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DAVID SANBORN & BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO

artist DAVID SANBORN , ERIC MIYASHIRO

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


一夜限りのスーパープレミアム級ライヴがついに実現!
超満員の観客の誰もが特別な喜びを味わったことでしょう。アルト・サックスのカリスマ、デヴィッド・サンボーンと日本屈指の凄腕集団、BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIROとの共演です。

オープニング曲「Trains」がエンディングにさしかかろうとするころ、サンボーンは既に楽屋を出て楽器片手にスタンバイしています。音楽監督を務めるトランペット奏者エリック・ミヤシロのMCを受けてステージに登場すると、すさまじい声援と拍手の嵐です。オーケストラがスティーヴィー・ワンダーの名曲「Another Star」のイントロを奏でます。さあ、"スター・タイム"の始まりです。

この曲でパワフルなアルト・サックスの音色と、輝かしいビッグ・バンド・サウンドの相性の良さをたっぷり示した後は、次から次へと十八番が登場します。「Maputo」、「Camel Island」、「Run for Cover」、「The Dream」、さらに目下の新作『Time and the River』から「Ordinary People」、「Spanish Joint」なども届けてくれました。エリックとの事前の打ち合わせで「自分の曲は果たしてビッグ・バンドにどこまで向いているだろうか」と考えていたというサンボーンですが、結果は大成功といっていいでしょう。4本のフルートを使ったアンサンブルとミュート・トランペットやフリューゲルホーンが絡み、そこに"サンボーン節"が入り込んでくるあたりのスリルは、いままでのどのサンボーン関連のCDでも体験できなかった世界と呼べるのではないでしょうか。

この夜、大きくフィーチャーされていたのはもちろんサンボーンですが、決して御大のワンマン・ショウというわけではなく、青柳誠(キーボード)、岡部洋一(パーカッション、サンボーン・バンドでブルーノート東京に登場した経験あり)、川口千里(ドラムス)、中川英二郎(トロンボーン)、村田陽一(トロンボーン、彼のバンド"ソリッド・ブラス"のアルバムにサンボーンが客演したこともあります)、小池修(テナー・サックス)そしてエリックらが充実のソロを聴かせてくれました。そしてスリリングな瞬間もいっぱいでした。たとえば「Run for Cover」ではサンボーンと鈴木明男が熱の入ったアルト・サックスの掛け合いを繰り広げたのですが、そのうちサンボーンがトランペットのマイケル・ブックマン・ジュニアにもそこに参加するよう指示、やがて3本の管楽器が入り乱れる猛烈なチェイスへと突入しました。そのアドリブ・パートが果てしなく高まった後、「ここしかない」というタイミングで、オーケストラの全メンバーがテーマ・メロディに戻ります。ぼくはサンボーンや作曲者マーカス・ミラーのライヴで、この古典を何十回も目の前で聴いてきましたが、この日の「Run for Cover」は新鮮そのものでした。

それにしてもサンボーンとオーケストラの共演がこの一日だけとは本当にもったいない!近いうちの再演を心から望みます。そして本日からは、サンボーンのニュー・グループによる公演がスタートします。ギターなし、トロンボーン入りの5人編成は、サンボーン・バンド史上初だと思います。新しい音との出会いを楽しみにしながら、ぜひお越しください。
(原田 2017 12.6)


Photo by Yuka Yamaji


●DAVID SANBORN NEW QUINTET
featuring WYCLIFFE GORDON, BEN WILLIAMS, ANDY EZRIN & BILLY KILSON
2017 12.6 wed., 12.7 thu., 12.8 fri., 12.9 sat. ブルーノート東京
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SET LIST

2017 12.5 TUE.
1st & 2nd
1. TRAINS
2. ANOTHER STAR
3. MAPUTO
4. CAMEL ISLAND
5. ORDINARY PEOPLE
6. SENOR BLUES
7. SPANISH JOINT
8. RUN FOR COVER
EC. THE DREAM

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