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DUKE ELLINGTON ORCHESTRA

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


永遠不滅のビッグ・バンド・サウンドが、ブルーノート東京に鳴り響いています。1923年結成の超老舗、デューク・エリントン・オーケストラの公演です。エリントン本人('74年死去)が楽団を率いたのは約50年間。御大の遺志を継いでからのオーケストラも、あと数年で半世紀に到達します。ケニー・ギャレット、ドン・バイロン、リッキー・フォード、故マルグリュー・ミラー(ロバート・グラスパーの敬愛するピアニストのひとり)等も、"デューク以後のエリントン楽団"の卒業生です。

コンダクターは、前回と同様、アルト・サックス奏者のチャーリー・ヤングが担当します。ほぼ1曲ごとにMCをはさみながら、ときには曲が生まれた背景やその由来をわかりやすく説明します。プログラムは、いわゆる"エリントン・ナンバー"の目白押しですが、これは必ずしもデュークが単独で書いた楽曲を意味しません。デュークの片腕ビリー・ストレイホーン作曲の「The Eighth Veil」(トランペット奏者ブライアン・デイヴィスのハイノートがフィーチャーされました)、トロンボーン奏者ファン・ティゾールが書いた「Perdido」、デュークの息子マーサー・エリントンの筆による「Things Ain't What They Used to Be」("有為転変は世の習い"というニュアンスでしょうか)なども交えながら、オーケストラは猛烈にスウィングし、シャウトしました。またアルト・サックス奏者のマーク・グロスは「Prelude to a Kiss」、バリトン・サックス奏者のモーガン・プライスは「Sophisticated Lady」で名人芸を披露。ジョニー・ホッジスやハリー・カーネイの曾孫のような世代が今もしっかりと誠実に、名曲に火をともし続けてくれているのは嬉しい限りです。

現エリントン楽団のライヴには大定番のほか、レア曲を演奏するコーナーもしっかり設けられています。ぼくが見た初日のファースト・セットでは、「Suite Thursday(木曜組曲)」がとりあげられました。ジョン・スタインベックの同名小説にインスパイアされたデュークとストレイホーンの共作組曲(全4楽章)で、初演は1960年のモンタレー・ジャズ祭で行なわれましたが、その後もぼくの知る限り'63年と'65年のヨーロッパ・ツアーでレパートリーに加えられています。それが2020年の今、目の前で聴けるとは。ベースのJ.J.シャカ―(2月に来日するモンティ・アレキサンダーとバンドを組んでいたこともあります)の弓弾き、デイヴ・ギブソンが猛烈な速度で叩くクローズド・ハイハットなどがムードを設定し、うねりまくるサックス合奏(オリヴァー・ネルソンの作風に影響を与えたのではと思います)、マイクから離れて堂々と生音を響かせるジェームズ・ゾラーのトランペットがスポットを浴びる最終楽章「Lay-By」まで一気に引きつけました。

客席は、幅広い年齢層のファンでいっぱい。ひょっとしたら、今からちょうど50年前の1970年1月に行なわれていたデューク・エリントン・オーケストラの来日公演をご覧になった方もいらっしゃったかもしれません。歴史の審判や風雪を乗り越え、今なお輝きを放つエリントン・サウンドを、ぜひライヴでご体感ください!
(原田 2020 1.26)
Photo by Takuo Sato

SET LIST

2020 1.25 SAT.
                       
1st
1. TAKE THE 'A' TRAIN
2. COTTON CLUB STOMP
3. BLACK AND TAN FANTASY
4. PORTRAIT OF LOUIS ARMSTRONG
5. PRELUDE TO A KISS
6. PERDIDO
7. SUITE THURSDAY : MISFIT BLUES
8. SUITE THURSDAY : SCHWIPHTI
9. SUITE THURSDAY : ZWEET ZURZDAY
10. SUITE THURSDAY : LAY-BY
11. SATIN DOLL
12. IN A MELLOW TONE
13. SOPHISTICATED LADY
14. THE EIGHTH VEIL
15. MOOD INDIGO
16. ROCKIN' IN RHYTHM
EC. THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE
 
2nd
1. TAKE THE 'A' TRAIN
2. COTTON CLUB STOMP
3. BLACK AND TAN FANTASY
4. ALL DAY LONG
5. COTTON TAIL
6. CHELSEA BRIDGE
7. IN A MELLOW TONE
8. SUCH SWEET THUNDER
9. LATIN AMERICAN SUNSHINE
10. I LET A SONG GO OUT OF MY HEART 〜 DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE
11. PERDIDO
12. THE SINGLE PETAL OF A ROSE (PIANO SOLO)
13. CARAVAN
14. MOOD INDIGO
15. ROCKIN' IN RHYTHM
EC. THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE

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