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CANDY DULFER

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CANDY DULFER - キャンディ・ダルファー


公演初日リポート:CANDY DULFER

「うわー、いきなりエンジン全開だな!」
キャンディ・ダルファーのライヴがいつもファンキー・パーティ状態になることは百も承知ですが、今回のパフォーマンスはまた、なんといっていいのやら、異様なほど熱のこもったものでした。キャンディだけではありません。全バンド・メンバーが尋常ではない燃え方で客席を煽り、煽られた客席がまた熱気をミュージシャンに返し、それがまた客席にフィードバックされ・・・・彼らの恐るべきスタミナと笑顔全開のプレイに圧倒されながら、ぼくは1時間45分もの間、からだを揺らしっぱなしでした。

オープニングの「MY FUNK」から、「おいおい、まだ初日のファースト・セットだよ。そんなに飛ばして大丈夫だろうか」と心配になってしまうほどの炸裂ぶりです。が、それもそのはず。キャンディ率いる“ファンキー・スタッフ”の面々は広島、大阪、横浜のファンをファンクでノック・アウトした後、ここ「ブルーノート東京」のステージに立ったのです。最新作『FUNKED UP!』の収録曲で、日本でライヴ演奏するのは今回のツアーが初めてという「BE COOL」が聴けたのも嬉しかったですし、今はなきニューヨークのFM局に捧げたという「CD 101.9」は、2コーラス目から一緒に口ずさめてしまうほどキャッチーです。

バンドに3人のシンガーがいるのも、このバンドの強みですね。ラップもこなすリカルド“ファット”バルグルストが軽やかにシャウトすれば、キーボードも弾くチャンス・ハワードがセクシーな低音で聴き手を魅了します。そしてキャンディも多くの曲でバック・ヴォーカルを担当し、サウンドに華やかさを加えます。中盤、クール・ダウンするコーナーでは、トランペット奏者ロイ・ハーグローヴが書いた「STRASBOURG/ST. DENIS」をメロウに演奏。この曲、ロイ自身も「ブルーノート東京」公演でプレイしたことがありますが、このメロディがこんなにキャンディに合うとは、大発見をしたような気分です。

ラストではもはやキャンディの持ち歌といっていいであろう(もともとはアヴェレイジ・ホワイト・バンドの大ヒット曲)「PICK UP THE PIECES」、そして彼女の人気を世界的なものにした記念碑的ナンバー「SAX-A-GO-GO」という十八番を連発。当然オーディエンスは総立ち、キャンディもステージを飛び回りながら渾身のブロウを聴かせます。

キャンディがソロ・デビュー・アルバム『サクシュアリティ』を発表してから、もう20年が経ちます。華麗なルックスと華のあるプレイで、彼女は見事に女性ミュージシャン・ブーム(というものがあったとして)の先鞭をつけました。一時期、キャンディの後を追うように、数々の才媛がデビューしました。しかし彼女は、誰の追随も許さぬまま今日に至っています。“女王”の風格さえ身につけてきたキャンディ。これからもますますファンキーに、ますますエレガントにショウを繰り広げてくれることでしょう。
(原田 2010 10.13)


● 10.13wed.-10.16sat.
CANDY DULFER
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