チック・コリア、至高のトリオが約9年ぶりに公演! | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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チック・コリア、至高のトリオが約9年ぶりに公演!

チック・コリア、至高のトリオが約9年ぶりに公演!

"すべてが新しい"、奇跡の再集結

 半世紀にわたってジャズ・シーンを牽引するカリスマと、ジャズ・リズムの次元を切り開く俊英ふたりの出会い。チック・コリア、クリスチャン・マクブライド、ブライアン・ブレイドからなる至高のトリオが、約9年ぶりに来日公演を開催する!

interview & text = Kazunori Harada
interpretation = Kazumi Someya

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「ジャズにおけるピアノ、ベース、ドラムスの組み合わせは、クラシックの弦楽四重奏に相当する最もベーシックな形式だと思う。そして私の最も愛するフォーマットでもあるんだ」。

 こう語るチック・コリアが、超強力なオールスター・トリオで4月に来日する。共演者はクリスチャン・マクブライド(b)、ブライアン・ブレイド(ds)。第57回グラミー賞の「最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム賞」と「最優秀インプロヴァイズド・ジャズ・ソロ賞」を獲得した『トリロジー』、そして昨年12月にリリースされたばかりの最新作『トリロジー2』を生み出した3人がブルーノート東京で"音の対話"を繰り広げるのだ。

 チックは折に触れて数々のトリオを結成して話題を振りまいてきた。個人的にすぐ思いつくのが80年代後半にジョン・パティトゥッチ(b)、デイヴ・ウェックル(ds)と結成したチック・コリア・アコースティック・バンド、2001年にアヴィシャイ・コーエン(b)、ジェフ・バラード(ds)と組んだチック・コリア・ニュー・トリオである。こうしたユニットを通じて、歴代ジャズ・ファンは有能な若手ミュージシャンの名前とプレイを覚え、チックの慧眼に驚かされてきた。

「そういった意味ではこのトリオはタイプが異なるかもしれないね。クリスチャンもブライアンも十分すぎるほどの経験を積んできたマスターだ。そのうえで私とプレイしているんだからね。このふたりと演奏するのは格別な喜びがある」

 チックとクリスチャンの初共演レコーディングは、ぼくの記憶によればクリスチャンのセカンド・リーダー作『ナンバー2・エクスプレス』(95年)にて。二人の共演は以後もチックのプロジェクト"リメンバリング・バド・パウエル"(96年)、チックがジョン・マクラフリンと組んだオールスター・ユニット"ファイヴ・ピース・バンド"(2008〜09年)などで続いてきた。そのファイヴ・ピース・バンドのアジア・ツアーで、ヴィニー・カリウタに替わってドラムスを担当していたのがブライアンだ。ジョシュア・レッドマン・カルテットで演奏するクリスチャンとブライアンを90年代に聴いて以来、チックはこのふたりとアコースティック・ジャズを心ゆくまで演奏したいと思うようになった。『トリロジー』『トリロジー2』は、その実現の成果である。この2作品は人気オリジナル曲(「ラ・フィエスタ」など)のリメイク、スタンダード・ナンバー、セロニアス・モンクを筆頭とする伝説的ジャズメンの書いた曲などを含む幅広いレパートリーで構成されているが、今回の公演ではどんなプログラムを予定しているのだろうか。

「すべてが新しくなる。新たな時代、新たな手法、新たな曲、新たな即興......たとえ同じ曲をプレイ しても、我々が取り組めば毎回、異なるアプローチになるんだ。決して繰り返しにはならないんだよ。日本の皆さんのために演奏するのはいつだって最高に楽しい。ブルーノート東京での新たなる冒険を、どうぞお楽しみに!」

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チック・コリア・トリロジー
featuring クリスチャン・マクブライド and ブライアン・ブレイド
『トリロジー2』

(ユニバーサル ミュージック)

チック・コリア・トリロジー
featuring クリスチャン・マクブライド and ブライアン・ブレイド
2019 4.4 thu., 4.5 fri., 4.6 sat., 4.7 sun., 4.8 mon.

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原田和典(はらだ・かずのり)
「ジャズ批評」誌編集長を経て、2005年に独立。エンターテインメントに関する取材・執筆を行なう。著書に『世界最高のジャズ』、監修に『猫ジャケ』、『BLUE NOTE 80 GUIDEBOOK』等。ブルーノート東京のオフィシャル・ホームページにライヴ・レポート連載中。

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