【JAM vol.238】CÉCILE McLORIN SALVANT QUARTET

text= Kazunori Harada
3年連続グラミー受賞の才人が7年ぶりに登場
「ジャズ・ヴォーカルの現在地」へ案内する3デイズ
サマラ・ジョイ、ジャズメイア・ホーン、ガブリエル・カヴァッサなど才人に事欠かないヴォーカル・シーンの切り札といえる存在、グラミー賞のベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバム部門で3度の受賞を誇るセシル・マクロリン・サルヴァントが7年ぶりのブルーノート東京公演を行う。昨年のコットンクラブ公演は全セット、ソールドアウト。さらに人気と注目が高まる中での、待ちに待った再来日だ。
2010年、権威あるセロニアス・モンク国際ジャズ・コンペティションで優勝。ジャン=フランソワ・ボネル・クインテットとのコラボレーション『Cécile』を経て、2013年には初の単独リーダー・アルバムである『WomanChild』を発表した。『For One To Love』、『Dreams and Daggers』、『The Window』で3年連続グラミー・ウィナーという快挙を成し遂げて、2020年には人並み外れた独創性を持つ者だけが得ることができるといっていい、マッカーサー・フェローシップとドリス・デューク・アーティスト賞に輝いている。名門ノンサッチ・レーベルからの近作『Ghost Song』、『Mélusine』がまた、目を見張るような傑作だ。フランス語、英語、ハイチ・クレオール語などを駆使した歌唱は途方もない滑らかさと香り高さを持ち、曲想は趣向に富み、バンド演奏は優美であると共に猛烈なグルーヴ感を放つ。2024年に始まったジャズ、室内楽、オペラを融合する一大プロジェクト"Ogresse"では、鬼才ダーシー・ジェームス・アーギュー率いるアンサンブルと共にシアトリカルな世界を繰り広げている。
ますます絶好調を加速している彼女の、待ちに待ったブルーノート東京公演。今回のステージには『The Window』で圧巻のデュオを繰り広げたピアニストのサリヴァン・フォートナーに加えて、BIGYUKIやクリスチャン・サンズ等との共演でも知られるベーシストの中村恭士、エメット・コーエン・トリオでの来日も記憶に新しいドラマーのカイル・プールが同行する。原点のひとつであるジャズ・シンギングをベースに、比類のない音楽世界を満喫させてくれるに違いない。
LIVE INFORMATION
セシル・マクロリン・サルヴァント・カルテット
with サリヴァン・フォートナー、ヤスシ・ナカムラ&カイル・プール
2025 8.20 wed., 8.21 thu., 8.22 fri.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/cecile-mclorin-salvant/
<MEMBER>
セシル・マクロリン・サルヴァント(ヴォーカル)
サリヴァン・フォートナー(ピアノ)
ヤスシ・ナカムラ(ベース)
カイル・プール(ドラムス)