LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


RON CARTER 80th BIRTHDAY : QUINTET featuring KENNY BARRON, ANTONIO HART, DONALD HARRISON, BILLY DRUMMOND

artist KENNY BARRON , RON CARTER

VIDEO

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


この2017年、ロン・カーターは80歳を迎えました。1950年代から第一線で活動を続け、ギネスブックでは"最多レコーディング数を誇るジャズ・ベーシスト"と認定されています。その巨星が、今年の5月に結成したニュー・クインテットで来日中です。

共演メンバーはケニー・バロン(ピアノ)、ビリー・ドラモンド(ドラムス)、そしてドナルド・ハリソンとアントニオ・ハートの2アルト・サックス。'50年代の若手であるロン、'60年代の若手であるバロン、'80年代の若手であるドラモンドとハリソン、'90年代の若手であるハートが集まった、一種のジェネレーション・ユニットともいえます。ハリソンは元アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズのメンバーで、近年はトランペット奏者クリスチャン・スコットの叔父としても注目が高まっています。そしてハートは、トランペット奏者ロイ・ハーグローヴがメジャー・デビュー当時に結成していたバンドで重責を担いました。このふたりが並んで演奏し、掛け合いを繰り広げるのも、バンドの特徴のひとつです。

セットリストはロンの自作と、ことし生誕100年になるセロニアス・モンクの楽曲が中心(ロンは'60年に短期間、彼のバンドにいたことがあります)。ボサ・ノヴァを取り入れた「Ah,Rio」を軽やかに演じ、「Cut and Paste」や「Well,You Needn't」では各メンバーがスリリングなソロの応酬を聴かせてくれました。シャープな音色でフレーズを空間に放つように吹くハリソンと、深みのある音色でジャズの数々の名曲のメロディを引用しながら流れるようなアドリブを繰り広げるハートが生み出すコントラストも絶妙です。ラストはバロンとのデュオで「'Round Midnight」。メロディをじっくりと奏でるバロンのプレイを、ロンは親指を細かく動かしながらのトレモロ奏法で盛り立てました。公演は30日までブルーノート東京で続き、12月1日にはコットンクラブで開催されます。
(原田 2017 11.28)


Photo by Yuka Yamaji


●RON CARTER 80th BIRTHDAY : QUINTET
featuring KENNY BARRON, ANTONIO HART, DONALD HARRISON, BILLY DRUMMOND
2017 11.27 mon., 11.28 tue., 11.29 wed., 11.30 thu. ブルーノート東京
詳細はこちら
2017 12.1 fri. コットンクラブ
詳細はこちら
2017 12.3 sun. 名古屋ブルーノート
詳細はこちら

SET LIST

2017 11.27 MON.
1st
1. NEARLY
2. FOR TODDLERS ONLY
3. AH, RIO
4. YOU ARE MY SUNSHINE
5. NO FLOWERS, PLEASE
6. CUT AND PASTE
7. WELL YOU NEEDN’T
EC. ’ROUND MIDNIGHT
 
2nd
1. SEVEN STEPS TO HEAVEN
2. I CAN’T GET STARTED
3. R.J.
4. ALL OF YOU
5. LIGHT BLUE
6. EIGHT
7. BLUE MONK
EC. OLD FOLKS

INDEX