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ANNA MARIA JOPEK & KROKE

artist ANNA MARIA JOPEK

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

パット・メセニー、小曽根真、ゴンサロ・ルバルカバらとアルバムを制作。全地球的な活動を続けるポーランドの歌姫、アンナ・マリア・ヨペックが約1年半ぶりに戻ってきてくれました。

毎回、趣向に富んだステージを届けてくれるヨペックですが、今回は1992年に結成された "クローケ"との共演です。'97年にはピーター・ゲイブリエルの誘いで英国のワールド・ミュージック・フェス「WOMAD」に初登場、2006年にはデヴィッド・リンチ監督映画『インランド・エンパイア』に楽曲が使われたインストゥルメンタル・ユニットです。2009年のアルバム『Out of Sight』はポーランドでゴールド・ディスクを獲得しています。超絶的なヴィオラやアコーディオンを生かした音作りは、まさしくワン&オンリーといえましょう。

ステージは、クローケ単独のナンバーから始まりました。深く残響をかけたサウンド、静けさと力強さを併せ持つプレイ。トマシュ・ククルバは縦笛を朗々と吹いたあと、指弾きと弓弾きの双方でヴィオラを奏でます。目を閉じて聴いていると、深い森の中にたたずんでいるような気持ちになりました。2曲目の「Wszystkie Cnoty」からヨペックが合流し(彼女の2003年発表アルバム『Farat』に収められている曲です)、絹のように滑らかな声で歌詞を歌い綴ります。前半、トマシュはつぶやくような低音ヴォイスでヨペックの歌声に絡み、後半ではヨペックと共に美しいハモリを繰り広げました。

MC部分でも音楽が止むことはなく、ヨペックは事前に用意した日本語メッセージを、歌うように読み上げます。「ポーランドの伝統音楽と、クレズマー音楽と、オリジナル曲を紹介します」。観客が熱狂的な拍手を送ったことはいうまでもありません。ヨペックのアルバム『Ale Jestem』ではヴォイスの多重録音で綴られていた「Trudno U-Cha-Cha」を生き生きしたバンド・サウンドでリメイクし、「UCISZ SIĘ」では再びヨペックとトマシュが味わい深いツイン・ヴォーカルを聴かせました。さまざまなパーカッションを余韻たっぷりに鳴らすパヴェウ・ドブロヴォルスキ、ボタン式アコーディオンによるロング・トーンがこよなく美しいイェジ・バヴォウ、アコースティック・ベースとエレクトリック・ベースを持ち替えながら存在感を放ったロベルト・クビシンの名手ぶりも大きな見どころ、聴きどころのひとつといえましょう。

「彼らと一緒に日本に来れたのは、アンビリーバブル・プレジャー(信じられないほどの喜び)です」と満面の笑顔で語ったヨペック。彼女とクローケによる至高のコンビネーションは本日もブルーノート東京で開催されます。

(原田 2018 3.20)

Photo by Yuka Yamaji

SET LIST

2018 3.19 FRI.
1st&2nd
1. LIGHT IN THE DARKNESS
2. WSZYSTKIE CNOTY
3. HEJ PRZELECIAL PTASZEK
4. TRUDNO U CHA CHA
5. USUAL HAPPINESS
6. MOONDOWNER
7. UCISZ SIE
8. WAZKA
9. PSALMIA
10. RIVER OF SHADOWS
EC. SZEOTY i TZY

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