【JAM vol.238】 DON WAS & THE PAN-DETROIT ENSEMBLE | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

News & Features

【JAM vol.238】 DON WAS & THE PAN-DETROIT ENSEMBLE

【JAM vol.238】  DON WAS & THE PAN-DETROIT ENSEMBLE

text = Kenichi Aono

ブルーノート・レコードのボス、ドン・ウォズが
自身のバンドでブルーノート東京とBNJFに出演

 2024年に創立85周年を迎えたブルーノート・レコードのボス、ドン・ウォズ。1970年代末に結成した自身のグループ「WAS (NOT WAS)」ではフリーキー&ソウルフルなニューウェーヴ・ディスコを展開、1990年代からは名プロデューサーとしてローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、ウィリー・ネルソンらの作品に携わってきた氏が近年取り組むバンド「Don Was & The Pan-Detroit Ensemble」でブルーノート東京と「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN」に出演する。約30年ぶりにベーシストとして日本のステージに立つ氏に、バンドとブルーノート・レコードについてを伺った。

READ MORE

250924DonWas_image003.jpginterview photos by Tsuneo Koga

―――昨年、ブルーノート・レコードは85周年を迎えましたが振り返っていかがでしたか?

「新作とヴァイナル・リイシューの"Tone Poetシリーズ"を合わせて75作近くリリースしました。どれもがどんな時代にも誇れるクオリティで、現在のスタッフや契約アーティストすべてがレーベル史上最高峰だと改めて実感しています」

―――これまでブルーノート東京にはレーベル所属アーティストが多数出演していまして、直近だと南アフリカのピアニスト、ンドゥドゥゾ・マカティーニ、そしてボルティモア出身のトランペッター、ブランドン・ウッディが初のステージを披露しました。

「ンドゥドゥゾの奏でる一音一音は祖先につながっていて、それが美しく響いてくるのが素晴らしいですね。ジャズはもとを辿ればアフリカに行き着くと思うのですが、その意味で彼は源泉に属している人物。でも一方でマッコイ・タイナーを通過していて、そうした円環構造は非常にユニークだと思います。ブランドンはデビュー作『フォー・ザ・ラヴ・オブ・イット・オール』が出たばかりですが、それが最初の作品とは信じがたい洗練と深さがあって驚きました。同時にハービー・ハンコック『処女航海』やウェイン・ショーター『スピーク・ノー・イーヴル』に通じる若者特有のエネルギーやナイーヴさもあって」

250924DonWas_image001.jpg

―――9月にはご自身の新しいプロジェクト「Don Was & The Pan-Detroit Ensemble」でブルーノート東京と「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN」に出演されます。このバンドについて教えてください。

「2年ほど前、古い友人であるテレンス・ブランチャードがデトロイトでショーをキュレーションすることになり、わたしにそこでなにかやってくれないかというオファーをくれました。それで、自分のバンドなんてないのに『いいよ』と答えてしまった(笑)。ショーが半年後に迫った頃、デトロイトで音楽に囲まれて育ったわたしと同じような経験を持ったメンバーを集めようと思い立ち、デトロイト出身の8名のミュージシャンに声をかけてできあがったのがこのバンドです。デイヴ・マクマレイ(サックス)はWAS (NOT WAS)にも参加していて、いまはブルーノート・レコード所属。エミネムのコラボレーターとしても知られるルイス・レスト(キーボード)は10代の頃からの友人ですね。テレンスのショーのためにリハーサルを行ったら、もう何年も一緒にやってきたような感覚があって、一度きりで終わらせるのはもったいないと思い、続けてゆくことにしました。8月にはアルバムをリリースします」

―――本当に久しぶりとなる来日公演です。どんな気持ちでいらっしゃいますか?

「ミュージシャンとしては30年くらいぶりですが、プロデュースやレーベルの仕事で日本にはたびたび来ていたんです。そのときに感じたのは、日本のリスナーは音楽やミュージシャンに対してオープン・マインドだということでした。そんな音楽ファンの前で演奏できるのはとてもエキサイティングですね。Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPANにはほかに誰が出るんでしたっけ?」

―――ノラ・ジョーンズとNE-YOがヘッドライナーとしてアナウンスされています。

「ノラ! わたしたちと同じ日に出演?」

―――はい、その予定です。

「クール!」

LIVE INFORMATION

250924DonWas_image004.jpg

DON WAS & THE PAN-DETROIT ENSEMBLE
2025 9.24 wed., 9.25 thu., 9.26 fri.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm

https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/don-was/

<MEMBER>
ドン・ウォズ(ベース)
ステファニー・クリスティアン(リードヴォーカル)
デイヴ・マクマレイ(サックス、フルート)
ジェフ・キャナディ(ドラムス)
マヒンディ・マサイ(パーカッション)
ルイス・レスト(キーボード、ヴァイオリン)
ヴィンセント・チャンドラー(トロンボーン)
ジョン・ダグラス(トランペット)
ウェイン・ジェラルド(ギター)

RECOMMENDATION