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NICOLA CONTE & SPIRITUAL GALAXY featuring BRIDGETTE AMOFAH, THEO CROKER, MAGNUS LINDGREN, PIETRO LUSSU, MARCO BARDOSCIA, TEPPO MAKYNEN & ABDISSA ASSEFA DJ : TATSUO SUNAGA

artist NICOLA CONTE , THEO CROKER

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


'60~'70年代のモード・ジャズ、アフロ系ジャズへの愛情はさらに高まるばかりのようです。イタリア生まれの人気プロデューサー&ギタリスト、ニコラ・コンテがその名も"スピリチュアル・ギャラクシー"というユニットを率いて来日中です。

レパートリーは5月に国内リリースされたばかりの最新作『レット・ユア・ライト・シャイン・オン』からのものが中心。メンバーはスウェーデン出身のマグヌス・リンドグレン(テナー・サックス、フルート、縦笛)、イタリア出身のピエトロ・ルッス(ピアノ、オルガン、フェンダー・ローズ)、フィンランド出身のテッポ・マキネン(ドラムス)という常連に加え、フィンランド在住のエチオピア人であるアブディッサ・アッセファ(パーカッション)、イタリア人のマルコ・バルドスチア(ベース)、米国フロリダ州出身ですが7年間にわたって上海で活動していたセオ・クローカー(トランペット)と、相変わらず国際色豊かです。ニコラの視点は常に"世界"に向かっているのでしょう。このメンバーで最初に演奏されたのは「Afro Black」。いきなりセオのブロウがうなりをあげます。ちなみに彼の祖父は伝説的トランペット奏者、ドク・チータム('97年に91歳で逝去)。キング・オリヴァー(ルイ・アームストロングの師匠)と交流を持ち、マ・レイニー(通称"ブルースの母")のバンドで演奏し、キャブ・キャロウェイやマチートのビッグ・バンドでも活動した、20世紀アメリカ黒人大衆音楽の生き字引のような存在でした。セオの深く豊かな音色は、確実にこの公演の大きな魅力につながっていました。

2曲目「Ogun」からは、ロンドン在住のガーナ人シンガーであるブリジット・アモファーが加わります。彼女がニコラと共にブルーノート東京に登場するのは7年ぶり。英語の歌詞に加え、いわゆるワードレス・ヴォーカルもたっぷり聴かせてくれました。「Universal Rhythm」はエチオピアの鍵盤奏者、ハイメ・メルジアの作風を彷彿とさせるトラック。ピエトロのオルガン、叫び声を混ぜたマグヌスのフルートに大きなスポットが当たります。そして「Me Do Wo」の冒頭ではアブディッサがコンガでスケール感豊かなソロを演じ(精悍なルックスと逞しい音色は、どこか若き日の"千の指を持つ男"カンディードを彷彿とさせます)、その後アフロ・ビート的な展開に。ラスト・ナンバーではテオがトロンボーンのような低音をトランペットから放ち、ニコラもワウを駆使しながら奔放なギター・ソロを聴かせてくれました。

ニコラと友人たちのステージは、今回も最後の一瞬まで聴き逃せません。公演は27日まで続きます。
(原田 2018 6.25)

Photo by Makoto Ebi

SET LIST

2018 6.25 MON.
1st & 2nd
1. AFRO BLACK
2. OGUN
3. UHURU NA UMOJA
4. UNIVERSAL RHYTHM
5. ME DO WO
6. SPACE DIMENSIONS
7. LOVE FROM THE SUN
8. BLACK SPIRITS
EC. NETSANET

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