2019 6.19 wed., 6.20 thu.
SARAH McKENZIE
artist SARAH McKENZIE
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
これほどハイレベルな女性ピアノ弾き語りミュージシャンの登場は、ダイアナ・クラール以来かもしれません。ますます人気の高まるサラ・マッケンジーが、3年ぶりの新作『シークレッツ・オブ・マイ・ハート』を携えて会心のステージを展開しています。
オーストラリア・メルボルンに生まれ、アメリカ滞在を経て現在はフランス・パリを拠点に活動している彼女。ギターのヒューゴ・リッピ(イングランド出身)、ベースのピエール・ブサゲ(フランス出身)、ドラムスのドナルド・エドワーズ(アメリカ出身)と、新作とまったく同じ国際色豊かなメンバーを引き連れての公演であるのも嬉しいところです。当然ながら4者の一体感は並はずれており、しかも、アルバムよりもたっぷりと各奏者のソロがフィーチャーされたアレンジで名曲の数々が届けられます。これこそライヴの醍醐味といっていいでしょう。
エラ・フィッツジェラルド、ダイアナ・クラール、意外なところではボブ・ディランも歌っている「Day In Day Out」で華やかに幕開けし、「I'm Old Fashioned」の間奏では敬愛するピアノ奏者ジーン・ハリスを彷彿とさせるブロック・コードを披露。アントニオ・カルロス・ジョビン作「Triste」ではスキャット+ピアノ+ギターのユニゾン・アンサンブルが瀟洒な雰囲気を醸し出し、先日物故したフランスの大音楽家ミシェル・ルグランの思い出をMCで語った後は、彼が作曲した代表的バラード「You Must Believe in Spring」をソロの弾き語りで限りなく抒情的に聴かせてくれました。弾き語りの大先輩であるシャーリー・ホーンに表敬した「Come on Home」での、まさしく"サラ・マッケンジー流ブルース"というべき演唱も、見事の一言に尽きます。
古典的なアメリカン・スタンダード・ナンバーあり、書き下ろしのオリジナル曲あり、スロー・ブルースあり、ボサ・ノヴァやラテン・テイストありという多彩な選曲はステイシー・ケントやホリー・コールのそれにも通じるものがあり、彼女たちのファンにもぜひチェックしてもらえたらと感じました。公演は本日も開催されます。
(原田 2019 6.20)
Photo by Takuo Sato
2019 6.19 WED.
| 1st | |
|---|---|
| 1. | DAY IN DAY OUT |
| 2. | I’M OLD FASHIONED |
| 3. | WE COULD BE LOVERS |
| 4. | PARIS IN THE RAIN |
| 5. | YOU AND THE MUSIC |
| 6. | I FELL IN LOVE WITH YOU |
| 7. | COME ON HOME |
| 8. | YOU MUST BELIEVE IN SPRING |
| 9. | TRISTE |
| 10. | DE NADA |
| 11. | A BEAUTIFUL FRIENDSHIP |
| 12. | ON JEALOUS MOON |
| 2nd | |
| 1. | THE WAY YOU LOOK TONIGHT |
| 2. | LITTLE GIRL BLUE |
| 3. | THAT’S IT, I QUIT |
| 4. | PARIS IN THE RAIN |
| 5. | I FELL IN LOVE WITH YOU |
| 6. | EMBRACEABLE YOU |
| 7. | COME ON HOME |
| 8. | DE NADA |
| 9. | GERSHWIN MEDLEY |
| 10. | ON JEALOUS MOON |
| EN. | I GOT THE BLUES TONIGHT |







