ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ、ガイ・ペリマンがインタビュー | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ、ガイ・ペリマンがインタビュー

ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ、ガイ・ペリマンがインタビュー

U.K.ソウルを牽引してきた最重要バンド、
その魅力は"ライブ感とグルーヴ"

 9月のニュー・アルバムのリリースも好評! 世界中のダンス・ミュージック・シーンを刺激し続ける"アシッド・ジャズの王者"、ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズが今年もクラブをダンス・フロアに変える。今回はインターFM「LHR - London Hit Radio-」でもお馴染みのガイ・ペリマンがインタビュー。新作について、また彼らの音楽について語ってくれた。

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――ニュー・アルバムのコンセプトは?

サイモン よく聞かれるんだけどアルバムを作る時に特にコンセプトは考えたことはないね。どんなグルーヴにするか決めたり、紙に書いたりしたこともない。コンセプトを考えてスタジオに入るバンドも多いと思うけど、俺達の音楽は同じメンバーで長年演奏してきたその土台から自然に生まれるものなんだよね。

ドーン コンセプトは私たち4人がスタジオに集まってジャムすることね。

サイモン スタジオではできるだけ大きい音でジャムをする。そういうスタジオの雰囲気が重要だと思う。制作時のスタジオはスイートな時間もあれば、ちょっとフリーキーだったり、ファンキーだったりもした。"現場感"があったね。

ドーン 私たちの性格と一緒で甘い時もあればちょっと奇抜なところもある、そんな部分がアルバムに出てると思うわ。

――ドーン・ジョセフの魅力を改めて教えてください。

サイモン グレイトだね。ドーンは性格も音楽に対する姿勢も肩に力が入ってない感じだから仕事がしやすいね。



THE BRAND NEW HEAVIES portraitA

――新作はインスト曲なし、ヴォーカル曲のみで構成されてますが、意識してのこと? 

サイモン インストのみのアルバムも既に録音は終わっていて、それを少し後にリリースする予定だからその理由もあるね。アルバムはファンキーなインストだけで構成されてるから楽しみにしておいて欲しいな

――バラードが無いことも意識してのこと?

ドーン 唯一のバラード候補のアン・ヴォーグの「ドント・レット・ゴー」のカバーはバラードだったんだけど私たちが早めちゃったのよね(笑)

サイモン 僕達のカバーもスローではあるけど、オリジナルはもっと遅いテンポだからね。今回のアルバムにバラードは入ってないけど、ロマンチックな曲、テンポを遅めずにバラードっぽさを出している曲はあるからね。


――ここ数年、定期的に日本でライヴがありますが、オーディエンスはバンドにどんな影響をもたらしますか。

サイモン ブルーノート東京でのライヴは本当楽しみにしているよ。前回が初めてだったんだけど凄く良い経験だった。今まで演奏してきたアーティストも凄いし、世界中でみても特別なクラブだと思う。日本でプレイできること自体が光栄だし、その為にいつも以上のパフォーマンスもできると思う。理由はないんだけど、こういう予感がある時は特別なライヴになるんだよね。日本のオーディエンスはおとなしいっていう人もいるけどそれは違う。静かな時もあるけどそれは尊敬の裏返しでもあるし、ライヴを楽しみに来たんだろうってことも伝わるしね。

ドーン 私はどんなオーディエンスであっても110%の力でパフォーマンスするだけね。

――ピーター・ガブリエル「Sledgehammer」、アイコナ・ポップの「I Love It」、アン・ヴォーグ「ドント・レット・ゴー」をカバー曲に選んだ理由は?

サイモン スタジオでジャムしてる時にカバーをやろうって話になって、ドーンが「I love It」をやろうって言ったんだっけな。演奏し始めるとすぐに僕達のスタイルにフィットした。驚いたんだけどオリジナルとは全く違うヴァイヴが生まれて、すぐに曲ができたんだよね。カバーをよくやる理由は僕らは独自の視点で曲を見ているから。面白いカバーが生まれると思う。



THE BRAND NEW HEAVIES portraitB

――バンドの一番の魅力は、ご自身はどう考えていますか。

サイモン ライブ感とグルーヴかな。僕達はほとんどオーバーダブをせずに各楽器を同時に録音する。その録音時でもライヴ感があるって部分がレコードを聴いてもわかると思うよ。20年以上一緒にやってるメンバーもいて、グルーヴがどんどん研ぎすまされてきたのもあるね。

――長く第一線で活躍し続けるには何が大切ですか。

サイモン 音楽に対しての情熱だね。

イアン コーヒーかな、ドリップ式のでもいいしインスタントでもいいし(笑)ずっと起きてないとね。

サイモン 僕達は皆音楽をやっている事が好きだし、エンジョイしてるね。幸運なことに長年ライヴできている場所もあるし。音楽以外に何をやるのっていう感じだね。

――この数年で衝撃を受けたショーはありますか。(BNH以外のライブで)

イアン 南アフリカのグループ、Die Antwoordのライブをロンドンで見たんだけど凄くよかったね。

ドーン アース・ウインド&ファイアーをこの前見たけど素晴らしかったわ。
イアン 観たことないから観てみたいのは、日本のプログレッシブ・ロックバンド、Happy Familyかな。日本に行った時、ライヴをやっていたら是非行きたいね。招待券お願いしていいかな(笑)

――今後のビジョンについて教えてください。

サイモン UB40とのライブが来年あるから楽しみだね。あとはこのアルバムのプロモーションかな。


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photography = Sash Bartsch[portrait]
interview = Guy Perryman
edit & text = Hiroshi Takakura

Guy Perryman(ガイ・ペリマン)
ラジオDJ/パーソナリティ。イギリス生まれ。1980年代よりラジオDJとしてのキャリアをスタート。ヴァージンメガストアの有線放送の立ち上げをきっかけに1990年来日。現在インターFM「LHR - London Hit Radio-」のパーソナリティー。
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高倉宏司(たかくら・ひろし)
京都市出身、7年前に渡英しロンドンを中心とした現地の生きた音楽シーンをリアルタイムで体感、DJ/イベントオーガナイザーだけでなく雑誌やCDライナーノーツ等での翻訳と執筆活動により幅広い音楽情報を発信中

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