【JAM vol.242】EMILY KING | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【JAM vol.242】EMILY KING

【JAM vol.242】EMILY KING

text = Kazunori Harada

ニューヨーク直送の音楽世界を描く
人気シンガー・ソングライターが
希少なジャズ・クラブ公演を開催

 "これまでに聴いたすべてのレコードから影響を受けている"と語るほどの多彩かつ柔軟な音楽性、卓越したギターの弾き語りが放つ圧倒的な存在感。4度のグラミー賞ノミネート歴を持つシンガー・ソングライター、エミリー・キングが初のブルーノート東京公演を行う。

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 ジャズ・ヴォーカリストのキム・カレスティとマリオン・カウィングス(1991年4月、骨董通りにあったブルーノ―ト東京の旧店舗に"キム&マリオン"名で登場)を両親に持ち、10代半ばから故郷ニューヨークの音楽シーンで活動。ナズの2004年作品『Street's Disciple』にフィーチャリング・メンバーとして参加した後、2007年に大手"J Records"からファースト・ソロ・アルバム『East Side Story』を発表。メアリー・J. ブライジ、フェイス・エヴァンス、ザ・ノトーリアス・B.I.G.等を手掛けたことでも知られるチャッキー・トンプソンがプロデュースを担当、さらにエイミー・ワインハウスの音作りに関わったサラーム・レミ、ローリン・ヒルの音作りに関わったヴァダ・ノーブルズらも制作陣に参加する豪華なプロジェクトだった。この時期にエミリーが抱いていた思いについては、ウェブサイト"ポルスター"に掲載されているインタビューに詳しい。

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 2011年、ジャズ・ギタリストとしての一面も持つジェレミー・モストをプロデューサーに迎えてEP『The Seven』をリリース。ホセ・ジェイムズの13年発表作品『No Beginning No End』やテイラー・マクファーリンの14年発表作品『Early Riser』でも存在感を示し、2015年には8年ぶりのフル・アルバム『The Switch』をジェレミーのプロデュースで出した。やはりジェレミーと組んだ19年発表作品『Scenery』はUSビルボードの"ヒートシーカーズ・アルバム"部門で最高6位まで上昇、グラミー賞ではベスト・エンジニアード・アルバム部門とベストR&Bソング部門(楽曲「Look at Me Now」)にノミネートされている。「セイント・ヴィンセントとソランジュが出会ったような傑作」とも譬えられたこのアルバムが、エミリーの歌声やソングライティングに魅了されるきっかけになったリスナーも少なくないはずだ。2020年には既発の楽曲をアコースティック・サウンドで表現した『Sides』をリリース、目下の最新アルバムにあたる『Special Occasion』ではルーカス・ネルソン(カントリー&ウェスタンを象徴する大歌手ウィリー・ネルソンの息子)をゲストに迎え、"別れ"をテーマに、一層スケールの大きな音世界を描きあげた。

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 私は昨年末にアップされたNPRの人気プログラム「Tiny Desk Concert」を視聴して、エミリーとその仲間たちのアコースティック・ライヴがいかに音楽を創り上げる喜びにあふれたものであるかを痛感した。そして人気レパートリーの「Distance」や「Down」などが持つ、オーケストレーションを変えても揺らぐことのない"楽曲の力"に酔った。来たるブルーノート東京公演では、ここにジャズ・クラブならではの親密さが加わるのだから、ますます忘れ難い瞬間の連続となることだろう。長くBIGYUKIとの共演も続けている弦楽器奏者のランディ・ルニオン、"smithsoneon"の別名でも知られる打楽器奏者のティム・スミスという選りすぐりのメンバーと共に描く、才人シンガー・ソングライターの現在地を満喫したい。

LIVE INFORMATION

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EMILY KING

2026 5.18 mon., 5.19 tue. ブルーノート東京
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/emily-king/

<MEMBER>
エミリー・キング(ヴォーカル、ギター)
ランディ・ルニオン(ギター、ベース、バックヴォーカル)
ティム・スミス(パーカッション、バックヴォーカル)

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