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ROY AYERS UBIQUITY

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


"大好きな場所に、3年ぶりに戻って来たぜ。でも3年は長すぎるな、これからは毎年ここで演奏したいね"。

不滅のグルーヴ・マスター、ロイ・エアーズの公演が昨日から始まりました。1960年代初頭にヴィブラフォン奏者としてデビューし、フルート奏者ハービー・マンのバンドを経て'71年に自身のバンド"ユビキティ"を結成。数えきれないほどの名曲がサンプリングされ、ビラル、エリカ・バドゥ等とのコラボも記憶に新しいところです。

ハリー・ウィテカー、リッキー・ローソン、フィリップ・ウー、ザッカリー・ブルーなどいろんな逸材を輩出してきたユビキティですが、現サポート・メンバーはマーク・アダムス(フェンダー・ローズ、シンセサイザー)、トレヴァー・アレン(エレクトリック・ベース)、クリストファー・デ・カーマイン(ドラムス)。'90年代にはギターやサックスが加わっていたこともありますが、それらを除いたことで、ロイのマレット・シンセサイザーと、マークの操る鍵盤類との音の重なりが、より鮮明に耳に飛び込んできます。

まずマーク、トレヴァー、クリストファーが熱演した後、いよいよ"キング・オブ・ヴァイブス"ロイの登場。グレイテスト・ヒッツ的な内容になると事前に告知されていた通り、「Searchin'」「Red Black & Green」「Everybody Loves The Sunshine」等を次々とプレイして会場を沸かせます。もちろんリード・ヴォーカルもとります。マークは時おり左手でショルダー・シンセ、右手でフェンダー・ローズをプレイ。随所でロング・ソロをとっていた彼は、この公演で一気に知名度が高まるのではないでしょうか。2015年のスムース・ジャズ調リーダー・アルバム『Asceticism: A Portrait of Jazz』では、アコースティック・ピアノによるプレイも満喫できますので、こちらもチェックしていただけたらと思います。公演は9日まで行なわれます。ロイたち4人のファンキー・ガイによるステージはさらにさらに熱を帯びていくことでしょう。

ところで「コットンクラブ」ではベース奏者のミロスラフ・ヴィトウスが本日まで公演中です。「ファンクでポップなロイと、先鋭的でありながらクラシカルなところもあるミロスラフのどこに共通点があるんだ?」と思うファンもいらっしゃることでしょうが、このふたりは'60年代後半から'70年代前半にかけて、フルート奏者ハービー・マンのバンドで一緒に演奏していました(モダン・ジャズや、ボサ・ノヴァにも取り組んでいたのです)。当時のメンバー、つまりハービー、スティーヴ・マーカス、ソニー・シャーロック、ブルーノ・カーはもう亡くなってしまいましたが、それでもロイとミロスラフが健在で、今、別々の会場とはいえ東京公演を行なっているのは感無量です。
(原田 2019 3.8)


Photo by Great The Kabukicho


●ROY AYERS UBIQUITY
2019 3.7 thu., 3.8 fri., 3.9 sat. ブルーノート東京
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●MIROSLAV VITOUŠ TRIO
2019 3.7 thu., 3.8 fri. コットンクラブ
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SET LIST

2019 3.7 THU.
1st
1. YES
2. SEARCHIN’
3. RED BLACK & GREEN
4. EVERYBODY LOVES THE SUNSHINE
5. I WANNA TOUCH YOU BABY
6. DON’T STOP THE FEELING
 
2nd
1. YES
2. RUNNING AWAY
3. EVOLUTION
4. SEARCHIN’
5. EVERYBODY LOVES THE SUNSHINE
6. LOVE WILL BRING US BACK TOGETHER
7. DON’T STOP THE FEELING

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