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[インタビュー|MY INSTRUMENT]フランシス"ロッコ"プレスティア

[インタビュー|MY INSTRUMENT]フランシス"ロッコ"プレスティア

孤高のファンキー・ベースを支える新兵器

ベイエリア・ファンクの代表格、タワー・オブ・パワー。
病からの完全復帰を遂げ、無二のプレイで観客を熱狂させた
ロッコ・プレスティアの最新愛器をご紹介。

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オールバックの髪形がこんなにも似合うベースマンは珍しい。取材中「ベースが俺を選んだのさ」と、サラっと語るロック・ミュージシャン然とした佇まいと、無二のグルーヴ・ベースが同居するフランシス"ロッコ"プレスティアは、ファンク・ベース界のきっての個性派。そのゴム鞠のようなサウンドは、後続たちに多大な影響を与えた。

ロッコが愛用するのは、共同開発に携わったというESPのLTD BASSES RB SERIESの4弦モデル。以前に彼はConklinよりシグネイチャー・モデルをリリースしている。プレシジョンタイプに、ジャズベースタイプのピックアップを斜めに載せた"PJスタイル"が、Conklin時代のロッコモデルの特徴だが、本器もそれに準じた仕様を持つ。

「Conklinのベースは重かったから、ESPのベースはボディの形状を変えて、軽く仕上げてもらった。ほかにもこのべースは、市販モデルとは異なる部分があるね」

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上の黒い穴がノブをハズした跡。プリアンプをスルーさせて、ナチュラルなパッシヴ・サウンドを得ている。
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Staccato'51はTCエレクトロニックが開発したロッコ専用モデル。アタッキーなサウンドを生む秘密兵器だ。

その1つはコントロール・ノブを取り外し、プリアンプ回路をスルーさせている点。以前は回路を通していたが、「スルーさせた方が音色も暖かく、テクスチャーも自分の演奏にピッタリなんだ」と、その理由を語る。

左手をかぶせるように弦を押さえることでロッコは独自のアタッキーな音色を生む。そのためネックの握りを薄めに仕上げているが、他にも楽器に求めることについて聞くと、いかにも彼らしい答えが返ってきた。

「楽器が持つ本来のトーンを、弾く側がどう引き出すかなんだ。俺みたいに弾けても、俺のようなトーンが出せないのは、そこに理由がある。俺は弦高を高めに調整さえすれば、どんな楽器であろうと自分のスタイルとサウンドを出すことができるよ」

photography = Takashi Yashima
Interview & text = Daisuke Ito
Interpretation = Kazumi Someya
Cooperation = Rittor Music

Francis "Rocco" Prestia(フランシス"ロッコ"プレスティア)
1951年生まれ、タワー・オブ・パワーのベーシスト。デヴィッド・ガリバルディ(ds)とロッコによる、16分音符を主体とした独特のアンサンブルは、"黄金のリズムセクション"として高い評価を得ている。

伊藤大輔(いとう・だいすけ)
コンテンツクリエーター。各音楽メディアでの編集/執筆のほか、音にまつわる映像作家としても活躍中。多彩な知識をフルに生かし、広告制作などもマルチに手掛ける。詳しくはrasdaisuke.comへ。

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