピアノ・テクニック、そしてジャズ・テイストあふれる即興をあわせもつのがタニアの魅力ですが、ぼくが見た初日のファースト・セットでも、この3つの面をたっぷり聴かせてくれました。1曲あたりにかかる時間も、場合によってはCDに入っている同じ曲の2倍になることがあります。どんどん即興がエキサイトしていくので、どうしても演奏が長めになってしまうのですね。しかしこれこそがライヴの醍醐味です。タニアの必殺技であるピアノとスキャットのユニゾンが勢いよく飛び出し、会場には手拍子や声援が、ごく自然に巻き起こります。

タニアはライヴのセット・リストを掲載することを好みません。ひょっとしたら何を演奏するか事前に打ち合わせておらず、そのときの直感でレパートリーを決めているのかもしれません。演奏中でも、他のミュージシャンにどんどん指示を出していきます。いったいどんな曲が飛び出すか、ぜひ楽しみにしてクラブにお越しいただければと思います。ここだけの話ですが、昨日は「BESAME MUCHO」を、あっと驚くようなアレンジでやってくれました。御存知メキシコ生まれの名曲ですが、もしこの曲がブラジルで生まれていたらこんな感じだったのだろうな、と、ぼくはタニアの編曲力に感服いたしました。

‘80年代、タニアは『ワイルド』という題名のライヴ・アルバムを発表しました。しかし現在の彼女は往時の迫力そのままに、さらに端麗なサウンドをつくりあげています。ワイルド&エレガント。それが今日のタニア・マリアなのです。
(原田 2011 10.6)


● 10.6thu.-10.8sat.
TANIA MARIA
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●10.10mon. はコットンクラブにて公演
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タニア・マリア - TANIA MARIA

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