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"SAVE LIVE MUSIC 4" HIROMI SOLO "STANDARDS"

artist 上原ひろみ

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


コロナ禍に苦しむライヴ・エンターテインメント業界の救いになれば------ピアニスト・上原ひろみの超ロングラン公演"SAVE LIVE MUSIC"の第4章(12日間、24公演)も、いよいよ佳境に入ってきました。大好評を得た「上原ひろみ ソロ "ORIGINALS"」公演、「上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット "BACK at the CLUB"」公演に続き、昨日から「上原ひろみ ソロ "STANDARDS"」公演が行なわれています。

"STANDARDS"ライヴは、他のアーティストが書いた楽曲を上原ひろみ流のタッチ、アレンジで満喫することができるひとときといっていいでしょう。音楽家としてだけではなく、リスナーとしても幅広い趣向をもつ彼女だけに、選曲もアプローチも実に多彩です。クラシック寄りのものから、敬愛する先輩ジャズ・ピアニストゆかりの楽曲、ロックやソウル・ミュージックのナンバーなどを、粒立ちの良いタッチで届けてくれます。時折、アドリブの間に別の楽曲のメロディが挿入され、楽想はさらに広がり、"この先、どうなっていくのだろう"と思いながら聴いていると、いつの間にかしっかり元の曲のテーマ・メロディに戻っているあたり、体操選手の離れ技に接しているようでもありました。そして、左手による堅実なウォーキング・ベース・ライン、軽妙なストライド奏法、循環コード(リズム・チェンジ)に基づくスウィンギーなアドリブ等に接しているうちに、ぼくはミルト・ゲイブラー(アメリカ初のジャズ専門レーベル"コモドア"の創立者)の言葉を思い出しました。

「ジャズを愛すると、決して一か所にとどまることはできない。興味が新しいものや革新的なものに向かっていくからだ。だが、オープンかつ真剣な気持ちでジャズに接するならば、その発端やルーツにも関心を持たずにはいられないはずだ。今日の人々にインスピレーションを与えてきた先人たちの表現に、耳を傾ける必要がある」
上原ひろみは自身の中でジャズやピアノのヘリテイジを消化して、それを"できたての音楽"としてオーディエンスに届けます。客席からごく自然にわきおこる手拍子、終演後のスタンディング・オヴェイションは、演奏者と聴き手の間に鮮やかなコミュニケーションの橋がかかっていることを示しました。

「上原ひろみ ソロ "STANDARDS"」は13日まで連日開催されます(最終日のセカンド・ショウは配信も予定)。"他のミュージシャンの曲ばかりを料理する上原ひろみの凄み"に浸れるプログラム、必見必聴です!
(原田 2022 1.11)

Photo by Makoto Ebi


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☆1/13(木)2ndショウでは生配信を実施。配信チケット好評発売中!

上原ひろみ ソロ "STANDARDS"
2022 1.10 mon., 1.11 tue., 1.12 wed., 1.13 thu.
※生配信:1.13 thu. 2ndショウ (Start8:30pm)
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☆オリジナル企画満載!"SAVE LIVE MUSIC 4"公演 特設ページ
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SET LIST

2022 1.10 MON.
1st&2nd
1. 3 Preludes
2. Softly as in a morning sunrise
3. Windows
4. Gravy Waltz
5. Under the Bridge
6. Sweet Georgia Brown
EC. Lean on me

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