サラ・マッケンジーが贈るエレガントな時間 | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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サラ・マッケンジーが贈るエレガントな時間

サラ・マッケンジーが贈るエレガントな時間

極上のエレガントな時間がふたたび
メルボルンの美しき歌姫が2年ぶりに登場

 名門Impluse!からのリリースもあるシンガー&ピアニストが待望の新作を携えて再来日、ブルーノート東京の舞台に立つ。前回と同様、すべてのヴォーカル・ファン垂涎のライヴとなることは間違いない!

photography = Yuka Yamaji
text = Shiro Kuwahara

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 完全無欠のエレガンス。2017年の春に観たサラ・マッケンジーの初来日公演はまさにそんな表現が相応しかった。香り高いジャズ・スタンダードを歌うときも、あるいは自在にピアノを操りながらやたらとブルージーな曲をプレイするときも、彼女の指先に淡く滲んでいたのは上品な色香といったもの。ドラムスのドナルド・エドワーズをはじめ、腕利きたちが紡ぐ彩り豊かなサウンドをはんなりと小粋に着こなしつつ、しなやかかつキレのあるパフォーマンスに、会場のあちこちから感嘆のため息が漏れていたことをいまもはっきりおぼえている。

 あまりに魅力的なステージであまたの音楽好きをトリコにしたこの歌姫はオーストラリアのメルボルン出身。ジャズを学ぶためにアメリカに渡り、いまはパリを拠点に活動するシンガー&ピアニストだ。本邦初登場盤となった2017年作『雨のパリで』においても顕著になっていたとおり、彼女がたえず追求しているのはジャズやブルースをベースにしたグローバル感覚に溢れた音楽。先の作品でも、小さなスーツケースを抱えながら沢山の国を旅してきた経験によって養われたミクスチャー・センスが隅々まで行き渡っていたし、またいにしえの名曲からコンテンポラリーな作品までしっかり目配せを送るあたりに冒険心と好奇心がいつだって彼女の原動力であることも窺い知れた。

 そんな世界観をステージ上でも鮮やかに展開するサラだが、何よりまず心を捉えるのはやはり一級品のヴォーカルとピアノということになろう。艶やかでシルキーな歌声はボサノヴァ系にとてもフィットし、夢心地なひとときを運んでくれる。

 そんな才媛が新作『シークレッツ・オブ・マイ・ハート』を引っさげて6月にふたたび来日するという。新作もまた多彩な音楽性を開陳した内容となっており、『ロシュフォールの恋人たち』の「You Must Believe In Spring」や『007は二度死ぬ』の「You Only Live Twice」など映画主題歌/挿入歌のカヴァーなどに、メロディーメイカーとしての才能を如実に物語るオリジナル曲がバランスよく配置されているが、とりわけブラジル音楽への深い愛情を湛えたメランコリックな表題曲が絶品で、これはぜひ生で味わいたいと思った次第。とにかく、エレガント極まりない音色がまろやかに溶け合いながら会場を満たしていくあの感覚がまた味わえるのかと思うと、いまからソワソワが止まらなくて。

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『シークレッツ・オブ・マイ・ハート』

(寺島レコード)
※2019 6.5 発売

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6/18(火)、カフェレストランバー「Lady Blue(レディ・ブルー)」にてミニライブ・イベント開催!
SARAH McKENZIE -Mini Live-
◆2019.6.18 tue.
Live 19:00〜 / 20:30〜
Member:Sarah McKenzie(vo,p)、Pat Glynn (b)
Music Charge:Free
※ライブは各30分程度を予定しております。
※ご飲食代のみ頂戴いたします。
※ご予約、お問い合わせはお電話にて。Lady Blue : 03-3278-8808
詳細 → https://bit.ly/2Qhwshj
レディ・ブルー http://ladyblue.jp/


桑原シロー(くわはら・しろー)
音楽誌の編集を経て現在はフリーのライターとして活動。追いかける音楽ジャンルはワールド系からシティ ーポップ系まで広域にわたる。那智勝浦を拠点とする異能のギタリストのマネージャーという顔も持つ。

SARAH McKENZIE
2019 6.19 wed., 6.20 thu.


[1st]Open5:30pm Start6:30pm [2nd]Open8:20pm Start9:00pm
公演詳細はこちら → https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/sarah-mckenzie/

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