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Christmas Evening with NIKKI YANOFSKY

artist NIKKI YANOFSKY

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

今年のブルーノート東京のクリスマスは、ひときわゴージャスでフレッシュな雰囲気に包まれています。成長と躍進を続けるシンガー、ニッキー・ヤノフスキーのステージが昨日から始まりました(クリスマス当日まで4日間8セットの開催)。

カナダ・モントリオール出身の彼女は幼いころから天才シンガーとして脚光を浴び、2010年には冬季オリンピックでも歌唱。彼女の才能を認め、コラボレートした面々には師のクインシー・ジョーンズのほか、ハービー・ハンコック、ウィル・アイ・アム、トミー・リピューマ、フィル・ラモーン、エルトン・ジョンといった超大物もいます。14歳の時に伝説的歌手エラ・フィッツジェラルドに捧げた初フル・アルバム『Ella...Of Thee I Swing』を発表し、その後、よりポップでコンテンポラリーな路線に向かった『Nikki』、『Little Secret』をリリース。ソングライターとしての才能開花にも目覚ましいものがあります(とくに「Thriller」「Baby, Come to Me」などを作曲したロッド・テンパートンから多くのことを学んだとのことです)。そのニッキーによる、約5年ぶりのクラブ・ギグなのですから、これはクリスマス云々ということを抜きにしても、注目必至でしょう。

初日の選曲は、大きく3つにわけることができました。ひとつは、彼女のルーツのひとつであるジャズやR&Bの古典。これを気鋭ミュージシャンたちと、あくまでもスタイリッシュに仕上げていきます。なかでもメル・トーメの歌でヒットした「Comin' Home Baby」、レイ・チャールズの「Hallelujah, I Love Him So」(原曲は"Her"ですが、女性シンガーが歌う場合は基本的に"Him"と変化します)におけるブルース調の感覚は爽快でした。そしてもうひとつは、近年のニッキーが特に力を入れているオリジナル・ソングの路線。前もってプログラミングされたサウンドも存分に導入し、エレクトリック・キーボードやエレクトリック・ギター(自らもシンガー・ソングライターとして活動するケイル・ホーキンスが兼任)もフィーチャーしてのパフォーマンスです。クインシー・ジョーンズがプロデュースした『Little Secret』からの曲はもちろん、まだアルバムに入っていない曲、ライヴ初公開の曲なども織り交ぜ、超満員のファンを沸かせました。

そしてさらにもうひとつの聴きどころは、もちろんクリスマス~ニュー・イヤー・ソングの数々。スウィンギーな「Let It Snow」、スロー・テンポで優しくうたいあげる「The Christmas Song」などなど、外の寒さと大雨を忘れさせるほどの暖かみがありました。本日はどんなステージで聴き手をもてなしてくれるのでしょうか。公演は25日まで続きます。

(原田 2019 12.23)

Photo by Takuo Sato

SET LIST

2019 12.22 SUN.
1st & 2nd
1. NESESSARY EVIL
2. WAITING ON THE SUN
3. HIGH NOTE
4. LOVE IS A LOSING GAME
5. PENNIES FROM HEAVEN
6. LONER
7. COMIN' HOME BABY
8. CHELSEA HOTEL NO.2
9. FORGET
10. HALLELUJAH, I LOVE HIM SO
11. THE CHRISTMAS SONG
12. NERVE
13. KNOCK KNOCK
14. WHAT ARE YOU DOING NEW YEAR'S EVE?
15. MISTLETOE
EC. LET IT SNOW

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