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MAYA HAWKE with JESSE HARRIS

artist JESSE HARRIS , MAYA HAWKE

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

父はイーサン・ホーク、母はユマ・サーマン。ジュリアード音楽院で学び、「ヴォーグ」や「カルバン・クライン」のモデルも経験。今年を代表する映画といっていいクエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの初共演作品としても大きな話題を集めました)にも登場していたマヤ・ホークが、ついに歌手として初めて日本の地を踏みました。しかも共演は今世紀を代表するシンガー・ソングライターのひとり、ジェシー・ハリス。彼は作詞家マヤにとって、ぴったりの相性を持つ作曲家でもあります。

マヤはジャケット、シャツ、パンツ、すべて黒で統一。歩き方、立ち振る舞いも実に精悍です。歌詞の登場人物になりきったかのように、細やかなニュアンスをこめて歌い、その横でジェシーが"これこそ歌伴の極意"と呼びたくなるような繊細なギター・プレイを繰り広げます。一方、リード・ギターのウィル・グレーフェ(2018年のジェシーの単独公演にも同行しました)は、あくまでも華やかに、曲によってはスライド・バーを使ってペダル・スティールのようなトーンも出しながら間奏部分を盛り上げます。この夏にリリースされた、歌手としてのマヤの出世作「STAY OPEN」「TO LOVE A BOY」はもちろん披露されましたし、片手をポケットに入れながらちょっとワイルドに歌う「MENACE」は、まるでミュージカルの一幕のようでした。さらに「学生時代に学んだ曲」として、スタンダード・ナンバーの「WHY TRY TO CHANGE ME NOW」をカントリー風のタッチで。フランク・シナトラが50年代に歌って広まった曲ですが、マヤはフィオナ・アップルやボブ・ディランの解釈が大好きなのだそうです。

中盤ではジェシーのソロの弾き語りコーナーもあり、新作『Songs Never Sung』からのファースト・シングル「DOESN'T MATTER ANYWAY」(盤にはビル・フリゼールも参加しています)、「MISUNDERSTANDING」などを聴かせてくれました。そしてその後、ステージに戻って来たマヤは「ジェシーのすぐ後で弾き語りをするなんて、すごくクレイジーなことだけど・・・」と言いながら、ひとりでバラード「IS IT STILL MY CITY?」を綴りました。生粋のニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちのふたりによる、親密感のあるパフォーマンスは、あたかも夜の東京を午後のグリニッチ・ヴィレッジへと空間移動させていくかのようです。

歌手として本格的なキャリアを踏み出したマヤ、着実な活動を続けて今では"円熟"という言葉も似合うようになったジェシー。ふたりの絶妙な呼吸を、本日もお楽しみください!

(原田 2019 11.21)

Photo by Tsuneo Koga


SET LIST

2019 11.20 WED.
1st
1. COVERAGE
2. BY MYSELF
3. A RIVER LIKE YOU
4. MENACE
5. HOLD THE SUN
6. CATCH ME
7. CRICKET
8. STAY OPEN
9. BRINGING ME DOWN
10. WHY TRY TO CHANGE ME NOW
11. I'VE GOT TO SEE YOU AGAIN
12. DOESN'T MATTER ANYWAY
13. MISUNDERSTANDING
14. IS IT STILL MY CITY?
15. SO LONG
16. ANIMAL ENOUGH
17. TO LOVE A BOY
18. GENEROUS HEART
19. GOODBYE ROCKET SHIP
EC. YOU AND ME
 
2nd
1. COVERAGE
2. BY MYSELF
3. A RIVER LIKE YOU
4. MENACE
5. HOLD THE SUN
6. CATCH ME
7. CRICKET
8. STAY OPEN
9. BRINGING ME DOWN
10. WHY TRY TO CHANGE ME NOW
11. I'VE GOT TO SEE YOU AGAIN
12. DOESN'T MATTER ANYWAY
13. MISUNDERSTANDING
14. IS IT STILL MY CITY?
15. SO LONG
16. ANIMAL ENOUGH
17. TO LOVE A BOY
18. GENEROUS HEART
19. GOODBYE ROCKET SHIP
20. YOU AND ME
EC. OLD OLD WOODSTOCK

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