原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

ジプシー・フィエスタに参加する準備はOKですか？
祝、結成25周年！大人気のグループ、チコ＆ザ・ジプシーズの公演が昨日から始まりました。

他のメンバーが黒を基調にしたコスチュームのなか、リーダーのチコ・ブーチキーは白いシャツをパリッと着こなしての登場です。彼はジプシー・キングスの創設メンバーのひとりであり、音楽監督的存在として同グループの世界的躍進に貢献したあと独立し、1992年にチコ＆ザ・ジプシーズを結成。今に至っています。

みんなが知っている、みんなが聴きたい曲を、エンタテインメント性たっぷりのホットなパフォーマンスで届ける・・・これがジプシーズの持ち味といっていいでしょう。今回も「Allegria」、「Baila Me」、「Todos Ole」など次々と演奏されて観客から手拍子や合唱を引き出し、情熱的なアップ・テンポの曲から甘いバラードまでカサカ、ペピーノ、ムニンがかわるがわるリード・ヴォーカルをとって個性を競います。白いギターを超絶技巧で指弾きするケマのプレイ（チコは"マエストロ""魔術のような演奏"と紹介していました）はギター経験のある人にもない人にも大きなインパクトを与えることでしょうし、アストル・ピアソラの楽曲「Libertango」におけるピー・ウィーは、まさに絞り出すようにヴァイオリンから哀感を引き出していました。

後半は「Djobi Djoba」「Bamboleo」「Volare」「My Way」等、"これが聴きたかったんだ"的ナンバーが続きます。もちろん観客は総立ちで一緒に合唱、ヴォーカリストたちも身を乗り出して、今にも客席に入り込みそうな勢いで歌い込みました。不動のメンバーによる、永遠不滅のジプシー・サウンド。抜群のチームワークで奏でられる名曲の数々には磨きがかかるいっぽうです。公演は26日まで続きます。
(原田 2017 11.24）

Photo by Takuo Sato