【JAM vol.238】FIEVEL IS GLAUQUE | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【JAM vol.238】FIEVEL IS GLAUQUE

【JAM vol.238】FIEVEL IS GLAUQUE

text = Shino Okamura

今世紀最高のポップ・アマルガムが
奇跡の来日

 この人たちがブルーノート東京で観られるなんて! 来日公演決定のニュースを聞いて筆者は思わず声をあげてしまった。今、ポップってなんだろう? どういう音楽がポップ・ミュージックなんだろう? 少なくとも、ビーチ・ボーイズ、スティーリー・ダン、オス・ムタンチス、ステレオラブ、あるいは日本のマヘル・シャラル・ハシュ・バズやテニスコーツ......といったアーティストの名前に体が反応した方であれば、昨年、過去最高傑作と言ってもいいアルバム『Rong Weicknes』をリリースしたファイベル・イズ・グロークこそがその回答だと断言できる。

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FIEVEL IS GLAUQUEの画像

 ファイベル・イズ・グロークは、マルチ・プレイヤーのザック・フィリップスと、シンガーのマ・クレマンによるニューヨークはブルックリン(とベルギーのブリュッセル)を拠点とするデュオ。2018年の結成以来、ライヴ録音された最初のアルバム『God's Trashmen Sent to Right the Mess』(2021)、初のスタジオ録音作『Flaming Swords』(2022)とコンスタントにリリースし、前述したような先達からの影響を、さらに未来へと転換させていくべく実験を繰り返しながら自由度の高い"ポップ道"を歩んできた。スタジオ録音作としては2枚目になる最新作『Rong Weicknes』では、アレンジとリズムでさらに変化をつけているのが刺激的で、こっちにくるぞと思わせてあっちに行く、あっちに行ったと油断をさせておいて、気がつけばこっちにいる、というように、まるで予測のつかない展開。表向き二人組だが、実際には管弦楽器、パーカッションを含めたミュージシャンが多く関わっていて、ちょっとしたポケット・オーケストラのようにも楽しめる。来日公演でも、今年来日して話題を集めたヴァン・ダイク・パークスや、先ごろ亡くなったブライアン・ウィルソンへのリスペクトが感じられるパフォーマンスになるに違いない。

 彼らこそ21世紀最高のポップ・アマルガムの一つ。ブルーノートのステージをめくるめく万華鏡に変えてしまうだろう今回の公演、なんとしても足を運んでほしいと願い。もちろん筆者も絶対に駆けつける予定だ。

LIVE INFORMATION

FIEVEL IS GLAUQUEの公演バナー画像

FIEVEL IS GLAUQUE
2025 8.27 wed., 8.28 thu.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/fievel-is-glauque/

<MEMBER>
ザック・フィリップス(ピアノ、キーボード)
マ・クレマン(ヴォーカル)
ギャスパー・シックス(ドラムス)
アナトール・ダミアン(ベース)シルヴァン・ハーネン(ギター)
アンドレ・サカルソト(サックス、フルート)

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