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GO GO PENGUIN

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

2月12日にインターネット放送局<DOMMUNE>で流れたスペシャル番組「BLUE NOTE TOKYO Presents GOGO PENGUIN SUPER SPECIAL!!~A Humdrum Star~」は名企画でした。とてつもなく鋭い感性の持ち主である原雅明さんと柳樂光隆さんの両名をガイド役に、ゴーゴー・ペンギンはもちろん、シャバカ・ハッチングス、ユセフ・カマール、ゲット・ザ・ブレッシング、ヤズ・アハメドなどにも言及しつつ、現在のUKのジャズ関連の音楽シーンがいかに時めいているかを見事に示してくれました。これを観て、ますますゴーゴー・ペンギンの来日が楽しみになったファンはぼくだけではないと思います。

そして昨日から、彼らの日本公演が始まりました。2016年4月にブルーノート東京出演のため初来日、その後は野外フェスやコンサート・ホールでオーディエンスを沸かせてきた人気ユニットが1年10か月ぶりにブルーノート東京に戻ってきたのです。メンバーはMCも兼ねるニック・ブラッカ(ベース)、クリス・アイリングワース(ピアノ)、ロブ・ターナー(ドラムス)、そして4番目のメンバーというべきサウンド・エンジニアのジョセフ・ライザー。彼の"音色加工技"は間違いなくゴーゴー・ペンギンの大きな魅力のひとつです。

ニックはウッド・ベースの駒のところにマイクを仕込みながら、エフェクターも用いて演奏します。アコースティックならではの木の質感を感じさせるパートもあれば、エレクトリックかつスペイシーな音でうごめくような低音も響かせます。クリスのピアノ・プレイも千変万化という言葉がふさわしく、ときに超音波のように響かせたり、ディストーション・ギターのように響かせたり、"なんでそんな音が出てくるの"と不思議になる瞬間が山盛りです。そしてオスティナート(一定のパターンを何度も繰り返す技法)的なフレーズを演奏するときの粒立ちの良いタッチには、聴きほれるしかありません。ロブはスティックとマレットを持ち替え、シンバルの側面をスティックでこすったり(ぼくはこの技を十数年前、ブラッド・メルドー・トリオのホルヘ・ロッシーの演奏で知りました)、こもり気味のスネア・ドラムの音色などでアンサンブルに厚みを加えます。

ぼくが最初にゴーゴー・ペンギンの楽曲を聴いたときにまず驚いたのは、エンディング部分があまりにもそっけなかったところです。ふつう、エンディングというものはガンガン盛り上げに盛り上げてドラマティックにいくか、もしくは"これでもか"というぐらい音をビシッと揃えて強烈な印象を与えるものです。しかし彼らのエンディングはアンチ・クライマックスといえばいいのでしょうか、いつの間にか音が消えて、途切れてゆく感じがします。なのですが、だんだん慣れてくると、この終わらせ方が気持ちいいのです。"次はどんな風に、さりげなく終わってくれるのかな"と楽しみが増すのです。演目は2月9日に国内発売されたばかりのニュー・アルバム『ア・ハムドラム・スター』からのものが中心。個人的なフェイヴァリット・ナンバーである「Reactor」を浴びることができたのも、喜びを倍加させました。

いつまでも浸っていたいと思いましたし、あまりのリズムの気持ち良さに体が揺れるのを抑えきれませんでした(素晴らしいダンス・ミュージックだと思います)。公演は明日まで続きますが、今回の来日公演でゴーゴー・ペンギンは新伝説を作る予感がします。2018年、真っ先に聴かれるべき音がここにはあります。

(原田 2018 2.20)

Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2018 2.19 MON.
1st
1. GBFISYSIH
2. RAVEN
3. BARDO
4. A HUNDRED MOONS
5. OCEAN IN A DROP
6. STRID
7. REACTOR
8. RETURN TO TEXT
9. TRANSIENT STATE
10. PROTEST
EC1. WINDOW
EC2. HOPOPONO
 
2nd
1. GBFISYSIH
2. RAVEN
3. BARDO
4. A HUNDRED MOONS
5. STRID
6. REACTOR
7. RETURN TO TEXT
8. ONE PERCENT
9. TRANSIENT STATE
10. PROTEST
EC1. WINDOW
EC2. HOPOPONO

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