来日目前!ゴンサロ・ルバルカバにインタビュー | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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来日目前!ゴンサロ・ルバルカバにインタビュー

来日目前!ゴンサロ・ルバルカバにインタビュー

キューバが生んだ天才ピアニストとスター・シンガーが贈る
話題のプロジェクト、待望のワールド・プレミア公演

 ブルーノート東京での公演も多いゴンサロ・ルバルカバは、現代のジャズ界を代表するピアニストの一人。8月16日(金)から18日(日)までブルーノート東京に戻って来る彼が、新プロジェクト「風と時間」(Viento y Tiempo)に寄せる思いを語ってくれた。

interview & text = Masakazu Kitanaka
live photography = Yuka Yamaji

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 キューバ出身のゴンサロ・ルバルカバは、多彩な知識と優れたテクニックの裏付けのある洗練された演奏で、長年にわたって多くのファンを魅了し続けてきた。その彼の新しいプロジェクトが「風と時間」(Viento y Tiempo)。ブルーノート東京のステージがワールド・プレミア公演になる。

 プロジェクトで共演するアイメー・ヌビオラは、日本では無名に近いが、キューバでは歌手、俳優として誰もが知っているトップ・クラスのアーティスト。国内外での受賞歴は数知れず、昨年はベスト・トロピカル・フュージョン部門でラテン・グラミー賞を受賞している。

「アイメーは最近キューバに限らず南米やカリブ海沿岸諸国、北米にもファンが多く、ヨーロッパでも知られはじめている。才能に恵まれた彼女は、キューバの過去の優れたインプロヴァイザーたちの伝統、つまり想像力や遊び心、気品や知性を受け継いでいる。彼女については伝えたいことが山ほどあるが、言葉で説明するよりライヴに来て直にふれて感じてほしい。素晴らしい体験になることはまちがいないから」



 彼が太鼓判を押すアイメーは学年はちがうがゴンサロと同じ小・中学校でクラシック音楽を習い、家でも一緒に演奏したりうたったりしていた。その後、ゴンサロはジャズに、アイメーは歌手や俳優にと、それぞれ異なる道を歩んできたが、時(ティエンポ)を経て、風(ビエンテ)がめぐり、今回のプロジェクトがはじまった。

「一緒に何かやってみようという話は数年前までさかのぼるんだ。アイメーの曲に参加したのがきっかけのひとつだった。彼女の最新アルバム『Aymée Nuviola, A Journey through Cuban music』でも、<南京豆売り(エル・マニセロ)>のレコーディングで顔を合わせた。それが思い出を分かち合いながら趣味を共有できる今回のプロジェクトに繋がったんだ」



 アイメーはサルサの女王こと大先輩セリア・クルスの伝記物語で主役を演じ、セリアの再来と呼ばれているが、若いジャズ系のミュージシャンやレゲトンのアーティストとも分け隔てなく共演している。オールラウンドな音楽を華麗にこなせる人だからこそゴンサロと一緒にしかできない特別なステージを展開してくれるにちがいない。ブルーノート東京公演では、ジャズとラテンの両方に精通したミュージシャンたちが脇を固める。

 ごぞんじのようにゴンサロが世界的に活躍するきっかけを作ったのは、ディジー・ガレスピーだった。ディジーはビバップの巨人だが、アフロ・キューバン・ジャズの創始者の一人でもある。きっとディジーはゴンサロの演奏を聴いて、かつて自分が思い描いていた夢をより洗練された形で軽やかに実現している若者に目を見張ったのだと思う。そんなゴンサロにとって、キューバ音楽とジャズはどんな関係にあるのだろうか。

「ジャズとキューバ音楽の結びつきには、長い恋愛関係にも似た歴史がある。キューバのダンスのリズムと音楽作品の6割以上がジャズのビバップに由来するハーモニー、リズム、即興などの影響を受けている。それを内包し、探訪し、受け入れ、認知していると言えばいいか。ここ20~30年はその他の音楽の要素も入ってきているが、キューバ音楽は基本的にはジャズと深く結びついている」

 と同時にキューバのリズムがジャズやR&Bに大きな影響を与えてきたという相互関係も忘れることはできない。もとをたどれば、キューバ音楽もジャズも、アフリカとヨーロッパの音楽がカリブ海やアメリカ大陸で出会い、融合しあって生まれた。いわば親戚筋にあたる音楽だから、響き合うのはきわめて自然なことなのだ。

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「父はよく家でピアノを弾いていた。そのかたわらにはアルトサックスとバイオリンがあって、音楽仲間がいつも出入りしていた。それを見たり聴いたりしながら、自分も早くその一員になりたいと思っていた。ピアノは最初は父親の演奏を参考にした。それは父方の祖父のヤコボとその家族によって、さらにおそらくはそのずっと前から引き継がれてきたものだと思う」

 この発言に出てくる父親のギジェルモは、優美なダンス音楽<ダンソン>専門の楽団を率いるピアニストだった。<ダンソン>は19世紀生まれだが、20世紀中期にはにマンボやチャチャチャの母体となった音楽でもある。

「出発点は伝統的な音楽だが、必ずと言っていいほどそれは現在を紐解くもの、現在に繋がるものだ。だからわたしはいつも伝統を探し求め、過去を、歴史を調べるようにしている。幸いなことにわたしは実に様々な音楽を聴いて育った。多様なキューバのポピュラー音楽やクラシック音楽、ボレロ、フィーリン、ワワンコー、ルンバ、プレゴン、ソン......、アメリカの古いビッグ・バンドやスモール・コンボのジャズ、ヨーロッパのクラシック音楽、現代音楽、アメリカやヨーロッパのポピュラー音楽、アコースティックなものからエレクトロニックなものまで色々と聴いてきた。スタイルやジャンルや音楽的語彙は関係ないんだ」

 つまりゴンサロ自身がメルティング・ポットの要素を持っている人と言うこともできるだろう。今回のステージでもジャズ・ピアニストとしての洗練された演奏を生かしつつ、これまで聴いたことがなかったようなキューバ音楽を聴かせてくれることだろう。



話題のプロジェクト、待望のワールド・プレミア公演

GONZALO RUBALCABA & AYMÉE NUVIOLA "Viento y Tiempo"
2019 8.16 fri., 8.17 sat., 8.18 sun. ブルーノート東京

[1st]Open4:00pm Start5:00pm [2nd]Open7:00pm Start8:00pm

ゴンサロ・ルバルカバ(ピアノ)
アイメー・ヌビオラ(ヴォーカル)
クリストバル・ベルデシア(ベース)
レイニエル・ゲーラ(ドラムス)
ホセ "マヒート" アギレラ(パーカッション)
ルルデス・ヌビオラ(バックヴォーカル)
アルフレド・ルーゴ(バックヴォーカル)
近藤和彦(サックス)

公演詳細 → http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/gonzalo-rubalcaba/

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ゴンサロのソロと、アイメーとのデュオで構成される、
一夜限りの特別公演もコットンクラブで開催!

GONZALO RUBALCABA SOLO & DUO with AYMÉE NUVIOLA
2019 8.19 mon. コットンクラブ

[1st]Open5:00pm Start6:30pm [2nd]Open8:00pm Start9:00pm

公演詳細 → http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/gonzalo-rubalcaba-aymee-nuviola/

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北中正和 (きたなか・まさかず)
音楽評論家。東京音楽大学講師。世界各地の伝統的な音楽とポピュラー音楽との関わりを研究している。著書『ロック史』『にほんのうた』『毎日ワールド・ミュージック』、編著書『細野晴臣エンドレス・トーキング』『てるりん自伝』『世界音楽の本』他多数。

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