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MARCOS VALLE

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マルコス・ヴァーリ-MARCOS VALLE



原田和典の公演初日リポート:MARCOS VALLE


ブラジルを代表するグルーヴ・マスター、天下一品のメロディ・メイカーであるマルコス・ヴァーリが、ここ「ブルーノート東京」に夏を運んできてくれました。

オープニングからいきなり、あの大ヒット・ナンバー「SAMBA DE VERAO」(サマー・サンバ)。本当に惜しげもなく、“定番”登場です。マルコスの世界に、最初の1小節で引き込まれます。前半はポルトガル語、後半は英語で。どっちの言葉が乗っかっても、軽やかさは少しも変わることないのは、この曲がとことん素敵なメロディだからでしょう。マルコスは本当に“いい曲”を書きます。しかもそれを今日まで、半世紀近くも続けているのですから(ルックスは本当に若々しいのですが)、その才能と留まることのない精進には、あっぱれという言葉しか見当たりません。

マルコスは曲によってフェンダー・ローズ、キーボード、ギターを弾きながら歌います。これがまた、ものすごくリズミカルなのです。あるときは歌に寄り添うように、またあるときは歌に相槌を打つように、マルコスのプレイが響きます。特にフェンダー・ローズの音色は絶品でした。マルコスがコード(和音)をそっと抑えると、音楽全体に、なんともいえない甘みが増します。“メロウ”というフレーズは、こういうときにこそ使うものなのだろうと、ぼくは思いました。

ラテン・テイスト満載の「BRASIL × MEXICO」における白熱したソロのやりとり、「CRICKETS SING FOR ANAMARIA」という別名でもおなじみの「OS GRILOS」、「BATUCADA」(セルジオ・メンデスのパフォーマンスでも有名ですね)など、名曲の大盤ぶるまいが続きます。個人的にはディスコ時代の作品というイメージがある「A PARAIBA NAO E CHICAGO」も、すっかりシックに衣替えされ、これもまた粋でした。

名曲の数々を、それを作った本人の自作自演で、しかも手の届くような距離で味わう。
こんな贅沢なひとときは、そうあるものではありません。
(原田 2009/7/10)

● MARCOS VALLE
7/10 fri - 7/13 mon

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マルコス・ヴァーリ-MARCOS VALLE

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