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来日目前!ニア・アンドリュースの類稀な才能

来日目前!ニア・アンドリュースの類稀な才能

LA音楽シーンの最前線をゆく才媛が
話題のデビューアルバムを携え初登場

 カマシ・ワシントンやソランジュ、モッキーなどの作品への参加を通して、魅力溢れる歌声を披露してきた注目のシンガーソングライター、ニア・アンドリュースが、遂に自身のユニットで来日公演を開催。シンガーとしての実力はもちろんのこと、ソング・ライティングやサウンド・プロダクションの才能も兼ね備えた彼女のこれまでの歩み、そして今回の公演の見どころを紹介する。

text = Masaaki Hara
photo = Melodie McDaniel

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 ニア・アンドリュースは、日本の音楽好きの間では知る人ぞ知る存在だった。カマシ・ワシントンやモッキーなどのアルバムにフィーチャーされた彼女の声には、耳を惹き付けるに充分なものがあったからだ。地元ロサンゼルスの音楽シーンにおけるメンターであるジャズ・ピアニスト、作曲家、プロデューサーのレジー・アンドリュースを父に持つが、ニア自身は父から音楽的な教育は一切受けず、ニューヨークでコモンのパーソナル・アシスタントを務めたことがきっかけで、シンガーとしての活動を始めた。コモンに勇気付けられて自分の声を発見したという。彼のバック・シンガーを皮切りに、メアリー・J.ブライジやローリン・ヒルからもオファーを受けるようになり、自信を深めていった。



 女性のプロデューサーが少ない頃から活躍していたミッシー・エリオットに、ソング・ライティングとサウンド・プロダクションの両方で最も影響を受けたというニアは、次第に自分で制作も始めていった。2013年には初めてのEP『Colours』をリリースした。そして、ロサンゼルスのシーンの中で、彼女の声と歌は際立った個性を確立するようになった。ベルリンからロサンゼルスに移ってきたモッキーはいち早くニアの才能を見出し一緒に曲作りを始め(アルバム『No Place Is Safe』収録の"Seem So"はその最初の共作)、カマシやライアン・ポーターも彼女を録音に誘った。







『No Place Is Safe』は満を持してリリースされたデビュー・アルバムだ。数ヶ月間、毎日1曲書くという試みを一人で続けた。「今日は何について曲を書こう」と考えるところからスタートし、フリースタイルで曲を作っていった。タイトルが示すように、安全でいられる場所が見つけられない外の世界と、自分の内面との対比を見つめている。ニアはその曲作りのプロセスをこう説明する。

「トラックのメロディが聞こえてきたら、フリースタイルでボーカルを入れる。最初は歌詞はなく、メロディを歌っているだけで、それが徐々に歌詞に変わっていくの。曲が徐々に私に姿を現すというオーガニックなプロセスだった」



 だから、ニアの歌はパーソナルで内省的な部分に響くのだ。ソランジュのレコーディングを始め、多くのメジャーの現場もよく知る彼女だが、自身の音楽は流行りのプロダクションを追うことはなく、オーセンティックでオーガニックな表現を大切にしている。そして、マーク・ド・クライヴ・ロウ、モッキー、ブランドン・コールマン、ジョーイ・ドーシックらがサポートをして、最終的にアルバムは完成した。ダディ・ケヴのマスタリングも歌を大切した、奥行きと透明感のあるサウンドに仕上げている。



 今回、ニアと一緒に来日するベースとギターのブランドン・ユージン・オーウェンズは、ケンドリック・ラマー『To Pimp a Butterfly』を始め、テラス・マーティンやマーク・ド・クライヴ・ロウらの録音に欠かせないロサンゼルスのキー・プレイヤーだ。アラコイ・ピートも、カマシやシャフィーク・フセインからアダム・ルドルフまで重要作に参加してきた素晴らしいパーカショニストだ。もちろん、共に『No Place Is Safe』の録音にも参加した。「ライヴを重ねていくうちに、やっと理想の形が見つかった」という、このトリオでニアはキーボードを弾いて歌う。「ドラムを入れるとボーカルと被るからパーカッションの方が私には合っている」ともいう。アルバムの世界観を表現するのに、最小限のトリオは理想的な表現を成り立たせるようだ。アルバム同様に、音楽と向き合う時間の歓びを与えてくれる、そんなライヴになる予感がしている。

※文中のニアの発言は筆者によるインタビューより






原 雅明 (はら・まさあき)
音楽評論家。ringsレーベルのプロデューサーやLA発のネットラジオdublab.jpのディレクター、DJやホテルなどの選曲も務める。単著『Jazz Thing ジャズという何か』ほか
https://www.ringstokyo.com

The EXP Series #33
NIA ANDREWS
The EXP Series #33
ニア・アンドリュース

2019 10.31 thu., 11.1 fri.

[1st]Open5:30pm Start6:30pm [2nd]Open8:15pm Start9:00pm
公演詳細はこちら → http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/nia-andrews/

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