【公演直前インタビュー】川口千里 | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【公演直前インタビュー】川口千里

【公演直前インタビュー】川口千里

自身名義のバンドとして待望の初登場
飽くなき挑戦を続ける若き天才ドラマー

 日本のみならず世界中から熱い注目を浴びるドラマー、川口千里。その彼女がこの夏、ブルーノート東京では初となるリーダー公演を行う。「ブルーノート東京に初めて行ったのは高校生の時でした」と振り返りつつ話してくれたインタビューより、意外なオチ(!?)から公演直前の意気込みまでをお伝えしたい。

interview & text = Yuichi Yamamoto

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 近年はエリック・ミヤシロ率いる"ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ"のドラマーとしても活躍する川口千里。今や彼女が"この場所"にいることは、ごく自然なことに思える。そんな彼女にも「いつかブルーノート東京のステージに」と憧れた時期があったのではないかと想像し、まずは「初のブルーノート東京体験は誰の公演だったのか?」からたずねてみた。すると彼女は少し戸惑いながらこう語り始める。

「ブルーノート東京に初めて行ったのは2014年の4月、まだ高校生の時でした。それが、客席ではなく、いきなり出演者としてだったんです」

 当時、故郷の三重県で暮らしていた彼女にとっては、決して気軽に来られる場所ではなかっただろう。しかし、客席よりも先にステージへと辿り着いた逸話には、彼女の運命めいたものを感じてしまう。

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「もちろんブルーノート東京の存在は知っていました。でも初めて向かった時は、まず目に映る街並みに圧倒されて(笑)。いよいよ到着した時には"本当にここで演奏するの?"という不安と緊張が高まったことを覚えています。その時の共演者はリー・リトナー、エイブラハム・ラボリエル、神保彰さんも。そう、この時は神保さんに本当にいろいろと助けていただきました」 

 こうして、いきなり世界的ミュージシャンと音を紡ぎ出すところから彼女とブルーノート東京とのストーリーは始まった。

 その後の彼女の活躍は枚挙にいとまがない。高校生の時にはダンス&ヴォーカルグループ"E-girls"のバックで日本武道館を始めとするアリーナ・ツアーを経験。ブルーノート東京では、マーカス・ミラー、デヴィッド・サンボーンといったスーパー・レジェンド達と共演する機会を得る。また自身の活動ではフィリップ・セスとのトリオでアルバム『CIDER』をリリース。そのメンバーによるツアーでは素晴しいライヴ映像&アルバムも残している。

 そして、名だたるベーシストとの共演が多いのも彼女の実力を物語っているだろう。今回のステージを共にする櫻井哲夫とはこれまでにも数多くの共演を重ね、ブーツィー・コリンズの2018年ソロ作『World Wide Funk』ではタイトル・チューンを担当、2019年にはアルフォンソ・ジョンソンの来日公演にも参加。と、共演者の名前を書き出していると、あたかも彼女は"時代の継承者"に選ばれたドラマーのようにも思えてくる。

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 こうして成長を重ねてきた彼女の中に、再び深く刻み込まれたブルーノート東京との記憶は2020年6月13日、ブルーノート東京が初めて行った配信ライヴ「ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ"Live Stream"」であったという。

「コロナ禍で海外アーティストも来られなくなり、正直、ブルーノート東京はどうなってしまうのだろう?という不安すら感じていました。その中で、お客様もいなくてステージのレイアウトも違い、楽屋から"さぁ行くぞ!"と出ていく感じもなくて。これまでとは違う緊張感の中で演奏に集中しましたが、あとからその動画を観た時にとても感動したんです。どう形態は変わろうと、ブルーノート東京の目指す高みは素晴らしいなぁ!と」

 それだけに今回のリーダー公演の話が出たときは、その責任の重さから迷いもあったそうだが、最後にあらためての意気込みを語ってもらった。

「最初にマネージャーから話が出た時の私の反応は"無理、無理、無理〜!"でした。なんなら"やめとけー!"みたいな(笑)。でも決定してからは徐々に変わってきましたね。育ての親でもあるブルーノート東京に成長を証明するためにも、私のライヴ史上、最高のものを目指したいと思っています。メンバーは『Dynamogenic』のレコーディング・メンバー。すでにツアーも行って、曲の解釈もさらに膨らんでいるので、そこも是非楽しみにして下さい。そう、相棒のドラムセットには、"川口千里の音"が一番出せるヤマハのPHXを使います。私のドラムは迷いなくスパスパッと行くタイプなので、こんな時にこそ"スッキリした!"と思ってもらえたら嬉しいですね」


山本雄一(やまもと・ゆういち)
ドラマー/ライター。猪俣猛に憧れてドラマーを志し、10代よりプロ活動、20代より講師活動をスタート。『リズム&ドラムマガジン』のライターとして国内外のドラマー記事や教則本を多数執筆。株式会社アール・シー・シー代表取締役。

LIVE INFORMATION

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川口千里
2021 8.7 sat., 8.8 sun.
[1st]Open4:00pm Start4:45pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/senri-kawaguchi/
※8.8 sun. 2ndショウのみインターネット配信(有料)実施予定
※アーカイブ配信視聴期間:8.11 wed. 11:59pmまで
※アーカイブ配信の内容はライヴ配信と異なる場合がございます。予めご了承ください。


<Member>
川口千里(ドラムス)
櫻井哲夫(ベース)
安部潤(キーボード)
菰口雄矢(ギター)

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