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TOWER OF POWER "50th Anniversary Celebration"

artist TOWER OF POWER

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


開店30周年のブルーノート東京に、結成50周年のファンキー・バンドが戻ってきてくれました。2つのアニバーサリーが一緒になって、初日の1曲目から超盛り上がり中。最新作『Soul Side of Town』も大好評、タワー・オブ・パワー(TOP)の面々です。

ヴォーカルは引き続きメンフィス出身の気鋭、マーカス・スコットが担当。ステージの左右を動き回って観客すべてに目線を送り、ときにセクシーなダンスも披露して場内を沸かせます。テナー・サックスのエミリオ・カスティーヨ、バリトン・サックスのスティーブン・ドク・クプカ、ドラムスのデヴィッド・ガリバルディなど重鎮も無論健在です。ベース奏者は今回がTOPとしては初来日となるマーク・ヴァン・ワゲニンゲンですが、過去15年間にわたって巨匠ロッコ・プレスティアのサブスティテュートを務めてきたというだけあって、ごきげんにファンキーなプレイを聴かせてくれました。ぼくは10数年前に彼のベースをマーク・レヴィン(サンフランシスコを拠点とするラテン・ジャズ・ピアノの大御所)のCDで聴き、すっかり魅せられてしまったのですが、TOPで演奏している時も音の粒立ち、ドラムスとの呼吸の合わせ方、どちらも絶品です。

そしてステージ前方、向かって左側では、5人の管楽器奏者が横並びになって野太い音を炸裂させます。オープニングは2016年の公演でも大好評だった「We Came to Play」。プレイするためにここに来たんだという、TOPのライヴ・バンド宣言的なナンバーです。「Havin' Fun」ではマーカスと共にエミリオが男臭いヴォーカルを聴かせ、最新作からは「Stop」と「On the Soul Side of Town」を勢いよく届けてくれました。「Stop」では客席と"Stop It"というフレーズを合唱してこれでもかと盛り上がり(トム・ポリッツァーのテナー・サックスも大きくフィーチャーされました)、"君たちみんなを街のソウル・サイドに連れていこう"というMCから始まった「~Soul Side~」ではロジャー・スミスのオルガンが絶妙なオブリガート(合いの手)でリズムとメロディの間をつなぎます。

1995年のアルバム『Souled Out』に入っていた人気曲「Diggin' on James Brown」で踊らせた後は、その勢いのままジェームズ・ブラウン関連曲のメドレーに突入します。「It's a New Day」「Mother Popcorn」「There It Is」「I Got the Feelin'」が次々と登場し、締めくくりは再び「Diggin' on James Brown」へ。大定番「What is Hip?」にも、途中からブラウンの「Soul Power」のメロディが挿入されました。そしてオーラスは、デビュー・アルバム『East Bay Grease』の1曲目「Knock Yourself Out」(かつての邦題は「ファンクでノック・アウト」)。結成から半世紀を迎えて初心に帰るということでしょうか、実に嬉しい選曲です。ホーン・セクションのダンス・パートも含め、見どころ、聴きどころ、踊りどころ満載。すさまじい拍手と声援の中、宇宙一のファンク・バンドは初日のファースト・ステージを終えました。

公演は9月3日まで続きます(8月31日はJ・ラモッタ・すずめ公演)。"スティル・ヤング・マン"たちの50周年公演、ぜひご覧ください!
(原田 2018 8.30)
Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2018 8.29 wed.
1st
1. WE CAME TO PLAY
2. SOUL WITH A CAPITAL 'S'
3. YOU OUGHT TO BE HAVIN' FUN
4. GET YO' FEET BACK ON THE GROUND
5. STOP IT
6. YOU'RE STILL A YOUNG MAN
7. SOUL SIDE OF TOWN
8. JB MEDLEY
9. SO VERY HARD TO GO
9. WHAT IS HIP? (SHORT VERSION)
EC. KNOCK YOURSELF OUT
 
2nd
1. STROKE '75
2. AIN'T NOTHIN' STOPPIN' US NOW
3. YOU OUGHT TO BE HAVIN' FUN
4. ONLY SO MUCH OIL IN THE GROUND
5. DO YOU LIKE THAT?
6. DROP IT IN THE SLOT
7. SPARKLING IN THE SAND
8. SQUIB CAKE
9. THIS TIME IT'S REAL
10. SO VERY HARD TO GO
11. WHAT IS HIP?
EC. SOULED OUT

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