【JAM vol.237】MAURICE "MOBETTA" BROWN | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【JAM vol.237】MAURICE "MOBETTA" BROWN

【JAM vol.237】MAURICE "MOBETTA" BROWN

text = Kazunori Harada

時代を映すジャンル横断型の
鬼才トランペッターが、
最強メンバーと共に満を持して上陸!

 ジャズ、ヒップホップ、ブルース、ロックを縦断するトランペットの俊英、モーリス "モベッタ" ブラウンがこの6月、ついに雄姿をあらわす。2020年3月に開催が予定されていたものの、パンデミックで延期になっていた公演が5年の歳月を経て実現することとなった。

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 シカゴで育ち、高校生の頃ラムゼイ・ルイスが指導する若手バンドに参加。一時期ニューオーリンズに住み、アルヴィン・バティステ(ジョン・バティステにつながる"バティステ・ファミリー"の一員)の薫陶を受けたこともある。私は2006年の「シカゴ・ジャズ・フェスティバル」で彼の生演奏を初めて聴いた。実行委員長だったか誰かのスピーチの後にブラウンとコーリー・ウィルクス(レスター・ボウイの没後アート・アンサンブル・オブ・シカゴに参加)が出て、ツイン・トランペットでアメリカ国歌を吹いた。このメロディがこんなにソウルフルだったのか、ノリノリだったのかと、起立しながら胸に手をあてつつ感動した。次に今はなきニューヨークのジャズ・クラブ「ジャズ・スタンダード」で聴いた。リーダーはトロンボーン奏者の故カーティス・フラーだったが、圧巻はブラウンとデュエイン・ユーバンクスのトランペット競演。ケニー・ドーハムの楽曲「マイナーズ・ホリデイ」を素材に、自然発火しそうなアドリブを繰り広げていた。

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 ブラウンの視野は実に広い。いわゆるジャズ・フィールドで充実した音世界を作り続けていることはもちろん、2010年から15年にかけてのテデスキ・トラックス・バンドへの参加、ほかアンダーソン・パーク、ザ・ルーツ、タリブ・クウェリ、チャンス・ザ・ラッパー、プロディジーらとのコラボレーションでも存在感を発揮してきた。今回の公演には寺久保エレナらとの女流サックス・カルテット"ジ・エンプレス"でも活動するチェルシー・バラッツ、コリー・ウォンやブーツィ・コリンズとも交流するブランドン・タズ・ニードラウアーら精鋭が集結、キーボードは泉川貴広と宮川純が日によって担当する。時代を映す鬼才が表現する2025年の"MOBETTA"サウンドは必見必聴だ。

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LIVE INFORMATION

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MAURICE "MOBETTA" BROWN
2025 6.24 tue., 6.25 wed., 6.26 thu.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/maurice-brown/

<MEMBER>
モーリス "モベッタ" ブラウン(トランペット、ヴォーカル)
チェルシー・バラッツ(サックス、ヴォーカル)
ジョー・クリーヴランド(ベース)
ブランドン・タズ・ニードラウアー(ギター)
泉川貴広(キーボード)※6.24&6.25
宮川純(キーボード)※6.26
ブラック・ダイナマイト(ドラムス)

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