【JAM vol.238】JULIUS RODRIGUEZ

text= Kazunori Harada
『BLUE GIANT MOMENTUM』でも注目を集める
NY出身の鬼才マルチ奏者が、自身のバンドを率いて遂に登場
「僕が演奏しているのは"ザ・ミュージック"なんだ。みんなが口ずさんだり踊ったりできるようなシンプルな楽曲を、即興を織り交ぜながらプレイすること。それこそ僕の目指していることだよ」
こんな嬉しいことを言ってくれるのがジュリアス・ロドリゲスという音楽家だ。ブルーノート東京には、2020年2月開催のカッサ・オーヴァーオール公演、今年5月開催のクリス・ボッティ公演の鍵盤奏者として登場したことがあるが、来たる9月、遂に自身のバンドによるステージが実現する。
ニューヨーク州ホワイト・プレインズ出身のジュリアスは、セロニアス・モンクなどのジャズのほかにビートルズやスティーヴィー・ワンダーの音楽も流れる家庭で育った。3歳からクラシック・ピアノを習い、教会ではドラムス、キーボード、オルガンを演奏。ジャズ、R&B、ポップス、ゴスペル、ヒップホップ等を縦断する彼のエクレクティック(折衷的)な音楽性の下地はここで築かれたといってよい。バークリー音大のサマー・プログラムを経てジュリアード音楽院に入学し、2018年にはエイサップ・ロッキーのツアーに参加。ミシェル・ンデゲオチェロ、カッサ・オーヴァーオール等との共演を経て、2022年にファースト・アルバム『Let Sound Tell All』を発表した。日本でも大きな話題を集めた2024年発表のセカンド『エヴァーグリーン』はソランジュ、クリスティーナ・アギレラ、ビリー・アイリッシュらの作品プロデュースの経歴を持つティム・アンダーソンとの共同制作。さらに拡がるジュリアスの多面性が、実にキャッチーな形で1枚のアルバムに収められていた。同年にはまた、人気ジャズ漫画『BLUE GIANT MOMENTUM』作中の楽曲「MOMENTUM」も演奏、こちらでも話題を振りまいた。
公演に同行するメンバーも、昨年デビュー・アルバムを発表したバーネル・ジョーンズ、マーカス・ミラーに学んだブランドン・ローズ、ロバート・ランドルフのバンドでも活動するウィリー・バーテルと、要注目の精鋭ばかり。音楽の愉しさと奥深さを表現する俊英、ジュリアスの来日を心待ちにしたい。
LIVE INFORMATION
JULIUS RODRIGUEZ
2025 9.5 fri., 9.6 sat.
9.5 fri.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
9.6 sat.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/julius-rodriguez/
<MEMBER>
ジュリアス・ロドリゲス(ピアノ、キーボード)
バーネル・ジョーンズ(サックス)
ブランドン・ローズ(ベース)
ウィリー・バーセル(ドラムス)