LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


ORQUESTA DE LA LUZ Gracias Salseros

artist ORQUESTA DE LA LUZ

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


祝、結成35周年! 「サルサに国境はない」を体現するスーパー・バンド、オルケスタ・デ・ラ・ルスのブルーノート東京公演が昨日から始まりました。7月24日には10年ぶりのオリジナル・アルバム『Gracias Salseros』がリリースされたばかり。心配されていた天気も、朝まで降り続いていた大雨が見事にやんで、冴えわたる快晴に。まさしくサルサ日和、デ・ラ・ルス日和の中での初日スタートです。

サルサという音楽の親しみやすさ、楽しさを大衆レベルに広げ、さらに海外にも逆輸入した功績はいくら讃えてもきりがありません。今回、改めて感じ入ったのは、いろんなジャンルのキャッチーな楽曲を、見事"デ・ラ・ルス色"の味付けで届ける卓越した料理人ぶりです。幕末に作られたという「さくらさくら」、テレサ・テンの大ヒット歌謡「つぐない」、カンツォーネの定番「Volare」、さらには伝説的歌手セリア・クルース関連の名曲を集めたコーナーなど、レパートリーの幅広さは尋常ではありません。セリアに関する話題といえば最近、アンジェリーク・キジョーがトリビュート・アルバム『セリア』を出しました。ミシェル・ンデゲオチェロやシャバカ・ハッチングス等を迎えた大変な意欲作でしたが、それと頭の中で照らし合わせながら、デ・ラ・ルスのセリア・トリビュートを堪能したファンも多数、いらっしゃるのではないでしょうか。

唯一のオリジナル・メンバーであるNORAのヴォーカルは力強さと艶やかさを併せ持ち、バラード「La Mentira」におけるロング・ノートは鳥肌モノでした。本公演にちなんだスペシャル・カクテルの名称でもある「Azucar Mambo」では前田大輔と相川等の2トロンボーンが熱い掛け合いを演じ、やがて佐久間勲と五反田靖の2トランペットの激しいチェイスがそれを引き継ぎます(佐久間は昨日まで本田雅人B.B.Stationの一員としてブルーノート東京に出演していました。つまり4日間連続の参加です)。そしてさらに、"Y3"の異名をとるデ・ラ・ルス自慢のパーカッション・セクションである鈴木喜鏤、伊波淑、佐藤由が猛烈なやりとりを展開。NORAとJINの鮮やかなダンスも見ものでした。

「Volare」といえば、ブルーノート東京ではチコ&ジプシーズによる演唱がとくに印象深いところですが、ラテン・ディスコというべきデ・ラ・ルスの解釈も見事。メンバー、観客ともども赤いタオルを振り回し、後半では合唱も飛び出しました。そしてオーラスの「Salsa No Tiene Frontera」(サルサに国境はない)では、NORAが客席に入り込んで歌い、管楽器の4人は思いっきりステージ前面に出て爽快なブロウを繰り広げました。マイクを使わない生音ブラスの力強さ、一体感あふれるリズム・セクション、観客の熱狂的な手拍子が見事に融合して、演奏はさらなるクライマックスに。オルケスタ・デ・ラ・ルス、つくづくすごいライヴ・バンドです。公演は本日も開催!
(原田 2019 7.29)
Photo by Yuka Yamaji

SET LIST

2019 7.28 SUN.
  
1st
1. GRACIAS SALSEROS
2. 風になりたい
3. サルサ講座:翼をください
4. パーカッション体験:TEQUILA
5. さくらさくら
6. ダンス講座:SUPER MARIO BROS.
7. SALSA NO TIENE FRONTERA
EC. VOLARÉ
 
2nd
1. GRACIAS SALSEROS
2. SOY SOPERA
3. さくらさくら
4. LA VIDA ES UN CARNAVAL 〜 USTED ABUSÓ 〜 BEMBA COLORA 〜 QUIMBARA
5. LA MENTIRA
6. つぐない
7. AZÚCAR MAMBO
8. LA COSA BUENA
9. VOLARÉ
EC SALSA NO TIENE FRONTERA

INDEX