[インタビュー|MY INSTRUMENT]ブライアン・ブレイド | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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[インタビュー|MY INSTRUMENT]ブライアン・ブレイド

[インタビュー|MY INSTRUMENT]ブライアン・ブレイド

音楽への愛情によって選ばれた楽器達

心地良いグルーヴ、表情豊かなアコースティック・サウンド、
囁くようなピアニシモから観客を煽るフォルテシモまで、深い表現力で
楽曲を彩るブライアンの、音楽への愛情と楽器に対する想いとは?

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ステージではジョン・パティトゥッチが曲名を告げ、丁寧にチューニングを確認。その奥でドラムセットに座り、準備を整え、微笑むブライアン。柔らかく躍動感のある演奏が客席に届き始める。「楽器があって、自分にどう聞こえて、それがみんなにどう伝わっていくのかという段階がある。サウンドの中にあるリズミックな要素、ハーモニーの要素、それらをどう鳴らしていくかを長い間ずっと模索してきた。フルに楽器を鳴らしたい時もあるけど、それによってリスナーの感性を鈍らせてしまうこともある。常に求めるのはバランスなんだ」

長い試行錯誤の中で、どのように楽器を選んできたのか。「何か条件が揃った時、例えば惑星が一列に並ぶような"形が整った"というものを感じるんだ。バンドのドラマーとして、自分自身の変化や、誰と演奏していて何を求められているのか、その要求に合わせて音を探していく。そのプロセスが"進化"なんだと思う」

来日公演で愛用しているカノウプスと、彼の用意したシンバル達。「ヴィンテージ楽器の温かみのあるトーンが好きなんだ。そういう音に対する僕の愛情を理解して、再現しようとするカノウプスの姿勢を信頼している。シンバルはずっとジルジャンを叩いてきた。スピッチーノは12年位前に出会って、素晴らしい楽器を創り出す人だった。ジルジャンが今も健在で、伝統的なものから新しいアイデアまで応じているのは素晴らしいことだ。これは伝統もモダニズムも混在する日本にも通じるんじゃないかな。古い世界だけでも、新しい物が欲しいっていうばかりでも、人は前に進めないと思う」

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この日のステージでは、ヴィンテージのKジルジャン、イタリアのスピッチーノ製シンバルなどを使用。
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カノウプスのネオ・ヴィンテージ・スネア。上下のラグ数の違いによって現代と古い楽器のサウンドをミックス。

伝統的なジャズから最新鋭のバンドまで繰り広げられるブルーノート東京のステージに通じる言葉ではないか!今後の彼の"進化"にも要注目だ。

photography = Takashi Yashima
Interview & text = Makito Yamamura
Interpretation = Kazumi Someya
Cooperation = Rittor Music

Brian Blade(ブライアン・ブレイド)
1970年ルイジアナ州出身。幼少から音楽と楽器に触れ、大学時代にはニューオーリンズに住み、セッションを重ねる。ジャズやロックの大御所ミュージシャンとの交流や、リーダー・バンドでの活動など来日歴も多い。

山村牧人(やまむら・まきと)
ドラマー/ライター/インストラクター。仕事や旅行で訪れた北南アメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国の"生活に根ざすリズムや音楽""現地で体験した文化"を日本の日常でも体現したいと願う50代!

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