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CHICO & THE GYPSIES @COTTON CLUB

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REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

この9月に行なわれ、ソールド・アウトが続出したジ・オリジナル・ジプシーズ"リユニオン"公演。その熱狂が再び味わえるときがやってきました。チコ&ザ・ジプシーズ、恒例の来日公演です。今回はなんと、初期ジプシー・キングスをチコと共に彩ったカヌート・レイエス、ポール・レイエスも特別参加。9月のライヴを見逃した方には特におすすめしたい黄金のラインナップです。本日から9日まで3日連続でブルーノート東京公演が行なわれますが、ぼくはそれに先駆けて12月6日にコットンクラブで行なわれたステージに足を運びました。

オープニングは、フレッド・ブレトンのキーボードがフュージョン風のさわやかな響きを奏でるインストゥルメンタル・ナンバー「Alegria」。総勢7名からなるギター・アンサンブルが厚みのあるサウンドで観客の心をつかみ、ムニンはモニター・スピーカーに足を乗せながらアクションいっぱいに楽器をかき鳴らします。カッサカが深みのある声で歌いあげるのは「Hotel California」、そしてカヌートは「Nathalie」の絶唱でベテランの貫録を示します。ポールもステージの左右を動き回って「La Quiero」を歌い込み、チコは愛用のギターから心地よいリズムを送り込みます。

今回の公演では、とくに巨匠と気鋭の絶妙なコンビネーションに耳を奪われました。若きソリストやシンガーを"マエストロ、○○"と紹介するチコ。メンバーたちも嬉しそうです。陽気なヴァイオリン奏者、ピー・ウィーは客席後方から「Libertango」を弾きながら登場し、やがて床に膝をついてえびぞるようなポーズで超絶的なプレイを展開。あのケマの後任という、並大抵では務まらないポジションに就いた新リード・ギタリストのエル・ティティは柔和な笑顔、ジャズへの愛をうかがわせる音使い、ショウ・アップされたソロ(ギターのネックを上から掴みながらのプレイは、視覚的にも大きなインパクトがありました)で、ケマの"鬼気迫る孤高の天才"的境地とは好対照のムードをまき散らします。

本日から始まるブルーノート東京公演でも、彼らは尽きることのない名曲の束と類まれなエンターテインメント性で、会場中をジプシー・フィエスタの熱狂に染め上げてくれることでしょう。

(原田 2018 12.7)

Photo by Yuka Yamaji

●CHICO & THE GYPSIES
2018 12.7 fri., 12.8 sat., 12.9 sun. ブルーノート東京
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SET LIST

2018 12.6 THU.
1st
1. ALEGRA
2. BAILA ME
3. LA DONA
4. PHARAON
5. HOTEL CALIFORNIA
6. NATHALIE
7. LA QUIIERO
8. CORAZON
9. TODOS OLE
10. LIBERTANGO
11. RIO ANCHO
12. BEN BEN MARIA
13. DESPACITO
14. DJOBI DJOBA
15. BAMBOLEO
EC1. VOLARE
EC2. DANZA KUDURO
EC3. MY WAY

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