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CHICO & THE GYPSIES @Motion Blue Yokohama

artist CHICO & THE GYPSIES

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


血沸き肉躍るジプシー・フィエスタの季節が今年もやってきました。大人気グループ、チコ&ザ・ジプシーズの来日公演です。あさって12月7日からブルーノート東京でのステージが始まりますが、ぼくは12月4日、モーション・ブルー・ヨコハマで行なわれた公演に足を運びました。同店は、"海を感じるライブホール"をコンセプトとして、去る10月24日にリニューアルオープンしたばかり。バンドスタンドはさらに客席から見やすいものとなり、海を見下ろすことができる窓も大きく増えました。フードもドリンクも新メニュー満載。生まれ変わった店内に、不滅の名曲が鳴り響きました。

ステージはまずキーボード、ヴァイオリン、ベース、ドラムスの演奏で始まりました。やがて本日の主役であるチコを始めとするメンバーがギターを抱えて登場します。チコの第一声は、日本語で"みなさん、こんばんは!"。8人のギタリストが横並びで一斉にプレイする景色は壮観そのもの。全員エレアコ・ギターを弾くのですが、楽器の形状、色、指使い、抱え方、みんな個性的です。近年のツアーに同行しているチコの旧友カヌートとポール(ともに初期ジプシー・キングスをチコと共に彩りました)も、もちろん元気な姿を見せてくれました。

ムニンがワイルドに「Baila Me」を歌い、カヌートは「Nathalie」を客席にいるすべての女性に捧げるように綴ります。フリオ・イグレシアスのヴァージョンはバラードのまま終わりますが、エンディングをアップ・テンポにしてさらなる熱狂を引き出すのは、まさにチコ&ザ・ジプシーズ流です。「Hotel California」はもちろん、カッサカのショーケース。ヴァイオリン奏者のピー・ウィーは歌に絡みつくようにヴァイオリンを奏で上げ、間奏では店内を走り回ってプレイ(あんなに早く動いても、ソロに全く乱れがないのには改めて驚かされます)、エンディングでは思いっきりジャンプしてポーズをキメました。ピー・ウィーはまた、リード・ギタリストのエル・ティティとのデュオで、"ジプシー・スウィング"の伝説的人物であるジャンゴ・ラインハルトの名曲「Nuages」を演奏。そのまま一気呵成に「Libertango」へとなだれ込みます。右手の人差し指と中指を目まぐるしい速さで動かしながら弾くエル・ティティ、往年のロック・シンガーのようにモニター・スピーカーに片足を乗せながらアクションたっぷりにヴァイオリンを奏でるピー・ウィーが華やかなのはもちろんのこと、その背後で堅実なサポートを続けるベースのトニー・バレスター、ドラムスのエリック・ラフォンにもぼくの耳は引き付けられました。

そして後半は「Ban Ben Maria」、「Djobi Djoba」、「Bamboleo」、「Volare」、「My Way」と、大定番が怒涛の如く押し寄せました。客席は当然ながら総立ち。合唱するひと、手拍子するひと、踊り出すひと、それぞれがチコ&ザ・ジプシーズのサウンドを満喫し、メンバーもオーディエンスのヴィヴィッドな反応にこたえるように、時に客席に入り込みながら熱演に次ぐ熱演を繰り広げました。絶好調を維持したまま、このエンタテインメント集団は、今夜ブルックリンパーラー博多へ、そして7日からブルーノート東京に登場します。
(原田 2019 12.5)

Photo by Chika Kijima


●CHICO & THE GYPSIES
2019 12.4 wed. モーション・ブルー・ヨコハマ
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2019 12.5 thu. ブルックリンパーラー博多
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2019 12.7 sat., 12.8 sun., 12.9 mon., 12.10 tue. ブルーノート東京
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