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INCOGNITO "40th Anniversary Celebration"

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

結成40周年を迎えたジャズ・ファンク軍団、ブルーイ率いるインコグニートの東京公演が遂に始まりました。名古屋、大阪でのライヴを大盛況のうちに終えて、そのパワーをみなぎらせたまま、ブルーノート東京のステージにやってきたのです。

オープニング・ナンバーは11月に国内発売されたばかりの最新作『Tomorrow's New Dream』から、インストゥルメンタル・ナンバーの「Say What's on Your Mind」。数多くのキラー・チューンを持つインコグニートですが、できたてのナンバーをナマで聴けるのもまた、とても嬉しいものです。リードをとるフランシスコ・サレスのプレイ、そこにコード・カッティングで細かなニュアンスを付け加えるブルーイ。場内はいきなり、ツイン・ギターの快感に包まれました。

続いてインコグニート自慢のヴォーカリストたちが登場します。今年エントリーしたのはヴァネッサ・ヘインズ、ジョイ・ローズ、そして今回が初来日となるチェリー・ヴィー(Cherri V)という名花たち。みんな揃っておしゃれ、大変な実力派です。黄色のスーツをビシッと着こなしたヴァネッサは膨らみのある表現力豊かな歌いっぷりで魅了し、チェリーはよく響く硬質な歌声でスキャットも交えながら熱唱。ジョイは絹のようにスムースなヴォーカルで聴き手の心をつかみます。途中、「Haze of Summer」、新作からの「Still the One」などメロウな楽曲を集めたコーナーもありましたが、ここはAORやシティ・ポップのファンにも必見必聴なのではないかと感じました。

中盤では、スペシャル・ゲストとしてジェイムズ・バークリーが登場。"ヤクル(Yakul)"というグループでも活動するヴォーカリスト/キーボーディストで、前述『Tomorrow's New Dream』にも参加しています。ブルーイは彼の才能に惚れ込んでいて、一刻も早く日本のオーディエンスにライヴを見てほしかったとのことです。彼がリード・ヴォーカルをとったのは「Shine」と「After the Beat is Gone」。後者ではキーボードの椅子から離れ、ステージ前方に出て堂々たるパフォーマンスを繰り広げました。さらにオーラスでは、ヴァネッサ、ジョイ、チェリー、ジェイムズのリード・ヴォーカル(+ブルーイのバック・ヴォーカル)という超豪華な組み合わせも実現。「Always There」、「Don't You Worry 'bout a Thing」を文字通り歌いまくって、初日のファースト・セットは熱狂の中、幕を閉じました。

「ライヴ・パフォーマンスを通じて、みんなを笑顔にしたいんだ」と語るブルーイ。どうしても華やかなヴォーカル陣に関心がいってしまいがちですが、その歌を支える凄腕ミュージシャンにもしっかり見せどころ・聴かせどころがあるのも当公演のいいところです。笑顔になって一緒に歌って踊れる、インコグニートのステージは15日まで続きます。

(原田 2019 12.12)

Photo by Makoto Ebi

SET LIST

2019 12.11 WED.
1st
1. SAY WHAT’S ON YOUR MIND
2. ROOTS
3. ONLY A MATTER OF TIME
4. HAZE OF SUMMER
5. STILL THE ONE
6. I LOVE WHAT YOU DO FOR ME
7. SPEELLBOUND & SPEECHLESS
8. SHINE
9. AFTER THE BEAT HAS GONE
10. COLIBRI
11. THE B&K / SUPERSONIC LORD SUMO
12. ALLWAYS THERE
13. DON’T YOU WARRY ‘BOUT A THING
 
2nd
1. SAY WHAT’S ON YOUR MIND
2. ROOTS
3. ONLY A MATTER OF TIME
4. HAZE OF SUMMER
5. STILL THE ONE
6. I LOVE WHAT YOU DO FOR ME
7. SPEELLBOUND & SPEECHLESS
8. SHINE
9. AFTER THE BEAT HAS GONE
10. COLIBRI
11. THE B&K / SUPERSONIC LORD SUMO
12. 1975
13. ALLWAYS THERE
14. DON’T YOU WARRY ‘BOUT A THING

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