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The EXP Series #21 / GHOST-NOTE

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REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


6月22日にセカンド・アルバム『スワッギズム』(iTunes USA Store Jazz Albumチャート1位を獲得)が国内リリースされたばかり。スナーキー・パピーでも抜群のコンビネーションを発揮するロバート"スパット"シーライト(ドラムス)とネイト・ワースを中心とするグルーヴ集団、ゴースト・ノートが絶好のタイミングで初来日を果たしました。前日にはDOMMUNEで記念番組「BLUE NOTE TOKYO Presents SWAGISM(スワッギズム)~新時代ブラック・ジャズを体現する究極のグルーヴ~」が配信されており(進行は原雅明氏と柳樂光隆氏)、それを視聴して会場に足を運んだ方も多いのではと思われます。

他のバンド・メンバーはRC&ザ・グリッツでブルーノート東京に出演経験があるジョナサン・モーンズ(アルト・サックス、フルート)、プリンスが愛した才人モノネオン(ベース。ブルーノート東京にはハーヴィー・メイソンのバンドで登場)とゼヴィア・タプリン(キーボード)、マイアミ・ジャズ界の秘宝との声もあるヴォーン"V-キーズ"ヘンリー(キーボード)、"シークレット・ソース"というバンドも率いるピーター・クヌーセン(ギター。同姓同名のピアニストとは別人)。まさにヤング・ライオンズ、オールスター・チームです。ライヴの終盤でネイトがしみじみと「このメンバーが揃って、来日することができて本当によかった。ワールド・クラスのミュージシャンばかりを集めたんだ」と語っていましたが、まさしく最初から最後までグルーヴの奔流。テンポを抑えめにした「Fragile」のような曲でも、聴く者の腰を直撃するような"うねり"が止むことはありません。

レパートリーはファースト・アルバム『フォーティファイド』からのもの、および最新作からのものが半々。ロバートは図太い音でドラムスを叩きまくり、MCでは息切れひとつせずにユーモアを交えながら観客を乗せていきます。ケンドリック・ラマ―の名盤『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』やカマシ・ワシントンの最新作『ヘヴン&アース』にも起用された"現代屈指のドラム・マスター"の超強力なビートと、ボンゴ~コンガ~ウィンドチャイムズ~カウベル~ティンバレス~タンバリンを総動員したネイトのカラフルなリズムが二人三脚のようにガッチリかみ合ってリズムを前へ前へと推し進めます。ジョナサンのサックスは時にエフェクトをかけながら唸り、モノネオンのあまりにも独創的な指弾き(個人的には、いわゆるギタリストのフィンガー・ピッキングを思い出しました)が低音部に厚みを加え、ゼヴィアはベンド奏法を混ぜながら熱演、そこにヴォーンの鍵盤ストリングスがセクシーに重なります。ピーターはステージ前半、かなり控えめなポジションでしたが、後半の「Swagism」と「Pace Maker」では大フィーチャー。「Pace Maker」に挿入されたモノネオンとのデュオ・パートもたまらなくスリリングでした。

ツイン・キーボードの絡ませ方、弦ベースと鍵盤ベースの重なり、そしてもちろんドラムスとパーカッションの心憎いまでの連携など、バンド活動をしているひとにも彼らの"ノリの創り方"は大いに参考になるに違いありません。そして、スナーキー・パピーのファンは無論、ファンキー・ナックルズ、RHファクター、シェウン・クティ(今月末からブルーノート東京公演開催)、『洪水』期のハービー・ハンコックのファンにもぜひ足を運んでいただきたいステージです。公演は本日まで行われます。選ばれし7人の気鋭グルーヴ・マスターたちに、万雷の拍手を!
(原田 2018 7.19)


Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2018 7.18 WED.
1st
1. JA-MAKE-YA DANCE
2. JOSHUA JOHNSON
3. MILKSHAKE
4. FRAGILE
5. WEEDIE B. GOOD
6. BAWLLZ
7. SWAGISM
8. PACE MAKER
EC. SHRILL TONES
 
2nd
1. SWAGISM
2. FUNK YOU MUTHAFUNKA
3. JA-MAKE-YA DANCE
4. TWICE
5. MILKSHAKE
6. PACE MAKER
7. FRAGILE
8. WEEDIE B. GOOD
9. CAN’T GET RIGHT
EC. SHRILL TONES

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