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fox capture plan "Greatest Blue Tour 2018 Final"

artist fox capture plan

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

JAZZ JAPAN AWARD やCDショップ大賞を受賞、東京JAZZやFUJI ROCK FESTIVALやSUMMER SONIC等の大型フェスにも登場する3人組"fox capture plan"が待望のブルーノート単独公演を開催しました。グループ結成は2011年、そのときからブルーノート東京公演はひとつの目標であったということです。初登場は2014年5月に行なわれたオムニバス形式のライヴ「ブルーノートレコード75周年記念. BLUE NOTE plays BLUE NOTE」にて。それから4年、今度はワンマンの2デイズが行なわれました(東名阪ツアー「GREATEST BLUE TOUR 2018」の締めくくり)。「ULTIMATE PIANO TRIO」と題された6月5日の初日は3人のみ、「SUPREME ENSEMBLE with STRING QUARTET」と題された6月6日のステージは弦楽四重奏を加えた内容でした。ここでは5日の模様を取りあげたいと思います。

デビュー以来オリジナル・フル・アルバム6点を発表し(ほかにもミニ・アルバム、カヴァー・アルバム、サウンドトラック等あり)、テレビ・ドラマやゲームの音楽も担当してきた彼ら。数えきれないほどの人気曲を誇るだけに、それをそれぞれ約80分の中に構成するのは並大抵のことではなかったに違いありません。しかしそのプログラム構成は実にバランスのとれたものでした。まだディスクになっていない初公開曲あり、ニュー・アルバムからのレパートリーあり、久々にライヴで演奏する旧作あり、カヴァー曲あり、長澤まさみ主演で放送中のテレビ・ドラマ『コンフィデンスマンJP』楽曲のトリオ・ヴァージョンありと、彼らの今日に至る歩みを凝縮していたといっても過言ではないでしょう。Ryo Kishimotoがかき鳴らす切れ味鋭く、ときに加工されたピアノの音色は、見たことのない景色にものすごい勢いで連れて行ってくれるようであり、弓弾きも効果的に用いたHidehiro Kawaiのベース・プレイは生き物のようにうごめきます。そしてTsukasa Inoueのドラムスはハイハット+複数のスネア+バスドラのコンビネーションが絶品。アップ・テンポの曲におけるスティックさばきは、あまりにも速すぎてぼくの肉眼では捉えられないほどでした。しかも音色の粒が、ものすごく美しく揃っているのだから驚異的です。

曲間で時おり挿入されるKishimotoとKawaiの合同MCは、まるで漫才のようなグルーヴ感。「初めてブルーノートを訪れた方は?」、「初めてfox capture planの演奏を聴いた方は?」など様々な質問をオーディエンスに問いかけながら、場を和ませていきます(どちらも多数の挙手がありました)。「ULTIMATE PIANO TRIO」というライヴ・タイトルに関しては"自分たちが究極という意味ではなくて、ピアノ+ベース+ドラムスというフォーマットが究極の形だと思うから"と語っていましたが、ステージを浴びた後に強く感じたのは自分たちの音楽に対する3人の信念です。場内はもちろんフルハウス状態であり、fox capture planのブルーノート公演は今後、コンスタントなものになるような予感がします。
(原田 2018 6.6)

Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2018 6.5 TUE.
1st
1. 衝動の粒子
2. GREATEST BLUE
3. OVERDRIVE
4. PLASTIC JAM
5. BEYOND THE BEYOND
6. FIRST IMPRESSION
7. WE ARE CONFIDENCE MAN
8. TIME TO THINK
9. CAPTURE THE INITIAL "F"
10. SUPERSONIC
EC. VIVA LA VIDA
 
2nd
1. 衝動の粒子
2. GREATEST BLUE
3. OVERDRIVE
4. YELLOW COUNTER
5. BEYOND THE BEYOND
6. FIRST IMPRESSION
7. WE ARE CONFIDENCE MAN
8. THIS WALL
9. CAPTURE THE INITIAL "F"
10. JSUPERSONIC
EC. エイジアン・ダンサー

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